お役立ちコラム お墓の色々

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- 供養をきわめる -

お墓を建てる時期に決まりはあるの?期限や避ける時期は?

墓地・墓石コラム

お墓を建てる時期に決まりはあるの?期限や避ける時期は?

新しいお墓が必要になったら早めに動き出しましょう。お墓は完成までに2~3ヵ月が必要ですし、墓地の見学や石材店との打ち合わせなど、やることもたくさんあるからです。
お墓を建てることに慣れている人はほとんどいません。ご不安や心配なことも多いと思いますが、ひとまず納骨までのスケジュールが決まれば一安心できますよね。本記事では、お墓を建てる時期として、避けるべき時期やおすすめの時期をご紹介します。

お墓を建てる時期に決まりはない

宗教や法律の観点から見ても、「絶対にこの時期に建てなければいけない」という決まりは、実はありません。ただし、避けたほうがいい時期と、実際に納骨が行われることの多い時期はあります。
お墓を建てる時期を大きく分けると、没後か生前かの2つになります。それぞれの適期をご説明致します。

お墓を建てる時期 没後の場合

没後に建てる場合、四十九日や一周忌などの法要の時に、お墓が完成していると良いでしょう。これらの法要は供養の節目の時期になりますので、気持ちを切り替える良い機会です。また、お墓に納骨する際に必要な開眼法要や納骨法要を同日に行うことができるため、参列者に参加してもらいやすいという利点もあります。

四十九日までに建てる場合

命日から数えて49日目に行う大事な法要が、四十九日法要です。
浄土真宗を除く仏教では、故人は生前の行いをもとに、閻魔大王の審判を受け、六道と呼ばれる六つの世界のどれかに生まれ変わるという考え方があります。四十九日は来世の行き先が決まる重要な日なのです。四十九日法要は、故人が良い世界に生まれ変われることを願って執り行われます。
実は、故人の魂は四十九日までは転生先が決まらず、現世をさまよっていると考えられています。故人があの世へ移る四十九日と、納骨のタイミングを合わせるのは理にかなっていると言えるでしょう。逆に、四十九日より前にお墓や納骨堂へ納骨するのはおすすめできません。
浄土真宗の場合、故人の魂はすぐに極楽浄土に招かれると考えられており、四十九日法要は阿弥陀如来への感謝を表すために催されます。他宗派と主旨は異なりますが、故人に縁のある方が集まる機会には変わりませんので、納骨を行う日としては適しているでしょう。
四十九日の納骨は、準備の時間が少ないことにご注意ください。お墓が完成するまでには2~3ヵ月の時間がかかります。亡くなってから注文したのでは四十九日に間に合わない可能性が高いです。代々のお墓がある人か、生前に建てた方でなければ四十九日の納骨は難しいでしょう。

百箇日までに建てる場合

百箇日は、命日から数えて100日目に行う法要です。
別名で「卒哭忌(そっこくき)」と言われており、遺族が悲しみで泣くことから卒業する日とされています。百箇日法要に合わせての納骨は、気持ちを整理するのに良いタイミングでしょう。ただし、現在ではこの法要自体を省略される方も多いです。

一周忌までに建てる場合

一周忌法要は、満1年目の命日に行われる法要で、年忌法要のなかで最も重要なものです。ご遺族・ご親戚が法要を開き善行を積むことで、仏様が故人をより良い世界へと生まれ変わらせてくれると考えられています。
一周忌も納骨に適した時期です。法要に参加される方が多いですし、喪が明ける日なので気持ちに区切りもつけやすいと思われます。新しくお墓を建てる時間も十分に取れます。「一周忌までに」はお墓を建てる目安になるでしょう。実際に関係業者に話を伺うと、おおむね9割以上の方が一周忌までに購入されています。

三回忌までに建てる場合

一周忌の次に行う法要が三回忌です。三回忌を含め、一周忌以降の年忌法要は「追善供養」とも呼ばれており、現世の私たちが故人の分まで善行を積むことで、故人が仏様に導いていただけると考えられています。お墓は遅くとも三回忌までには建てられると良いでしょう。三回忌に間に合わなかった場合、次の法要は七回忌になり、4年も空いてしまいます。

お墓を建てる時期 生前の場合

生前にお墓を建てることを「寿陵」と言い、「長寿」「子孫繁栄」「家庭円満」を呼び込む縁起の良いものと考えられています。
さらに、以下のようなメリットがあります。

・お墓は非課税財産なので、相続税の節税効果がある
・自分の気に入った石材やデザインでお墓を建てることができる
・費用や手続きなど、ご遺族の負担を軽減することができる

詳しくは「生前墓について(寿陵)についてメリットや注意点を解説

お墓は故人だけのものではなく、残されたご家族が故人とのつながりを感じるためのものでもあります。それぞれの希望を話し合いながら理想のお墓を作れるのは、寿陵の良いところのひとつです。
実際に墓地や墓石選びをしていると、ご本人もご家族も悲しくなってきてしまう時もあるかもしれませんが、今ならお互いの気持ちを直接伝えることができます。生前のお墓探しは家族が向き合う良い機会にもなるのです。
ただし、生前といえど、死期が近づいてから慌ててお墓を建てようとするのはおすすめできません。お墓探しは現地見学や予算決めなど、時間も手間もかかるものです。ご本人が行うのは難しいでしょうし、ご家族の方もお墓を探すよりは残された時間を大切に過ごした方がよろしいでしょう。生前にお墓を建てる場合は、ご本人が元気なうちに行うのがおすすめです。

生前にお墓を建てる場合の注意点

生前のお墓はどこでも建てられるわけではないのでご注意ください。ほとんどの公営墓地では生前にお墓を建てられません。その他の一部の霊園でも生前墓を受け付けていないところがあるので下調べが必要です。ご検討の際はお近くの石材店等にご相談ください。

お墓を建てる時期のおすすめは「一周忌までに」

・生前であれば元気なうちに
・没後の場合は「四十九日~遅くとも三回忌まで」
・9割以上の人が「一周忌までに」にお墓を建てている

お墓を建てるのに良い時期は、以上のようになります。お墓がないからといって供養の気持ちに差はないかもしれませんが、お墓を建てることはひとつの区切りになります。故人のためにも、あなたが前を向いて進むためにも、早めにご用意して差し上げましょう。