お役立ちコラム お墓の色々

お役立ちコラム お墓の色々

- 供養をきわめる -

キリスト教の葬儀に招かれたら…服装や香典について解説

葬祭基礎知識

キリスト教の葬儀に招かれたら…服装や香典について解説

キリスト教の葬儀に招待される機会は、仏式と比べてはるかに少ないものです。勝手がわからず不安に思う方も多いと思いますが、開式された後は進行に従っていれば大丈夫です。本当に注意すべきなのは、むしろ「準備」の方です。本記事では、キリスト教の葬儀の「服装」と「香典」についてまとめました。

キリスト教の葬儀はどんな服装で参列すべき?

キリスト教の葬儀に招待されたときに、まず気になるのは服装です。「仏式との違いは?」「キリスト教ならではの持ち物は?」といった疑問が湧いてくるでしょう。本項では男女別で、キリスト教の葬儀にふさわしい服装を解説します。

男性の場合

服装

仏式と同じで構いません。黒のフォーマルスーツを着用します。上着はシングルでもダブルでも大丈夫なのですが、パンツの裾はシングルのものが良いとされています。ダブルは「繰り替し」を意味すると考えられているからです。ワイシャツはレギュラーカラーの白無地が基本です。ネクタイは黒無地を着用します。通常は結び目にくぼみを作りますが、葬儀の場では華美な印象になるので、くぼみができないように結ぶのが一般的です。

紐付きの黒い革靴を着用します。形は、つま先に横一文字に切り替えがある「ストレートチップ」がふさわしいです。飾りがあるウィングチップ、ローファーなどはカジュアルな印象になってしまうので避けましょう。靴下も黒無地を選びましょう。

小物類

ネクタイピン・カフスボタンなどの装飾品はすべてNGです。服に隠れるからといって派手なベルトや腕時計を着用しないようにご注意ください。黒いベルト、黒や銀の地味な腕時計が基本です。

女性の場合

服装

こちらも仏式と同じで、スーツやアンサンブルなどのブラックフォーマルを着用します。肌の露出の多いものや透ける素材のものはNGです。シンプルで、光沢のない素材のものを選びましょう。ストッキングも黒の薄手のものを着用します。
映画やドラマの葬儀のシーンで、ベールが付いた帽子を被った女性を見たことがあるかもしれません。これは「トークハット」と呼ばれるもので、カトリックの葬儀で利用されます。ただし、着用するのは喪主や親族です。参列者が着けるものではありませんのでご注意ください。

アクセサリー

結婚指輪以外のアクセサリーは控えるのが一般的です。ただし、「涙の象徴」と考えられる真珠のアクセサリーは、つけても失礼にはなりません。華美にならないように、ネックレスなら一連、イヤリングなら小ぶりなものにしましょう。

バッグ

黒い布製のハンドバッグを着用します。光沢のある素材、柄物は控えてシンプルなものを持つようにしましょう。

黒いパンプスを着用します。光沢のあるエナメルなどの素材は避けましょう。形は、つま先の丸い「プレーントゥ」や角のある「スクエアトゥ」が基本です。ヒールの高さはやや太めの安定感のあるもので、高さは3~5cm程度が無難です。つま先が尖ったものやつま先が開いたものは、カジュアルな印象になるのでお気をつけください。

男女共通

持ち物

カトリックの葬儀の場合、「ロザリオ」という小さな十字架のようなものを持参します。ただし、参列者自身がキリスト教徒でなければ、買い求めまで持参する必要はありません。
仏式の葬儀では数珠を持参する方もいらっしゃいますが、数珠は仏教由来のものなので、キリスト教の葬儀では必要ありません。

キリスト教の葬儀、香典の用意は?

ふさわしい服装がわかったら、次は何かと気をもむことも多い香典の準備に入りましょう。仏式とは勝手が違うので注意が必要です。
まず、「香典」という言い方はしません。香典には、「お葬式に必要なお香の代り」という意味があり、これは仏教の作法です。キリスト教の葬儀では、線香・お香を焚くといった行為がありません。そのため、「香典」ではなく「御花料」という呼び方をします。

御花料の包み方

仏式のものとは異なりますのでご注意ください。十字架や百合が書かれた御花料専用の袋に入れて渡すのがベストです。水引もついていないものが良いです。もし専用の袋が手に入らない場合は、白無地の封筒に包みましょう。
専用の袋や封筒が用意できたら、薄墨の筆や筆ペンなどを用いて、表書きに「お花料」「御花料」と記入します。ちなみに、表書きの書き方には、カトリックとプロテスタントでそれぞれに特有のものがあります。カトリックの場合は「御ミサ料」、プロテスタントの場合は「弔慰料」です。「お花料」「御花料」という言葉はカトリック・プロテスタントのどちらでも使えるので、特にこだわりがなければこう書いておくのが無難です。
送り主の名前の書き方には、特有の決まりはありません。表書きの下に自分の名前をフルネームで書きましょう。

御花料に包む金額の一例

両親:5万〜10万円
兄弟姉妹:3万〜5万円
祖父母:1万〜3万円
叔父/叔母/いとこ/甥/姪:1万〜3万円
義理の両親:3万〜5万円
ご近所:3千〜1万円
会社関係者/友人:5千〜1万円

御花料の渡し方

会場の受付で渡します。通常その際は、お悔やみの言葉を述べるかと思いますが、「この度はご愁傷様です」は使わないようにしましょう。キリスト教では、死を不幸なことと捉えていません。「お知らせいただきありがとうございます。安らかなお眠りをお祈り申し上げます」といった言葉がふさわしいです。

キリスト教の葬儀の服装と香典 まとめ

本記事をまとめますと以下のようになります。
・服装は仏式と同じでOK。数珠は必要ない。
・香典は専用の袋を用意して。表書きは「お花料」か「御花料」が無難。
つまり、御花料専用の袋以外には、キリスト教の葬儀だからといって特別に用意するものはありません。本記事に沿って準備していただければ、故人との別れに専念することができるでしょう。

式の流れを把握しておきたい方は、こちらの記事もご覧ください。
【キリスト教のお葬式】流れや仏式との違いは?