お役立ちコラム お墓の色々
お役立ちコラム お墓の色々
- 供養をきわめる -
墓石に刻む内容の決まりって?文字や言葉の定番について解説
お墓を建てる際には、どのような文字を墓石に刻めばいいのでしょうか?よく見かけるのは「○○家之墓」といったものですが、実は墓石に刻む文字には明確な決まりはありません。ただし、なんでも自由にしても良いというわけではなく、ある程度の傾向はあります。よく使用される文字や書体、定番の言葉などがありますので詳しく解説します。
墓石に刻む文字書体の種類やルールは?
墓石に刻む文字の書体などにはルールはありませんが、墓石の文字には、よく使用される書体があります。同じ文字を刻んでも、書体を変えることで印象が大きく変わるので、どの書体が自分のイメージに合うのか事前に確認してみましょう。定番の文字書体としては楷書体・行書体・隷書体があります。楷書体は、はっきりとわかりやすい書体で書き文字に近いという特徴を持っています。行書体は楷書体を繋げて書いたり、やや崩して書いている書体です。やわらかい印象を与えることができ、より和風のイメージが強くなります。隷書体は横線にうねりがあり、跳ねが強いというやや独特の特徴がある書体です。
この3つの書体は読みやすく、やわらかい印象を与えることができるので墓石に好まれて使用されています。これらの書体で墓石に様々な文字を刻みますが、刻む文字にも明確なルールはありません。墓石の正面には好きな言葉を刻んでもOKですが、一般的には南無妙法蓮華経や南無阿弥陀仏などの題目や家名などを刻みます。墓石の右側面には戒名や没年月日、墓石の台の左側面にはお墓を建立した年月日やお墓を建てた人の名前を刻むことが多いです。裏面には何も刻まないこともありますが、お墓を建てた人の名前を刻む場合もあります。
墓石に刻む言葉の定番
墓石に刻む言葉には定番のものがありますが、和型墓石と洋型墓石によって異なります。
和型墓石の定番
和型墓石は宗派ごとによって定番の言葉が違います。浄土真宗は題目の「南無阿弥陀佛」または、故人は菩薩様と浄土で会うことができるという意味を持った 「倶会一処」が定番です。天台宗は題目の「南無阿弥陀佛」か、サンスクリット文字の梵字に「○○家先祖代々」を組み合わせます。真言宗は題目の「南無大師遍照金剛」または、梵字に「○○家先祖代々」と刻むのが一般的です。臨済宗と曹洞宗は題目の「南無釈迦牟尼佛」か、世の心理を象徴する円の後に「○○家先祖代々」と続けたりします。
日蓮宗では題目の「南無妙法蓮華経」を入れますが、その際には独特な書体である「ひげ文字」を使用します。もしくはひげ文字で「妙法」と刻んだ後に「○○家先祖代々」と入れることもあります。
洋型墓石の定番
洋型墓石は、和型墓石にはない丸形や横長い形など様々な形があるため人気を集めています。洋型墓石の場合にはローマ字を使用することも多く、墓石のデザインや雰囲気に合わせて選択するのがベストです。好きな言葉を自由に刻むことができますが、漢字一文字や二文字を大きく刻んだり、短いメッセージを刻むのが一般的です。漢字一文字で人気なのは「心」や「愛」、「絆」「風」などで、漢字二文字の場合には「希望」「平安」などです。メッセージとしては「やすらかに」「ありがとう」などが多いです。故人の好きな歌の歌詞の一節を刻むというケースもあります。
墓石に刻む文字以外の例
墓石には文字以外のものも刻むことがあります。最も多いのが家紋です。家紋の下に「○○家先祖代々」と刻むのが多かったのですが、最近では家紋以外の模様を彫るお墓も増えています。家紋以外には花などのレリーフを刻むことがあります。レリーフは洋型墓石に用いられることが多く、花や様々な模様などを彫ることで墓石に様々なイメージを与えることができます。主に桜や菊などの花のレリーフが人気です。富士山などの風景などをレリーフで彫ることもあります。
その他にも故人の似顔絵や、故人が生前に読んだ俳句などを刻むこともあります。墓石に刻む文字や模様には決まりはないので、どんなお墓にしたいのかというイメージに合うように様々な工夫をしてみましょう。ただしお墓は、故人やご先祖様を偲ぶ大切な場所ですので、あまり奇抜なデザインのものは避けた方が無難です。
仏教以外の墓石に刻む文字は?
仏教の墓石には主にそれぞれの宗派の題目などを刻むことが多いのですが、神道やキリスト教の場合には異なりますので注意してください。
神道
神道の場合には、神式の墓石を建てます。神式の墓石は仏教の墓石とは違って、先端が尖っているのが特徴です。墓石の正面に刻むのは「○○家奥都城」や「○○家之奥都城」、「○○家先祖代々霊位」などが一般的です。奥都城とは、誰々のお墓という意味を持つ言葉です。仏教でいう戒名は、神道では霊号といいます。霊号や命日にあたる帰幽日なども墓石に彫ります。
キリスト教
キリスト教のお墓は、どの宗派であっても形などに制約はありませんが十字架を刻むのがセオリーです。仏教などとは違い、一つのお墓に一人の故人になります。墓石に刻む文字は、故人の名前と故人の洗礼名などがありますが、聖書の一節や賛美歌などを刻む場合もあります。
お墓に刻む文字にこだわってみよう!
お墓に刻む文字には、守らなければならない厳しい決まりは基本的にはありません。好きな書体で好きな言葉を刻むことが可能です。ただし、一般的に使用される書体や刻む言葉などには傾向があるので、あまりその傾向から逸脱しすぎると霊園や墓地で変に目立ってしまうことになってしまいます。あくまでも基本に沿いながら、文字やデザインにこだわるのがおすすめです。