ニッポンのお墓づくり

虹の松原で有名な佐賀県唐津市で産出される「天山石」は、国産銘石のなかでもトップクラスの吸水率の低さと硬度の高さを誇る高級青御影石です。わずかに紫がかった独特の深い青みは〝紺碧″の名にふさわしい美しさと自負しています。しかもその石目は歳月を経ても変色がほとんどありません。
古くから西日本では人気の石でしたが、いまや「天山石」は全国区の人気となりました。その理由は“天山石のプロ”である私たちの徹底した品質管理にあります。原石の色合いは特殊機械で測定し、データ化していきます。最高級ブランド石として出荷するのは、その中で超特級の基準を満たすものだけです。また一つひとつの石に個体識別番号を付け、産地証明を発行しています。販売や加工に関しても特約店のみの扱いとしました。すべてはお客様に安心していただくための私たちのこだわりです。おかげさまで天山石は品質にばらつきのない最高級ブランド石としてお客様からご評価いただいています。

岡山市北区矢坂で産出される「万成石」。淡く優しいその色合いは “さくら御影”との別名もあるほどです。かわいらしい雰囲気を持っていながら、石質は非常に堅固で吸水率も低く、長い年月を経てもその美しさと風合いが変わりません。
万成石はその美しさと風格から、数多くの著名人の墓石や慰霊碑に選ばれて来ました。またモニュメントの建材として芸術家たちにも愛され、昨今人気が非常に高まっています。ですが採掘できるのは国内で唯一、岡山だけ。しかも現在、採掘業者は私たちを含め2社のみで、希少性も高まっています。
原石の色の濃淡は、採掘する場所や時期により5〜6種類に分けられます。私たちは石のプロとしてそれらを吟味し、本物の風格と最高の品質を保証できるものだけを、お客様のもとにお届けしています。大切な方を包み込みつづける枯れない桜、万成石。まさに花と実の両方を併せ持つ最高級ブランド石として、私たちが自信を持ってお届けします。

「大島石」は、しまなみ海道の終点・村上水軍ゆかりの島として知られる大島で産出される銘石です。採石場は日本でも有数の花崗岩山地で、江戸時代より銘石の地として知られていましたが、堅牢な岩盤を下へ下へと掘り進んでいく採石作業には大変な困難が伴っていました。昭和になり、採石技術の進歩により採掘量が増加すると一躍脚光を浴びるようになりました。
そのため今でも関西、中四国地方でお墓といえば「大島石」と言われるほどです。もちろん強度だけでなく、時とともに深まる青い色や艶持ちの良さ、変色しにくさなどすべてにおいて優れた石質が評価された結果だと思っています。
私たちはたくさんのご支持をいただいていることを誇りに、これからも大島石のプロフェッショナルとしてより一層の品質管理に務め、厳選した大島石を丹精込めて全国のお客様へお届けすることをお約束します。そしてこれからも西日本での建墓数NO.1をめざしていきます。

「伊達冠石」は宮城県南部の大蔵山で採掘される火山岩の一種です。赤い表土を掘り進んだ下にある発達した柱状の割れ目。私たちは、そのいわゆる形状節理に沿って原石を切り出していきます。この割れ目はおよそ2000万年前、マグマが冷え固まるときの収縮によって生じたもので、そこに水分や空気が入り込むことで、一つとして同じものがない伊達冠石独特の色と風合いを生み出しています。その際立つ存在感は、国内外の彫刻家や建築家たちをも魅了してやみません。
そんな唯一無二の表情ももちろんですが、緻密なその石質や時を経て増す美しさもこの石の大きな魅力です。磨いた直後は黒灰色ですが、次第に味わい深い鉄錆色へと変化していきます。まさに太古の地球の記憶を宿した恵みの石として、私たちは採掘、加工ともに真摯に向き合っています。希少な伊達冠石に永遠の命を刻む大切なお墓づくりは、ぜひプロフェッショナルである私たちにお任せください。

日本三大石材産地のひとつである茨城県。「やさとみかげ」は、その西部にある加波山、足尾山、筑波山の常陸三山から採掘される深い青みを持つ御影石です。表面の美しい光沢や適度な硬度から加工にも適し、古くから石塔や寺社建築に広く使用されてきました。
特に筑波山を最高峰とする筑波連峰のひとつ、加波山は山岳信仰の山として有名です。さまざまな伝説が残り、山中には多くの神社や巨石があります。私たちはそんな信仰の山で、日々真摯に採掘に取り組んでいます。
「やさとみかげ」は豊富な埋蔵量に裏打ちされた、安定した供給体制も大きな特長です。年間採掘量はなんと3万才（約840㎥）。その供給量のスケールが風雪による劣化にも強く、厳しい気象環境に耐える安心品質でありながら、お求めやすい親切な価格でお届けできる理由です。
見る者を圧倒する巨大な岩壁。私たち職人は神聖なるその岩壁に向き合いながら、これからも真心込めて「やさとみかげ」をお届けしていきます。

「真壁小目」は茨城県桜川市真壁町の東、加波山連峰から算出される貴重な御影石です。当地で採れる御影石は「真壁石」と呼ばれ、鎌倉初期より五輪塔などに用いられて来た歴史があります。明治の頃には墓石はもちろん建材としても高い人気を誇り、赤坂離宮の迎賓館や日本銀行にも採用されています。「真壁小目」は真壁石のなかでも特に目が細かい石に名づけられたものです。研磨された面が艶のある美しい青みを帯びていることから「青小目」と呼ばれるものもあります。品質の良いものは産出量が少なく、現在でも高級石材として主に関東地方で人気を集めています。
｢真壁小目｣には「摩尼玉（まにだま）」と呼ばれる特徴的な石目が見られます。大きな面に時々混じる石目で、その風合いは独特の趣を醸し出します。まさに日本的な「わび」「さび」を感じられる石です。また硬質で堅牢でありながら、吸水率が高いのも特徴のひとつです。全体的に水を吸うことで、なお一層の美しい景色を生み出すのです。「石目が揃っている」「吸水性が低い」ことが良い墓石の条件であるかのように言われがちですが、石のプロフェッショナルである私たちの価値観さえも問い直す、奥の深い石であるともいえます。

私たちが採掘する「浮金石」は、古くから最高級国産墓石材として評価をいただき、主に東日本地域で多くお墓に用いられてきました。黒い石肌の中に金箔や白の斑が浮くように散りばめられた優美さを持つ「浮金石」は、見た目の美しさだけでなく、その堅牢さにおいても最高級と評価される墓石材です。現在でも、首都圏をはじめとする関東地方では、最高級黒御影と言えば“浮金石”という評価をいただいており、多くのお客様から大変ご好評をいただいております。
阿武隈山系黒石山の山頂付近で採れる私たちの石は、ご見学いただければその作業の困難さが容易に想像できる、標高800ｍという厳しい自然環境の中で産み出されています。最高級の称号は、この厳しい自然と山で働く石職人の熟練の目と技術で産み出されているといっても過言ではありません。
古来、お墓や慰霊碑といった手を合わせる対象のものには、それにふさわしい威厳を感じさせる石が用いられています。沖縄県戦者慰霊碑にも選ばれ使用されている浮金石。その凛とした存在感は、変わってはいけないものがあるということを伝え続けます。私たちの浮金石に込められているもの、それは石職人の苦労と思い入れ、安らかなれと願う供養の気持ちです。

私たちが採掘する「紀山石」は、みちのく産らしい粘りを持った御影石です。お墓に使用する石として求められる大切な要素である”粘り強さ”、これを持ちながら、石の表情である粒子が美しく、気品をそなえた深みのある色合いが魅力の良質材として、いまも日本の幅広い地域で評価していただいています。
お墓とは、永代にわたり祈りの気持ちを託すもの。
そして、家族の絆の象徴。私たち日本人は、長い歴史の中で、時に厳しい現実に接しながらも、故郷や家族への感謝の気持ちを忘れずに、それを乗り越えてきました。一代ではなく、何代にもわたって継承されていく「お墓」には、気候、風土にあった粘り強い耐久性とともに、祈りの対象としての美しさが求められます。みちのくを代表する銘石である「紀山石」、それを真心こめて採掘する私たちは、福島に心寄せ、手を差し伸べてくださる皆様に感謝しながら、毎日生産を続けています。
是非、私たちのお届けする「紀山石」をお選び下さい。