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節分祭(節分会)とは?豆まきだけでない厄除け行事を解説

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節分祭(節分会)とは?豆まきだけでない厄除け行事を解説

毎年2月3日になると全国のお寺や神社で節分祭、または節分会(せつぶんえ)と呼ばれる行事が行われます。
ニュースなどで、お寺の前に集まった人に向かって豆をまく様子を見たことがある人もいるでしょう。

節分祭は神社でも行われますが、今回は特にお寺で行う「節分会」について、やることや日程などを解説します。

節分会(節分祭)とは

節分会とは、節分の日に厄払いを行い、1年の幸せを願う法要です。
節分追儺法要(せつぶんついなほうよう)、節分追儺式(せつぶんついなしき)などお寺によってさまざまな呼び方があります。
また節分会と節分祭、どちらの名前で呼ぶかもお寺によって異なります。

節分会はいつ?

節分の日である2月3日に行うことが基本です。
しかし、2月2日から4日の3日間にわたって行うケースや、2月3日に近い日曜日を選んで行うケースも存在します。

また節分の日は、年によって移動することがあります。2021年の節分は2月2日でした。2025年も2月2日になるため、節分会の日程も変わることが予想されます。

そもそも節分とは?

節分は、「節」と「分」という漢字の通り、「季節」を「分ける」日をあらわします。

かつては春夏秋冬を4つに区切るため、節分は1年に4日存在しました。立春、立夏、立秋、立冬の前日がそれぞれ節分とされていたのです。
しかし時代の流れとともに夏秋冬の節分は一般的でなくなり、立春の前日だけが節分として受け継がれるようになります。

立春の前日だけが残った理由は、旧暦の大晦日に相当する日だったからです。
江戸時代まで日本では旧暦(陰暦)を使用しており、立春がお正月、節分が大晦日となっていました。そのため立春の前日は、新しい年を迎える準備をする大切な日だったのです。

節分に豆をまく理由は?

大昔の中国には、節分の夜に鬼や邪気を追い払う大儺(たいな)という風習がありました。
これが日本に伝わり、奈良時代の宮中では追儺(ついな)を行うようになります。ただしこのころは、まだ豆まきをしていませんでした。

豆まきが始まった時期は明確になっていないものの、宮中で追儺の儀式が行われなくなった江戸時代には、鬼や邪気を追い払う節分の豆まきが行事として民間で定着していたようです。

鬼を追い払うために豆をまく理由は諸説あり、特に有名なものとして「豆は魔目(鬼の目)と同じ音であるため、魔を滅する効果がある」「神が宿るとされる五穀の中でも粒が大きく邪気を払う効果が高い」などがあります。

節分と仏教の関係は?

節分はもともと中国から伝わってきた伝統行事のため、本来、仏教と直接の関係はありませんでした。
しかしお経を唱えて除災招福(じょさいしょうふく、災いを退けて幸せを招く)を祈願したり、仏教の教えを人々に伝えてよりよく生きるヒントにしてもらったりする行事として、長い間続けられています。

節分会では何をする?

お寺によって、節分会でやることには違いがあります。事前にホームページなどで確認しておくとよいでしょう。
成田山新勝寺など、多くの人が訪れるお寺では、交通規制が行われることもあります。

法要

厄除けと人々の幸せを願う法要が行われます。

豆まき

お寺によっては、特設舞台を設けて豆まきを行います。著名人がゲストとして参加するお寺も少なくありません。

昔は年男・年女が豆をまくとよいとされていましたが、現在は年齢に関係なく豆のまき手を募集するお寺もあるため、興味がある人はホームページなどをチェックするとよいでしょう。

なお、お寺の豆まきでは「鬼は外」を言わず、「福は内」とだけ言うケースが多くあります。
仏の慈悲で鬼が改心するから、鬼子母神のようによい鬼もいるからなど、お寺や宗派によって理由はさまざまです。

お札やお守りの授与

節分会にあわせて、厄除けのお札やお守り、福豆などが授与されることがあります。
また節分会限定の御朱印を用意しているお寺もあるため、御朱印を集めている方はこの機会を見逃さないことをおすすめします。

祈祷

節分会にあわせて、厄払いの祈祷をお願いすることもできます。
厄年の人は、お正月から節分までの間に厄払いを行うことが一般的です。まだ行っていない場合にはお願いするとよいでしょう。

ぜんざいなどの振る舞い

お寺によっては、ぜんざいなどの振る舞いも行われます。

伝統行事の披露

節分会にあわせて、舞や狂言(きょうげん、セリフが中心の伝統劇)などさまざまな伝統行事を披露するお寺もあります。この機会に、地域の伝統と文化に触れてみてはいかがでしょうか。

節分会の参加費

節分会では、お寺によって無料か有料かが異なります。

参加費が無料のお寺も、豆をまく役として参加する場合は、参加費が発生することが多いようです。数千円から数万円と参加費の相場はかなり幅があるため、参加したい場合は事前にお寺の情報をよく確認しましょう。

喪中でも節分会には参加できる?

一般的に、喪中の間はお祝いごとへの参加は避けたほうがよいと言われています。
しかし節分はあくまで年中行事であり、お祝いごととは見なされないため、喪中でも参加は可能とされています。

ただし神社の節分祭に行く場合には、注意が必要です。忌中(きちゅう、四十九日が終わるまでの間)は神社の参拝は避けたほうがよいと言われているため、節分祭の参加についても慎重に検討したほうがよいでしょう。

まとめ

節分はもともと大晦日にあたる日です。昔から人々は1年が終わるその日に厄払いを行い、新しい年の幸せを祈ってきました。

現代の2月3日はまだ寒いころですが、日没の時間はだんだんと遅くなり、春が近づいていることを感じられます。
新しい季節の訪れを感じながら、節分会に1年の幸せを願ってみてはいかがでしょうか。

気持ちを新たにしたあとは、お墓参りに行って、ご先祖様に挨拶をするのもおすすめです。家族そろって墓前に花を供え、春の訪れをご先祖様と一緒に感じてみてはいかがでしょうか。ご先祖様も、きっと喜んでくれるはずです。

お墓参りはお盆やお彼岸に行くものというイメージがあるかもしれませんが、ほかの時期に行っても問題はありません。

お墓参りに適した時期については下記の記事で解説しています。
お墓参りはいつ行ってもいいの?適切な時期とは

この機会に、お墓参りの基本もおさらいしませんか。
お墓参りの基本や作法をあらためて押さえておきましょう