お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
花崗岩と御影石の違いや墓石としての特徴など
終活を意識した時に気になるのが自分のお墓です。こだわりを持って立派なお墓を建てたいと考える人もいますが、一般的に墓石に使われるのが花崗岩、または御影石と呼ばれるものです。両者にはどのような違いがあるのでしょうか?今回は花崗岩・御影石の成り立ちや特性、そして御影石がお墓に使われる理由などについて調べてみました。
花崗岩とは
花崗岩とはお墓に使われる岩石の一種です。そもそも岩石は堆積岩や変成岩、火成岩に分かれますが、火成岩の中でも噴火後にマグマが急に冷えて固まった火山岩、そして地下でゆっくりと冷え固まった深成岩に分類されます。ちなみに花崗岩は火成岩の深成岩に属する岩石で、世界中に存在しています。花崗岩を構成しているのは石英や斜長石、カリ長石、白雲母、黒雲母、普通角閃石など様々な鉱物で、そこに微量の鉄も含まれています。
鉱物の種類が多いので、それぞれが占める割合や組み合わせが異なれば当然風合いも違ってきます。また鉄が酸化すると鉱物に影響を及ぼすため、黒やグレー、白、ピンク、赤など様々な色の花崗岩が形成されるのです。産地によって違いがあり、同じ産地でも全く同じ模様というものはありません。そしてもう一つ、深成岩に属する花崗岩は時間をかけてゆっくり固まっていくため、密度が高く硬いのが特徴です。つまり耐久性に優れているため、雨風にも強く、墓石としても使いやすい岩石と言えます。お墓以外にも石垣や建造物の外壁、床など様々な場所に使われています。
御影石とは
日本の墓石に使われている代表的な石こそが御影石で、石質や色、艶ともに最高級の石材です。ちなみに御影石という名前は日本だけで使われており、神戸市東灘区にある御影という地域が名前の由来です。日本全国に多種多様な御影石が産出されており、福島県の紀山石、茨城県の稲田や真壁、岡山県の万成石、香川県の庵治、愛媛の大島などが代表的な産地となっています。
御影石はマグマが地殻内の深いところで冷え固まった石材なので頑丈で重さがあり、他の石に比べると吸水率が低いといった特徴があります。ただ一方で高温や高熱には弱く、火の気の傍に置いておくとひび割れが生じる事もあります。古くから道標や石の鳥居などにも用いられてきましたが、加工技術がまだ万全でない頃に作られたものの中には、ゴツゴツとした石造物も存在します。現在は技術も発達しており、ピカピカとした鏡のように磨き上げる事も可能となりました。磨けば磨くほど光沢が出る石材で、その美しさを活かすべく、数多くの有名な建造物にも使われています。さらに丈夫で長持ちする事から駅の階段や舗道、路面電車の軌道など交通量が多い場所でも用いられています。
花崗岩と御影石の違い
間違えやすいですが花崗岩と御影石は別物ではなく、全く同じものです。単に花崗岩は岩石としての名前で、御影石は石材としての名称なのです。ただ御影石という名前が有名なため、花崗岩全般を御影石と呼ぶようになりました。花崗岩は日本全国で産出され、町のいたる所で見る事ができるのですが、御影地区の花崗岩は他と区別するため本御影石と言う事もあります。
またパンフレットなどを見ていると、黒御影石や白御影石と表現されているものもありますが、黒御影石は実は花崗岩ではありません。黒い石を黒御影石と呼んでいるだけで、実は斑レイ岩という種類の石なのです。この黒い黒御影石に対して、一般的な花崗岩を白御影石と呼ぶケースもあります。斑レイ岩の黒御影石が少しややこしい存在ですが、基本的に花崗岩と御影石は同じと考えておいて間違いはありません。
御影石がお墓によく使われる理由
日本では御影石のお墓が大半を占めます。お墓に使われる石と言えば他に大理石がありますが、日本で見かける事はあまりありません。ちなみに大理石は海外のお墓でよく見受けられますが、これは細かな彫刻を施したお墓が多いためです。大理石には柔らかくて加工がしやすいといった特徴があり、彫刻をしたいと考えている人からの人気は高くなります。一方、日本は海外のお墓のように細かい彫刻をする事がほとんどありません。つまり加工のしやすさより耐久性を重視する傾向にあるのです。
大理石は色や模様の種類が豊富で磨くと光沢も出ますが、主成分が炭酸カルシウムのために酸性雨に強くありません。作られたばかりの頃は綺麗な状態でも、時間の経過とともに表面がざらつき、汚れがつきやすくなってしまいます。御影石の場合は風化に強く、とにかく耐久性があります。磨けば光沢も出るので、大理石と比べても遜色はありません。見た目にも落ち着いた風合いだったので、日本のお墓は御影石が主流となったのです。
色や模様にこだわって満足出来るお墓を建てよう
艶やかな鏡面光沢、耐久性の強さから日本の墓石のほとんどは御影石が使われています。人と同じ物は嫌と考えている人も、よく見ると墓石によって少しずつ色や模様が違う事に気付くはずです。お墓参りに行った時や御影石を使って建てられた建造物など、日頃からじっくり観察していると自分の好みも見えてきます。そして将来建てる事になるお墓もイメージしやすくなるかもしれません。