お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
お墓にある「墓前灯篭」とは?なぜ置くの?意味や種類について解説します
お寺や日本庭園などで見かけることが多い灯篭。お墓の前にも設置されているのを見かけたことはありませんか。
じつは、お墓の前に設置されている灯篭には名前や意味があります。今回はこちらのパーツについて解説いたしますので、ご存じのない方は、ぜひ最後までお読みください。
なぜお墓に灯篭(とうろう)を設置するの?
そもそも、お墓に灯篭が必要な理由は、故人に火のついたろうそくをお供えする必要があるからです。お墓にろうそくを供えるのは、仏教の一般的な考え方である「五供(ごく、ごくう)」に基づいています。五供とは、お墓やお仏壇に供える5つのお供え物のことで「香」「花」「灯燭(とうしょく)」「浄水」「飲食(おんじき)」を指します。
ろうそくの灯りは五供のなかでは「灯燭」のことです。あの世でご先祖さまや故人が道に迷ってしまわないようにする道灯りの役割や暗い煩悩を払い、悟りへの道を照らす役目もあります。また、電気のない頃はろうそくの火によって参拝者の足元を照らす役目もありました。
お墓に設置する墓前灯篭とは?
墓前灯篭の火を灯す部位を「火袋」といいます。火袋の側面には、片面に丸くくり抜かれた太陽、その反対側に三日月形にくり抜かれた月が彫刻されています。
彫刻の位置は薬師如来の両脇侍である太陽の光を象徴する「日光菩薩」と月の光を象徴する「月光菩薩」の位置に従って、向かって右側に太陽、左側に月を彫ることが多いです。ただし、宗派や地域、石材店の考え方によって異なるため、位置に正解はありません。
墓前灯篭は、一般的にお墓の前に左右1つずつ設置します。しかし、現在は、お墓の区画の狭さや予算の都合で右側のみに設置する場合や、そもそも設置しない場合もあります。
墓前灯篭に火を灯っているのを見かけないのはなぜ?
現在はろうそく立てを設けてそこに火を灯す事はあっても、墓前灯篭に火を灯す光景はほとんど見かけなくなりました。それは、火袋にある太陽と月の彫刻によって日中は太陽、夜は月の光で灯篭を照らしているとされ、設置するだけで故人のご供養になると考えられているからです。
もちろん灯篭へ火を灯すことは可能ですが、火を灯すこと自体を規則で禁じている霊園があるため、事前に確認してから灯す必要があります。また、火を灯す際は帰るまでに消すことを忘れないようにしましょう。
お墓に設置する灯篭の種類
お墓の前に設置することで参拝者の目に入りやすい灯篭は、見た目も重要です。また、デザインによりお墓を華やかに彩ってくれるでしょう。
以下で、墓前に設置する主な石製の灯篭を4種類ご紹介します。
角型墓前灯篭
柱のような背の高い灯篭です。火を灯す部分が高い位置にあります。屋根部分が四角になっており、角があるのが特徴です。
その存在感からお墓を華やかに彩ってくれますが、背が高く細長いため積雪や外部からの衝撃にはやや弱いです。また、角タイプは尖っている部分があるため、子供やお年寄りがひっかけて転倒する心配もあり、設置数が減っています。
丸型墓前灯篭
角型とは異なり、屋根部分が丸い形になっているのが特徴です。角がないため子供やお年寄りが怪我をする可能性が低く、お選びになる方が角タイプよりも多いです。他の特徴はほぼ角型墓前灯篭と同じため、お好みのデザインによって選ぶとよいでしょう。
角置き型灯篭
背が低く、圧迫感の少ない灯篭です。屋根部分が四角になっています。背の高い墓前灯篭より転倒のリスクが少なく、やや狭いスペースでも設置できるメリットがあります。また、コンパクトなものであれば外柵の門柱にも設置できるでしょう。
外柵についてはこちらで紹介しています。よろしければ、あわせてお読みください。
◆お墓をぐるりと囲うように設置されている外柵(がいさく)とは?意味・種類・費用について解説します
丸置き型灯篭
角置き型灯篭と同様に背が低く、圧迫感の少ない灯篭です。屋根部分が丸い形になっており、角がありません。こちらもサイズを選ぶことで外柵の門柱に設置できます。また、丸型墓前灯篭と同様に引っかかる心配がなく、お選びになる方が多いです。他は角置き型と大きな違いはないため、デザインの好みで選ぶとよいでしょう。
お墓に灯篭がない場合
承継したお墓に灯篭がない場合や、スペースや予算の都合で設置できない場合もあるでしょう。ご供養のためにできれば設置したい灯篭ですが、必須ではありません。
現在では、ほとんどのお墓にろうそく立てが設けられているので、そちらに火を灯すことができます。もし、どちらもない場合は、お墓参りの際にろうそく立てを持参して火を灯すのもよいかもしれません。また、ろうそく立てはホームセンターやインターネットで気軽に購入できます。お墓参りの前に用意するのはいかがでしょうか。
もし、墓前灯篭のないお墓を承継したため新しく設置したい場合は、お墓を建てた石材店に相談するのがおすすめです。必要に応じて、お墓に合わせたデザインや大きさの灯篭の提案や設置、メンテナンスまで行ってくれるでしょう。また、ご希望があればスペースの小さいお墓に合う灯篭を作ってもらうことも可能です。
いずれにしても大事なのは故人を供養する気持ちなので、状況に合わせて用意するとよいでしょう。
灯篭について知ることでご供養の気持ちにつなげましょう
お墓に灯篭が必要な理由は、五供に基づいて故人に灯りを供えるためです。ただし、実際に墓前灯篭に火を灯すことは少なく、火袋に彫られた太陽と月によって陽の光と月の光で1日中灯篭を照らしていると考えられています。
火の灯りは、あの世でご先祖さまや故人が道に迷ってしまわないようにする道灯りの役目や、暗い煩悩を払って悟りへの道を照らす役目があります。さらに、灯篭はご供養の気持ちを示すだけでなく、その見た目によりお墓を華やかに彩ることが可能です。
とはいえ、現代のお墓では、さまざまな事情で灯篭を設置できない場合もあります。墓前灯篭がないお墓で灯りを故人にお供えしたい方は、ろうそく立てを使用することもできます。状況に応じて、お墓に合った方法を選ぶとよいでしょう。
もし、墓前灯篭を新しく設置したい方や灯篭の修理を依頼したい方などは、お墓を建てた石材店に相談しましょう。
しかし、承継したため分からない方や、忘れてしまった方、他店に依頼したい方もいらっしゃるのではないでしょうか。こちらからお近くの石材店をお探しいただけますので、ぜひご活用ください。
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