お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
生前墓(寿陵)についてメリットや注意点を解説
日本では、お墓は亡くなった後に遺族が建てるというのが一般的です。しかし近年は、最後まで自分らしい生き方をするための終活が話題になり、生前に自分自身のお墓を用意する人が増えています。生前墓を選ぶ理由は残される家族の負担を減らしたい、自分の好きなお墓にしたいなどと考えて準備をしておく人がほとんどです。この章では、生前墓のメリットや注意点を解説していきます。
生前墓(寿陵)とは
生前墓とは、生きているときに建てる自分自身のお墓のことです。寿陵というのは、仏教での生前墓の呼び名です。どこまで準備をしておくかはそれぞれですが、元気なうちに自分のお墓を購入し、名前や戒名を刻んでおくケースが多いです。
生前墓(寿陵)は縁起が良い?
生きているうちにお墓を建てると聞くと、縁起が悪いのではないかと心配になる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、仏教では寿陵は「長寿」「子孫繁栄」「家庭円満」を授かる縁起のいいものとして考えられています。秦の始皇帝のお墓が寿陵の起源とされていますが、日本でも聖徳太子が寿陵を建てたことが日本書紀によって判明しています。寿陵の寿という字が示すように、実は日本でも長寿を祈願して古くから行われてきているのです。
生前墓(寿陵)のメリット
生前墓を準備しておくことには大きなメリットがあります。生前墓を建てる3つのメリットについて解説します。
自分が納得できるお墓を建てられる
生前墓の一番のメリットは、自分が生きている間に実物を見ながら準備ができること。家族にお墓参りしてもらいやすい場所や思い出の場所など好きな場所を選び、自分の気に入った墓石やデザインを自身で選んでお墓を建てることができます。そして、余裕を持って準備をすることで、本当に納得するまで検討できるのもポイントです。必要になったタイミングで急いでお墓を探すとなると、時間が限られているため納得できるものに出会うまで見て回るのが難しい場合も多いでしょう。しかし生前の時間があるときであれば、ゆっくり選ぶ余裕があるので、色々探して納得のいくものに出会ったタイミングでお墓を建てることができます。
費用など家族に負担させずに済む
自分でお墓を用意しておけば、万が一のときにも家族にお墓の費用などの負担をかけることがありません。お墓を建てるには100万円以上かかることもあるため、生前墓を用意しておけば、残された家族の金銭的な負担は大きく減るでしょう。亡くなった後しばらくの間は、葬儀や様々な手続き、遺品整理など、遺族にはしなければならないことや決めなければならないことがたくさんあります。お墓を事前に用意しておけば、遺族の負担を軽減することができるというのも大きなメリットです。
相続税の節税になる
葬儀やお墓の費用は全て自分で準備して家族に残しておくという方も多いでしょう。しかし、現金で残した場合は相続税がかかってしまうことをご存知でしょうか。一方、お墓や仏壇、仏具などは祭祀財産のため非課税です。生前墓を相続した場合は非課税になるため、結果的に多くの遺産を残せることになります。
生前墓(寿陵)の注意点
生前墓にはたくさんのメリットがありますが、気をつけておきたい点もあります。
公営墓地・霊園は生前だと入りづらい
公営の墓地や霊園は金額が安くて人気です。しかし需要が高いことから、墓地の申し込みの際に「遺骨が手元にあること」が条件になっているケースがあります。気になる方は、お住いの自治体の募集要項を確認してみてください。
生前からお墓の管理が必要
お墓を建てた後は、管理するための金銭的コストと肉体的コストがかかります。納骨をしていなくても永代使用料や管理費がかかるため、使用していなくてもお金を払い続けなければいけません。また、お墓を綺麗に保つためには草むしりや墓石の清掃などをする必要があります。
ローンで生前購入すると相続税対策にならない
ローンのようなマイナスの財産は債務控除とよばれ、一般的には相続税の対象から除外されます。しかしお墓の場合は、相続税が課されないのと同様に債務控除も受けられません。ローン残高が多いほど、残された家族の負担にも大きくなります。相続税を考えるのであれば、可能であればできるだけ現金で全額支払いをしておくのが理想です。
生前墓について、そのメリットや注意点などをご紹介しました。生前墓は縁起が良いとされており、自分で納得したお墓を建てられる、相続税を節税できるといったメリットがありますが、自分だけで決めてしまうとトラブルになりやすいのも事実です。家族しっかり話し合ったうえで、お互いに納得したものを建てることをおすすめします。