お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
夏のお墓参りの注意点〜熱中症への備えと気をつけるべきポイント〜
夏は、お盆や夏休みなどでお墓参りやお墓掃除に行く機会も多い季節です。また、雑草が増えやすい季節でもあるため、お墓の状態が心配という方もおられるかもしれません。
しかしこの季節のお墓参りは、近年の猛暑の傾向も重なり、熱中症のリスクも上がっています。ご自身やご高齢のご家族が、炎天下の中お墓を訪れることに不安を感じる方も多いのではないでしょうか?
今回は、熱中症対策を中心に、暑い夏にお墓を訪れる際の必需品や、特に気をつけておきたいポイントをご紹介します。
夏の墓地・霊園は想像以上に暑い
ただでさえとても暑い夏ですが、実は夏の墓地や霊園も気温が上がりやすく、多くの場合、暑いと感じやすい環境になることをご存知でしょうか?もちろんそれぞれの墓地・霊園にもよりますが、お墓のある場所は日当たりが良い場所が多く、日陰が少なかったり日陰までの距離が遠かったりすることも少なくありません。
さらに、炎天下、このような気温が上がりやすい環境での活動に慣れていない方からすれば、体がついていかないために、体調を崩しやすくなるということもあります。
ですから、夏のお墓参りでは、安心して故人やご先祖さまに手を合わせるためにも、暑さ対策・熱中症対策を知っておくこと、服装や持ち物などの準備を整えておくことが大切なのです。
「少し変かも?」がサイン〜熱中症の基礎知識〜
熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。(厚生労働省HPより)初期の症状としては、めまいや立ちくらみ、大量の発汗・生あくび・筋肉痛・こむら返りなどが挙げられ、更に進むと、頭痛・倦怠感・虚脱感・嘔吐・集中力低下・判断力低下などの症状が出現し、命に関わることもあります。
少しの違和感だからと放っておいたら、実は熱中症だったというケースは少なくありません。まずは熱中症にならないように予防対策をしておくことが大切ですが、日々の自分自身の体調に意識をむけ、少しでも体調に変化を感じたら、無理をせずにスケジュール変更をしたり、休憩をしたりすることが重要です。
屋外にいるときの基本の熱中症予防
次に、屋外で過ごす際の基本的な熱中症予防の方法をご紹介します。
こまめに水分を補給する
お水等の飲み物は必ず持参しましょう。汗をかいたら水分補給は必須ですが、汗と一緒に塩分も流れてしまうので、水分と一緒に塩分を補給することも大切です。塩飴などを持参するのも良いでしょう。
日傘や帽子を着用
直接日に当たっていると、体温が上がるだけでなく体力も消耗してしまうため、日光を遮り暑さを和らげることができる日傘や帽子が役立ちます。
特に日傘は雨傘で代用せず、遮熱効果や紫外線カット効果のある日傘や、晴雨兼用の表示のあるものだと安心でしょう。
天気の良い日は日陰などでこまめに休憩をとる
気温が高い日は、自分で思っている以上に体力を消耗しており、疲れやすくなっていることが少なくありません。「まだ大丈夫だろう」と過信せず、少しでも疲れたなと思ったら、無理せずこまめに休憩をとるようにしましょう。
吸湿性・速乾性のある通気性の良い衣服を着る
衣服は、熱が籠らないよう通気性の良い素材を選びましょう。
なるべく長袖を選ぶことで、直射日光を避け過度な日焼けも防止できますし、虫刺されの予防にもなります。長袖が暑すぎるようならカーディガンやアームカバーを使うなど工夫すると良いでしょう。また、ズボンやスカートについても短いものは避ける方が良いです。
普段のお墓参りであれば、露出の多い服や派手な服を避ければカジュアルな普段着で構いません。また、法要や法事で喪服が必要な場合には夏用のものを着用しましょう。
保冷剤、氷、冷たいタオルなどで体を冷やす
体の熱を発散させるには、凍らせた保冷剤や冷やした濡れタオルを持って行くのも効果的です。保冷剤の場合はハンカチにくるんで、首の後ろや脇の下などに当てることで、暑さを和らげることが出来ます。
「夏のお墓参り」への備え・気をつけておくポイント
前述で紹介した熱中症対策と合わせて、夏のお墓参りだからこそ気をつけておくとよい、備えやポイントがありますので紹介します。
無理をせず、まずは体調を整える
暑さが厳しい中でのお墓参りは体への負担も大きくなりますので、体調が良くない時には無理して行かず、まずは体調を整えましょう。「決まった日に行かなくては」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、お墓参りは「絶対にこの日に」ということはなく、「一般的にお参りをするとされている日」でなくても問題ありません。心を込めて供養することが重要ですので、無理なくお参りができる日を選びましょう。
1人で行かない
元気なつもりでも、暑い中で想定外に体調を崩してしまうこともあります。2人以上で出かけることで、荷物を分担したり体調を気遣い合ったり、また困ったときに助け合ったりもできますし、万が一調子が悪くなった時にも安心です。さらに、一緒に行くことで会話も生まれるので、家族だんらんにもなり仲も深まるというメリットもあります。
比較的涼しい時間帯を狙って行く
お墓参りはできるだけ午前中に行くのが良いとされてきました。これは、「仏様ごとは後回しにしてはいけない」という仏教の教えによるもので、仏様のことを優先にすることがご先祖様や故人を供養する上で大切だと考えられているためですが、午前中の日が上り切る前の時間帯は、1日の中でも比較的気温が高すぎないので、夏のお墓参りの際も理にかなった時間帯と言えるでしょう。都合によって朝のお参りが難しい場合には、可能な時間帯で構いませんが、安全面も考慮して暗くなる前に帰るようにしましょう。
掃除道具などを借りられる場合は利用する
墓地や霊園によっては、手桶やひしゃく、ほうき・塵取りなどを貸し出してくれるところもあるようです。持ち物を減らすことができれば、移動時の負担も減りますし、熱中症対策用品を持つ余裕もできます。事前に確認しておき、利用しても良いでしょう。
事前に掃除を済ませておくなど、一度に全部をしない
お墓を訪れる際、掃除をするだけでも意外と体を動かして汗をかく作業になります。ですので、可能であれば、お墓掃除とお参りの日にちを分けることを考えても良いでしょう。そうすることで、1回の時間も短くでき、お墓に持って行く荷物も減らすことができます。
お墓参りやお墓掃除をプロにお願いすることも視野に入れる
一緒に行く人がいない、炎天下でのお墓掃除やお墓参りは体力的に自信がないなどの不安がある場合には、プロの業者にお願いするという方法もあります。
近年、お墓参りやお墓掃除の代行サービスを行なっている業者が登場しており、お墓が遠方にある、高齢でお墓参りに行くことが難しい、お仕事で都合がつかないなどの理由で利用される方も増えています。「お墓参りに行くことが困難だけれど頼める人がいない」という場合には、一度プロに相談してみることも検討されると良いでしょう。
「お墓参りの代行サービス」については、こちらで詳しく紹介していますので、合わせてご覧ください。
◆「お墓のプロによる代行」もある、お墓参りに行けない時に取れる選択肢
熱をもった墓石に注意
これは、熱中症とは直接関係ありませんが、炎天下、直射日光の下では、墓石の温度が想像以上に高くなっていることがあります。お参りの前にお墓を掃除する際には、濡らした雑巾を使用するなど、熱くなっている墓石に直接触って火傷などしてしまわないように注意しましょう。
少しでも体調がいつもと違うと思ったら
さまざまな対策をしていても、体調を崩してしまうこともあります。以下に、熱中症かなと思ったときの対処法をいくつかご紹介します。ご自身や同行者の様子が少しでもおかしいなと思った時には、参考にして早めに対応するようにしましょう。
・涼しい室内や、風通しの良い日陰などへ避難・休憩する
・衣服を緩めて体を冷やす
・水分、塩分などを補給する
これらの対応で回復すれば良いですが、本人が大丈夫と思っていても、人から見たら症状が重いということもあります。もし、自分で水が飲めない、応答がおかしいという時には、ためらわずに人の助けや救急車を呼びましょう。
まとめ
お墓参りには、一般的なマナーや習慣がありますが、大切なのはご先祖さまや故人に敬意を払い供養する気持ちです。そして、お参りする側の安全が一番大切ですので、無理なくお墓参りができることを優先し、天候やお体の状態に合わせて臨機応変に対応すると良いでしょう。
また、夏場のお墓参りは、掃除道具やお参り用品に気を取られて、暑さ対策をつい忘れがちです。だからこそ、普段より特に気をつけて体調管理や熱中症対策を行いましょう。
まずはご自身のお身体を大切にし、元気な状態で安心して手を合わせることができると良いですね。
お墓参りの基本や作法についてもまとめていますので、ぜひ合わせてご覧ください。
◆お墓参りの基本や作法をあらためて押さえておきましょう
◆【保存版】お墓参りのマナーや常識 5つのポイント