お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
古くて新しい?お墓を巡礼する墓マイラーとは
墓マイラーという言葉をご存知ですか?ここ10年ほど、歴女、山ガールなど、特定の趣味を持つ人たちのことを指す言葉がよく聞かれるようになりましたが、歴女ブームに関連して増えてきたとも言われるのが、墓マイラーと呼ばれる人々です。この記事では、趣味としてすっかり定着した墓マイラーについて、墓マイラーとは何か、そして墓マイラーのルールやマナー、墓マイラーに人気の著名人のお墓の情報などをご紹介します。
墓マイラーとは
墓マイラーとは、各地にある著名人、有名人、歴史上の偉人などが眠るお墓を巡る人々のことをいいます。墓マイラーという言葉は「墓参り」という言葉が発展して作られた造語でしたが、広く使われるようになって定着し、2010年版の「現代用語の基礎知識」に新しく登録されました。なお、著名人のお墓巡りという趣味は墓マイラーという言葉とともに注目されるようになりましたが、実は古くから行われており、そのような趣味を持つ人々は「掃苔家(そうたいか)」とよばれてきました。掃苔とは、お墓についた苔を清めることを意味する言葉ですが、そこから発展して掃苔家という言葉が生まれたとされています。
墓マイラーのルールやマナー
お墓参りにはルールやマナーがあります。著名人のお墓も、多くの墓マイラーが訪れて観光地化しているとはいえ、あくまで故人を供養するためのお墓。まわりには一般のお墓もたくさんあります。遺族にとってはとても大切なプライベートな空間であることを忘れず、ルールやマナーを守って巡りましょう。
汚さず、荒らさず、騒がず
お墓では、汚さず、荒らさず、騒がずを心がけましょう。自分の家庭のお墓には食べ物・飲み物などを供えることがあっても、著名人のお墓には供えないのが基本。その理由は、食べ物・飲み物は、日にちがたつと処分する必要があり、遺族の掃除の手間を増やしてしまうこと、そして場合によってはカラスなどの被害にあってお墓が汚れてしまう可能性があることなどが挙げられます。
著名人のお墓は観光客が訪れる場所とはいえ、あくまでも故人の供養をする場所です。墓地内で大きな声で話したり、用もなく長居したりすることは控えましょう。写真撮影は基本的には禁止されていませんが、マナーを守って節度ある行動をとることが望まれます。また、どんなに小さなものであってもお墓にあるものを持ち帰ることは禁じられています。
敷地所有者の許可をもらう
お墓が公営の霊園などにある場合は、基本的には誰でも入れるようになっています。しかし、お寺の所有地にあったり、関係者以外は入れない場所にあったりする場合は、必ず敷地所有者に確認をして許可をもらってから入りましょう。
・著名人の墓所(一部)
ここで、日本の全国各地に眠る著名人や歴史上の有名人などの墓地について、その一部をご紹介します。
石川啄木 北海道函館市住吉町共同墓地
函館市内には、石川啄木の座像、歌碑、居住地跡などの観光スポットがあり、石川啄木一族の墓もそのうちの1つとして広く知られています。道路に看板なども出ており、わかりやすい道案内があるため多くの人が訪れています。
宮沢賢治 岩手県花巻市身照寺
宮沢賢治ゆかりの地である岩手県花巻市には、宮沢賢治童話村や宮沢賢治記念館、詩碑、注文の多い料理店にちなんだレストランなどがあり、多くの宮沢賢治ファンが訪れています。お墓は花巻市の身照寺にあり、お寺に行けば宮沢賢治の墓の案内が出ているので、見つけやすいでしょう。
伊達政宗 宮城県仙台市瑞鳳殿
仙台市にある瑞鳳殿は、伊達政宗の遺言により息子が建立した霊廟です。最初に建てられた建物は太平洋戦争で全焼。現在の建物は、その後復元されたものです。伊達政宗のほか、戦争で亡くなった仙台藩士の弔魂碑なども建てられています。
芥川龍之介 東京都豊島区慈眼寺
芥川龍之介のお墓は、東京都豊島区の慈眼寺にあります。その墓石が愛用していた座布団と同じサイズで作られているというのは、墓マイラーの間では有名な話。芥川龍之介の息子たちのお墓も同じお寺の墓地にあります。
谷崎潤一郎 京都府左京区法然院
谷崎潤一郎のお墓は、京都府左京区の法然院にあります。墓石が独特の形をしており、「寂」という文字が刻まれていることで知られています。なお、谷崎家のお墓は芥川龍之介のお墓と同じ東京都豊島区の慈眼寺にあり、谷崎潤一郎の遺骨も分納されています。
聖徳 太子 大阪府南河内郡叡福寺
聖徳太子のお墓は、大阪府南河内郡の叡福寺にある叡福寺北古墳とされています。この古墳は、宮内庁に陵墓(皇族の墓)として指定されています。
教科書や作品でしか知らない有名人・著名人のお墓を巡ることで、実際にその人が生きていた時代を感じられるというのが、墓マイラーとして色々なお墓を訪れる魅力です。あなたもぜひ、マナーに十分に注意した上で、いろいろなお墓を巡ってみてはいかがでしょうか。