お役立ちコラム お墓の色々

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一般的な墓石の種類や特徴を解説します

墓地・墓石コラム

一般的な墓石の種類や特徴を解説します

お墓を建てるまでにはいろいろなことを決めなければなりません。その中でも最も気になることの一つが墓石選びです。専門業者でもない限り、墓石に詳しい人はあまりいるものではありません。お墓を建ててから後悔しないようにその家に最もふさわしい墓石を選ぶためには、墓石についての基礎知識を身につけることが大切です。ここでは西日本でお墓に良く用いられる石について解説します。

よく使われる墓石の種類は?

庵治石(あじいし)

産地は日本で主に香川県のものが有名です。青系の色で細い石目が特徴です。黒雲母模様が混ざった美しい墓石で日本の石の中でも最高級との評価を受けています。とても人気のある石で墓石としてブランド化されています。

大島石(おおしまいし)

産地は日本で主に愛媛県産です。青系の中ぐらいの石目で見た目が美しいので人気があります。硬さも十分あり吸水率は低めで人気のある種類です。

天山石(てんざんいし)

日本産で佐賀県産が有名です。白系の色で上品な力強さがあります。石目は中ぐらい、硬くて吸水率の低い石です。比較的高価な墓石で全国的には普及率は低いのですが西日本では非常に人気があります。特に九州では評価が高く、「九州の誇り」とまで言われています。

万成石(まんなりいし)

日本、岡山県産のブランド石です。御影石(花崗岩)の一種ですが「桜御影」の別名が示すように色目は美しい淡い桃色です。見た目がソフトなので柔らかく感じますが、十分な硬さがあり吸水率は低めです。

紀山石(きざんいし)

産地は日本の福島県で石目は細かく均一です。花崗岩の一種ですが、色には深みがありとても気品のある墓石です。十分な硬度があり吸水率も低めです。古くから西日本でよく使われています。

真壁小目(まかべこめ)

産地は日本の茨城県です。主に白色ですが薄青から黒系のものもあります。硬くて吸水率の低い性質で、磨くと美しい光沢が出ます。灯篭などにも使われる石材として広く愛されています。

墓石の種類による違いは?

吸水率

お墓は屋外に建てられ、非常に長い年月の間、遺骨を守る役目をします。長年の風雨に耐えられるだけの強さを持っていることはとても重要です。吸水率が低いということは墓石の組織が密集していて、水を含みにくいということです。墓石には鉄分を多く含むものもあり、墓石が水を含むと中からさびによる変質が起きます。ヒビが入ったりもろくなったり、また色目が汚くなったりします。つまり吸水をなるべくしないか、吸水したとしてもその後の水はけのよい墓石が望ましいとなります。庵治石や天山石は吸水率が低い特徴をもつ石材といわれています。

圧縮強度

圧縮強度は文字通り押さえつけたときの強さを言います。お墓を押さえつけることは一般的にはあり得ませんが、圧縮強度がお墓の強度をあらわす要素になります。お墓は人の一生よりも長く設置されることもあります。強風や大雨に晒されることもあります。強度は墓石にはとても大切なことです。圧縮強度においても庵治石は定評があります。ただし、一般的に普及している墓石はほぼ圧縮強度の高い石です。

見かけ比重

一定の体積に対する重さを指します。見かけ比重の大きい岩石と言えば花崗岩になります。御影石とも呼ばれる種類です。一般的に良品と評価される墓石は花崗岩が多く、見かけ比重の大きい種類です。

石目

石目は岩石のキメを言います。一般的に石を細工するときには石目に沿って割っていきます。そのため石目が細かいほど割れにくいと喧伝されることもあります。石目によって石に模様が出るので墓石の石目には人気不人気があったり好みがあったりします。石目は見た目を決定づける要素でもあります。強度だけを問題にした場合にも細かいものが優れていると言われることもありますが、こちらも上述の割れにくいという話同様、あくまでもその様に評価する方もいるということですいずれにせよ庵治石は美しくなおかつ細かいことで高評価を得ています。

耐久性

文字通り墓石の耐久性、強さを言います。耐久性は石目や硬度、吸水性、圧縮強度などで決まっていきます。一般的には墓石の耐久年数は50年から100年といわれていますが、そもそも自然素材である石の耐久性をどこで捉えるかでも違うでしょう。災害などで倒れてしまうこともあれば、風雨にさらされるなかで彫られた文字が少なからず侵食されること自体は避けられません。石材ごとの特徴により加工のし易さやとても長い期間で見た場合での侵食性の違いはあるかもしれませんが、どの程度その点が自身の納得につながるかは、信頼できる石材店とよく話をしてみると良いでしょう。

墓石選びのポイントとは

石材店選び

お墓の建立は人生のうちで何度も行うものではありません。人によっては生涯お墓を建立しない巡り合わせの人もいます。そのため、知り合いの石材店などというものはなかなかありません。多くの場合は墓地出入の石材店やお寺の紹介などで石材店を選びます。しかし、近年になってインターネットが普及すると、紹介だけではなく幅広い石材店選びが可能になりました。よい石材店選びの基本は、様々な質問にも面倒がらずに答えてくれることと、墓地との利便性です。質問しても、きちんと答えてくれない場合、その石材店は墓石の知識が少ない可能があります。お墓は建立して終わりというものでありませんので、それらの対応を通して後々の面倒もしっかり見てくれるよい石材店選びが重要です。

複数見積もり/相見積もりをとる

お墓の建立は生涯に一度有るか無いかの大事業です。墓石選びや墓地選びで後悔したくはありません。もちろん、費用の面でも後悔はしたくありません。そこで、おすすめしたいのは数軒の石材店から見積もりをとることです。複数の見積もりを取る場合には、「相見積もりをお願いしています。」と一言断りましょう。その方が、見積内容がよくなる可能性があります。また、見積もりを出す人へのマナーでもあります。

墓石が決まったら

お墓を建てるには様々な段階を踏まなければなりません。墓地の選定、墓石の選定、墓石のデザイン決定などです。複数の墓地を見学し、複数の石材店と話し合い、親戚やお寺さんと打ち合わせます。墓石選びは一つの段階にすぎませんが出来上がりの印象には大きな影響を与えます。どんな墓石がどんな性質を持っていて、費用はどうなのかを親身になって考えてくれる信頼できる石材店を選ぶことがとても大切なことなのです。