お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
お墓に骨壷が入らない?カロートが一杯になったときどうするか解説
お墓は、竿石(さおいし:墓石ともいいます)、その下にある石の台、台石の下にあるカロート(納骨室)、外側を囲む外柵(がいさく)などで構成されています。カロートの形や広さはお墓の形や広さによって違いますが、都市型のお墓ではカロートスペースが狭かったり、古いお墓では広く作られていても先祖代々のご遺骨を納めて手狭になっていたりと、様々な事情でカロートが一杯になり骨壷が入らなくなってしまうことがあります。
では、カロートのスペースがなくなってしまったらどのように対応すれば良いのでしょうか。今回は、カロートが一杯になって骨壷が入らなくなってしまった場合の対処について解説していきます。
お墓(カロート)の中はどれくらいのスペース?
カロートには様々なタイプがあり、広さもそれぞれですが、一般的には中が一室になっている「一段カロート」、二室にわかれている「二段カロート」、三室になっている「三段カロート」があります。カロートの中の面積は、一段カロートは0.56平米、二段カロートは同じく0.56平米が二段、三段カロートは1.1平米が三段というのがおおよそのサイズです。骨壷のサイズは地域によっても異なりますが、7寸壷の場合、一段カロートには4体、二段カロートには8体、三段カロートには24体程度入るようになっています。
お墓(カロート)が骨壷でいっぱいになった場合の対処法
新しい骨壺をお墓に納めるには、一般的に以下の2つの対処法があります。カロートの底部がコンクリートになっているか、土になっているかで対処方法が変わるので、納骨予定のお墓の構造を確認したうえで、合った方法で対処します。
ご遺骨を粉骨処理する
カロートの底部がコンクリートの場合、ご遺骨を粉骨処理することでスペースを確保します。骨を細かく砕くことでかさを減らし、複数の骨壷に入っているご遺骨を一つにまとめます。ご遺骨を粉砕すると聞くと心配な方も多いかもしれませんが、粉骨は仏教発祥の地であるインドを中心にアジア地域では古くから存在しており、仏教の観点からも特に問題はないとされています。ご遺骨をお墓に納めずに自宅に置いたり、一部をお墓に入れて残りを自宅に置いたりして供養をする「手元供養(自宅供養)」や、海などにご遺骨をまく「散骨」の場合にも粉骨をするのが一般的で、日本では奈良時代ごろには散骨を行っていたという記述が万葉集などの和歌からも読み取ることができます。この様に粉骨は散骨の歴史とともに昔から行われていますので、特に宗教的な観点からの心配をする必要はないでしょう。
なお、もしもご先祖様のご遺骨をまとめてしまうことに抵抗があれば、粉骨してかさを減らしたうえで、それぞれを小さな骨壷に納めるという方法もあります。この方法を採用すれば、どのご遺骨にどのご先祖様のご遺骨が入っているのかを区別することも可能になるでしょう。ただし、小さな骨壷にした場合は一つ一つの骨壷が小さくなるため、一時的には新たなスペースを確保できますが、いつかまたスペースが足りなくなる時が来ます。今後も代々受け継いでいくことを考えると、将来的にはまとめる必要が出てくる可能性もあるでしょう。
ご遺骨を土に還す
カロートの底部が土になっている場合、ご遺骨を土に還すという方法が一般的です。ご遺骨を骨壷から出し、カロートの土の上に広げたり土の中に埋めたりすることで、骨壷の数を減らしてスペースを確保します。ご遺骨はいずれ自然に分解されて土へと還っていくため、今後も代々同じ方法で同じお墓を使い続けることができるでしょう。なお、カロートの底部がコンクリートの場合でも、土に還すために中央に土のスペースが空けてあるお墓もあります。そのようなお墓では、ご遺骨を小さくした上で土のスペースへ入れることで、ご遺骨を土に還すことができます。
粉骨したあとの骨壷はどうする?
地域によって異なりますが、一般的には、粉骨をしていない場合の骨壷の大きさは7寸(直径21センチ)から8寸(直径24センチ)です。粉骨後は4寸(直径12センチ)程度の小さなサイズの骨壷に収め直してカロートに戻します。
ご遺骨を取り出して不要になった骨壷は、自治体の決まりに従って処分します。お墓に入っていたものを普通に処分することに抵抗がある方もいるかもしれませんが、骨壷はあくまでも入れ物でしかないため、普通に処分しても問題はありません。ただしどうしても自分で処分するのに抵抗があるという場合は、葬儀社などで処分を請け負ってもらえる場合もあります。葬儀を請け負ってもらった葬儀社などに相談してみると良いでしょう。
まとめ
先祖代々受け継いでいるお墓では、将来的にどこかのタイミングで必ずカロートが一杯になってしまいます。骨壷が入らなくなってしまった場合は、粉骨により新しい骨壷を入れるスペースを確保するといった方法がありますが、、粉砕した骨をどのように納めるかは、お墓の構造などによっても変わります。お墓の問題は、これまで守ってきた家族や親族にとって重要なことでもあります。家族や親族と相談し、納得したうえで対処しましょう。