お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
夏のお墓参りは夜でもいい?猛暑の時代に考えたい「宵参り」という選択

お盆といえば、お墓参りを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
家族そろってお墓を訪れ、掃除をしたりお花を供えたりして、静かに手を合わせる。そんな光景が、夏の風物詩の一つとして思い浮かびます。
しかし、近年の夏は「いつお墓参りをするか」についても、少し考え直す必要があるのかもしれません。その理由の一つが、年々厳しさを増している夏の暑さです。7月、8月には40℃を超えるような危険な暑さとなる日もあり、お盆の時期に炎天下のお墓で掃除をしていると、短時間でも体に大きな負担がかかることがあります。
そこで、これまであまり一般的ではなかった夜のお墓参り「宵参り(よいまいり)」が、一つの選択肢として注目されています。
お墓参りは昼間にするもの?
そもそも、お墓参りをする時間に決まりはあるのでしょうか?
実は、「お墓参りは必ず昼間にしなければならない」という一律の決まりがあるわけではありません。地域や家庭によって習慣は異なりますが、昔から朝や昼間にお墓参りをすることが多かったのには、それなりの理由があります。
昔は例え都市近郊であったとしても、現在のように街灯や照明が整備されておらず、夜の墓地は人目が届きにくい場所であり、治安面で危険だったため、夜のお墓参りは避けられていました。山間部の墓地ではイノシシや野犬などに遭遇する危険もありました。
そのため、「お墓参りは明るいうちに」という習慣が定着していったとも考えられます。
一方、現代では街灯や照明が整備された墓地も増え、墓地や霊園によっては夜間のお参りを想定した設備を備えているところもあります。
夏のお墓参りは時間帯にも注意が必要
お墓参りでは、墓石の掃除や草取りなどをすることもあります。
真夏の墓地は日当たりがよい場所が多く、墓石そのものも熱を持つため、思った以上に暑いと感じやすい環境になります。炎天下での活動に慣れていない方、特に高齢の方や小さな子どもと一緒にお墓参りをする場合は、暑さへの注意が必要です。
そこで、暑さが厳しい時期には、時間帯をずらすという方法があります。朝の早い時間帯は比較的過ごしやすいです。夕方以降もまた日中の強い日差しを避けることができます。
仕事などの都合で朝や昼間に時間を取ることが難しい人にとっても、夕方から夜にかけてのお墓参りは選択肢の一つになるでしょう。
どうしても日中しか時間が取れないという場合に、気をつけるべき点については以下の記事をご覧ください。
◆夏のお墓参りの注意点〜熱中症への備えと気をつけるべきポイント〜
「夜のお墓参り」という新しい選択
夜のお墓参りと聞くと、「怖そう」「何となく不気味」というイメージを持つ人もいるでしょう。
しかし、近年では、厳しい暑さを背景に、お盆の時期にも夜のお参りを提案している寺院もありますし、多くの霊園で設備が整い安全性も高まっています。
夜のお墓参りは単なる珍しい風習ではなく、現代の生活環境やライフスタイルに合わせた、新しいお墓参りの形として考えることができるのです。
夜のお墓参りにはどんなメリットがある?
夜にお墓参りをするメリットとして、まず挙げられるのが、日中の強い日差しを避けられることです。
もちろん、日が沈めば必ず涼しくなるわけではありません。真夏は夜になっても気温が高いことがあります。それでも、直射日光を避けられるだけで、体感温度が2℃以上違うと言われることもあり、体への負担を軽減できるでしょう。
また、夕方から夜にかけての墓地には、昼間とは違った静けさがあります。
日常の忙しさから少し離れ、落ち着いた気持ちで故人と向き合う時間を持てるかもしれません。「お墓参りをしたいけれど、朝や昼間に時間を取れない」という人にとっても、夕方以降のお参りは便利な選択肢といえるでしょう。
夜のお墓参りで気をつけたいこと
ただし、夜ならいつでも安心してお墓参りができるわけではありません。
まず確認したいのが、墓地や霊園の閉門時間です。墓地によっては夜間の立ち入りを禁止しているところもあります。夜にお参りしたい場合は、事前に管理者へ確認しておきましょう。
また、照明が十分でない墓地では、足元にも注意が必要です。墓地には段差や階段、石材などがあるため、暗い中を歩くと転倒する危険があります。懐中電灯などを用意しておくと安心です。
さらに、夏の夜ならではの注意点として、30度を下回る気温になると暑い日中隠れている蚊が活動を始めます。同じく夜になると活発になるドクガやムカデなどの虫にも注意が必要です。
さらに、防犯面にも配慮し、できれば一人ではなく家族や知人と一緒に行くなど、安全を優先しましょう。そして、夜になっても気温が高く、暑さ指数(WBGT)が高い場合には、無理をしないことが大切です。
「夜だから大丈夫」と決めつけず、その日の天候や気温、体調などを考えて判断しましょう。
「夜のお墓参りはよくない」というのは本当?
夜のお墓参りについて調べると、「夜に墓地へ行ってはいけない」という話を目にすることがあります。「幽霊が出る」「悪いものが寄ってくる」など、怖い話として語られることもあります。しかし、こうした話には、昔の生活環境も関係していると考えられます。
冒頭で紹介したように、昔は夜になると墓地は真っ暗でした。足元が見えにくければ転倒するかもしれませんし、墓地へ向かう途中に危険な場所があっても気づきにくかったでしょう。
また、夜間に出歩くこと自体が、現在より危険だった時代もあります。そうした時代背景から、長い年月の中でさまざまな言い伝えにつながった可能性もあります。
大切なのは、「夜だから悪い」と決めつけることではなく、その墓地が夜間のお参りに対応しているか、安全に行動できる環境かを確認することです。
お墓参りというと、「お盆だから○日に行かなければならない」「午前中に行くもの」といった決まりごとを気にする人もいるかもしれません。もちろん、地域や家庭に受け継がれてきた習慣を大切にすることは大切です。
一方で、生活スタイルや環境が変われば、お墓参りの形も少しずつ変わっていくのではないでしょうか?
朝の涼しい時間に行く、夕方から夜にお参りする、暑さが厳しい日は別の日に改めるなど、無理のない方法を選んでもいいのです。
お墓参りで大切なのは、暑い中で無理をすることではありません。
故人を思い、手を合わせること。そして、その時間をこれからも無理なく続けていくことです。実際に「宵参り」を実施し、夜のお墓参りを受け入れたり、積極的に提案したりするお寺もあります。
もちろん、すべての墓地や霊園で夜間のお参りができるわけではありません。それでも、「お墓参りは昼間にするもの」という固定観念から少し離れてみると、暑さを避けながら故人と向き合う新しい方法が見えてきます。
これからの時代は、季節や天候、体調、生活スタイルに合わせて、お墓参りの時間帯を選ぶことも大切になっていくのではないでしょうか。
夜のお墓参りと同じようによくないと言われてきた「雨の日のお墓参り」果たして本当なのでしょうか?気になった方はこちらの記事もあわせてご覧ください。お墓参りに適した時期や基本的な作法など、それぞれのテーマについて詳しく紹介した記事もあります。