お役立ちコラム お墓の色々

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冬休みや年末年始におすすめ!大晦日についてわかる絵本6冊を紹介

供養・埋葬・風習コラム

12月は師走(しわす)と呼ばれるだけあり、大掃除やおせち料理作りなどやることがたくさんあって忙しくなりますよね。

この時期、クリスマスが注目されがちですが、冬休みを迎えた子供たちにも家の手伝いを通して、日本の伝統や文化に触れてほしいと思っている人もいるでしょう。

特に近年は伝統的な年末の過ごし方をする機会は減っており、家庭に受け継がれている風習を通じて日本の伝統や文化を伝えていくことは難しいと感じている人もいるかもしれません。そんなときは子供たちと一緒に絵本を読んで、伝統的な大晦日やお正月の様子を学んでみるのがおすすめです。

そこで今回は、年末や大晦日の過ごし方を見て楽しめるおすすめの絵本6冊を紹介します。

伝統的な日本の大晦日に関する絵本

絵本なら、門松を飾ったり餅つきをしたりといった、現代ではなじみが薄くなった伝統的な年末行事にも気軽に触れることができます。

親子でタイムスリップした気分で楽しんでみてはいかがでしょうか。

もうすぐおしょうがつ

西村繁男 作

ひろくんとゆうちゃんが年末年始をおじいさんとおばあさんの家で過ごす様子を描いた絵本です。

障子の張り替えや親戚と一緒に行う餅つき、神棚や仏壇への鏡餅のお供えなど、現代ではあまり見ることがなくなった風習も登場します。

家族の服装や家の中にある道具、大賑わいの商店街にもぜひ注目してみてください。現代の家や街の様子と見比べてみると、「昔と今でこんなに変わった!」とたくさんの発見がありますよ。

かさじぞう

いもとようこ 文・絵

昔話の定番「かさじぞう」をいもとようこさんの温かく優しい絵柄で楽しめる一冊です。

貧しい生活ゆえに、大晦日でもごちそうを買えないおじいさんとおばあさん。おじいさんは町で笠を売ってお正月のごちそうを買おうとしますが、笠は一つも売れません。

帰り道、雪をかぶったお地蔵様に出会ったおじいさんは、売れなかった笠をお地蔵様にかぶせてあげることにしました。するとその夜、不思議な出来事が起こります。

おじいさんは自分たちも食べるものがなくて大変な状況の中、雪の中で寒そうにしているお地蔵様のことを思い、笠をあげることに。自分たちのことよりも、今困っている人を助けたいというおじいさんの優しさがきっと心に染みるはずです。

そしてこの物語は、よい行いをすると、やがて自分のもとにもよい出来事として返ってくることも教えてくれます。

冬休みに子供たちと一緒に読んで、思いやりをもってよいことをする大切さを思い出してみませんか。

こたつ

麻生知子 作

こたつに入りながら大晦日を過ごす、こうたくん一家の1日を見つめる作品です。

家族みんなでこたつに入りながらごはんを食べたり、おせちの準備をしたり、遊んだりする様子を真上から観察する形で物語は進んでいきます。

途中で誰かがこたつから出たと思ったら、しばらくしてまた戻ってくるという繰り返しもおもしろいポイント。

スマホがなく、年賀状でのやりとりが当たり前だった少し昔の年末年始。お父さんやお母さんにとっては懐かしい時代かもしれません。

一緒に絵本を読みながら、「うちでも昔はこんな風に、家族みんなでこたつに入っていたんだよ」と子供に思い出話をしてみるのもよいでしょう。

大晦日の過ごし方を真似したくなる絵本

現代やそれに近い雰囲気の絵本を紹介します。絵本に描かれている年越しの様子を自宅で真似してみるのもおすすめです。

くまのこのとしこし

高橋和枝 作

クマの家族3人が暮らす家での年越しを、温かいタッチで描いた絵本です。

初めて「今年が終わる」ことを知ったくまのこは驚き、「らいねん」がどんな存在なのだろうかと想像します。

そしてくまのこは、おとうさんやおかあさんと一緒に、「らいねん」のためにいろいろな準備をしていくことに。

最後にお正月に関する解説もあり、小さい子への読み聞かせにもおすすめの1冊です。

お正月がやってくる

秋山とも子 作・絵

現代の東京で年越しをする家族を描いた作品です。

たくさんのビルや住宅が立ち並ぶ東京でも、伝統的な年末の風習が受け継がれています。大賑わいの酉(とり)の市で熊手を買ったり、浅草のガサ市で買い物したりするシーンは東京ならでは。

お風呂や台所の大掃除は、まるで自分の家を掃除しているシーンのように親近感が湧くのではないでしょうか。

東京周辺に住んでいるなら、読み終わったあと絵本に出てきた場所を尋ねてみるのもよいでしょう。

じょやのかね

とうごうなりさ 作

大晦日の深夜から鳴り響く、除夜の鐘。近年は除夜の鐘をつかないお寺も増えており、聞いたことがない子もいるかもしれません。そんな子にぜひ読んでほしい一冊です。

「ぼく」は大晦日の夜、パパと一緒にお寺に行き、除夜の鐘をつくのを楽しみにしています。

年越しそばを食べたら、暗い夜道を歩いてお寺へ。たくさんの参拝客と一緒に列に並んで待ちます。そして長く待った末に、ついに自分の順番が来て、念願だった鐘をつくことに。

読んでいるうちに、自分も一緒に鐘をつきに来たような気持ちになれるはずです。

この本は最初から最後まで版画で作られた白黒の絵で表現されており、黒い部分が暗い夜道や夜空の静けさ、お寺の鐘の存在感を印象的なものにしています。

絵本を読んだら一緒に年末の準備をしよう

今回紹介した6冊の絵本を読んでいると、きっと家族みんなで大掃除やおせち作りなど年末年始の準備をやってみたくなるはずです。

読み終わったら、一緒に取りかかってみてはいかがでしょうか。

また今回紹介した絵本には、除夜の鐘の音を聞いたり、お寺に鐘をつきに行ったりするシーンがあるものが多いのも特徴です。

1年が終わる瞬間を厳かな気持ちにしてくれる除夜の鐘。最近聞いていないという人は、この機会に子供と一緒にお寺へ行って音を聞いたり、鐘をつかせてもらったりしてみてはいかがでしょうか。

真夜中にゴーンゴーンと鳴り響く音を聞いていると、日本の年越しを肌で感じることができて「ああ、もうすぐ今年が終わるんだな」と感慨深い気持ちになりますよ。

子供にとっても、きっと思い出に残る時間になるはずです。