お役立ちコラム お墓の色々

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石にまつわる世界の伝承~トロールとは?石が関係する理由と由来のキャラクター、日本の言い伝えもご紹介

墓地・墓石コラム

私たちが普段何気なく目にしている「石」。実は世界各地で、石には特別な力や人の想いが宿るとされています。

北欧の古い伝承に登場する妖精「トロール」も、実は「石」と切っても切れない深い関わりがあると伝えられています。恐ろしい巨人として語られることもあれば、時には人々に幸運をもたらす存在とされるトロールですが、なぜ石のイメージと結びついているのでしょうか?

今回は石と深い関わりがある妖精「トロール」の世界各地の伝承をはじめ、日本の石にまつわる言い伝えについてもご紹介します。

北欧の伝承「トロール」とは?

トロールとは、北欧の自然信仰の中で語られてきた妖精です。

地域によって「トロル」「トロールド」「トラウ」など呼び名が変わる場合もあります。トロールをモチーフにしたキャラクターでは愛らしい姿で描かれることもありますが、本来の北欧伝承におけるトロールは、どこか不気味で恐ろしい存在として語り継がれています。

一般的には、巨人で怪力、大雑把な性格とされ、動物と会話ができたり、魔法が使えたりすることもあります。作物や森林地に危害を与えるという言い伝えがある一方で、気に入った家には富と幸運を授けるとも言われています。また、国によって容姿の伝承が変わるため、姿を自由に変えられる不思議な力を持つとも考えられてきました。

そんなトロールたちが主に活動するのは、人目を避けた夜の時間帯です。

実はここに「石」と深く結びつく背景が存在します。

トロールの弱点

トロールは、実は「太陽の光に非常に弱い」という弱点があります。

もし太陽の光を浴びてしまうと、そのまま固まって「石」に変わってしまうのです。そのため彼らは、昼間は光の届かない岩陰や洞窟の中にひっそりと身を潜めていると言われています。この言い伝えは北欧に実在する不思議な形の石や巨大な石と結びつき、現在でも「あれは石になったトロールだよ」と語られることがあるそうです。

このように、北欧の人々は昔から自然の中にある「石」に想いや物語を見てきました。ただの固い岩としてではなく、そこに理由やストーリーを見出す感覚は、どこか日本のお墓文化や石にまつわる伝統にも通じるものがあります。

実は、日本の人々が「石」を想いの象徴としてお墓に使うようになった歴史にも、時代ごとの背景が存在します。

石は耐久性と象徴性に優れ、古くから「想いを託す素材」として選ばれてきました。お墓に石が用いられるようになったのも、故人への祈りや家族の絆を長く守り続けるためだったと考えられています。日本のお墓や墓石の形が時代とともにどう変わってきたのか気になる方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

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国によって異なるトロール像

トロールが「石」と結びついて語り継がれる一方で、北欧の国々では地域や風土によって多様なトロールの見た目や物語が存在します。

フィンランドのトロール

フィンランドの伝承には、池の中に棲む「シェー・トロール」が登場します。

普段は「石」の力で封印されていますが、霧や嵐で石の魔力が弱まると現れ、人間を水に引きずり込む恐ろしい存在として信じられていました。そのため、フィンランドでは悪天候の日は外出を控える風習があるそうです。

スウェーデンのトロール

スウェーデンでは、丘の人々を意味する「ベルグフォルク」と呼ばれ、丘や古墳の下で集団生活を送っていると考えられています。彼らの住処には財宝が溢れており、夜になると光り輝くと言われています。

太陽や教会の鐘の音が苦手で人間を避けて暮らしていますが、出会った人間を気に入れば富と幸運をもたらし、気に入らなければ害を及ぼします。

このトロールと同じ名前を持つ鉱物として、1868年にスウェーデンで発見された「トロレアイト(通称:トロール石)」があります。発見者である化学者のトロール氏と、北欧のトロール伝承にちなんで名付けられたこの石は、市場に出回る量が非常に少ない希少なパワーストーンです。

北欧の空や湖を思わせる神秘的なブルーグリーンが特徴で、癒やしをもたらす石として親しまれています。

フェロー諸島のトロール

デンマーク領であり、古くからトロールとゆかりが深いことで知られる絶景の島「フェロー諸島」。原始の地形がそのまま残るこの島では、トロールは「フォッデン・スケマエンド」と呼ばれ、「うつろな人々」や「地下の人々」と語り継がれています。

人をさらって何年も閉じ込めると言われる恐ろしい存在として今日まで語り継がれており、現地には、フェロー語で「トロルコヌフィングル」日本語に翻訳すると「魔女の指」や「トロールの女の指」と呼ばれる有名な奇岩(きがん)があるなど、今も土地に深くトロールの存在感が根付いています。

アイスランドのトロール

アイスランドのトロールは、山奥に住む恐ろしい巨人の伝承として知られていますが、特に有名なのがクリスマスに現れる13人のトロール兄弟(ユールラッズ)です。

彼らはクリスマスの13日前から毎日一人ずつ人里へ下りてきて、それぞれ「焦げた鍋の底をさらう」「窓からのぞき見をする」「肉を盗む」といった、いたずら好きな個性に由来するユニークな名前を持っています。

現代のアイスランドでは、クリスマスまでの間、子供たちが窓辺に置いた靴の中に、良い子にはお菓子などのプレゼントを届け、悪い子には腐ったジャガイモを置いていくお茶目な存在として親しまれています。

また、アイスランド各地には「太陽の光を浴びて固まって石(岩)になったトロール」という伝承を持つ奇岩が多く残されています。南海岸の黒砂海岸にそびえ立つ岩柱「レイニスドランガル」や、北部の海に浮かぶ竜のような巨大岩「フヴィートセルクル」などは、夜明けまでに住処へ戻り損ねたトロールが石化した姿だと伝えられており、有名な観光地です。

以上のように、北欧各地には石と深く結びついたトロールの伝承が残っています。

石に物語や想いを重ねる文化は、日本でも同じです。日本では古くから、石は供養の象徴として扱われ、お墓や墓石にも「想いを託す素材」として選ばれてきました。

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トロールをモデルにしたキャラクター

トロールは、世界中のさまざまな物語や作品のモチーフになっています。

ここではトロールがモデルとなったキャラクターをご紹介します。

  • ディズニー映画『アナと雪の女王』: 作中には普段は丸い岩の姿をしており、心を開いた相手にだけ姿を現す妖精トロールが登場します。作中の世界観が北欧から着想を得ていることもあり、伝統的なトロールと「石」の関係性が活かされたキャラクターです。
  • J・R・R・トールキン作『ロード・オブ・ザ・リング』:太陽の光を浴びると体が完全に石に変わってしまうトロールが登場します。作中では、かつて朝日に当たって石像と化したトロールたちがそのままの姿で残り、旅の途中で彼らと遭遇する場面が描かれるなど、トロール伝承の「石化」のイメージが色濃く反映されています。
  • 宮崎駿監督作品『となりのトトロ』:トトロもトロールがモチーフになっていると言われているキャラクターです。作中では、メイが言った「トトロ」という名前を聞いた姉のサツキが、「絵本に出てきたトロールのこと?」と尋ねるシーンがあります。また、トトロからのおみやげ石という商品も発売されています。
  • ノルウェーの昔話『三びきのやぎのがらがらどん』:絵本としても有名なノルウェーの昔話『三びきのやぎのがらがらどん』は子どもの頃に読んだことがある方も多いのではないでしょうか?橋を渡って山へ向かうヤギたちの前に、悪役として登場するのがトロールです。ゴゴツゴツとした岩や石に紛れて現れ、物語の最後には、一番大きなヤギに角で突かれ、谷底へ突き落とされて粉々に砕け散ってしまうなど、まさに「石や岩」を象徴するような存在として描かれています。

日本の石にまつわる言い伝え

ここまで石にゆかりがある北欧のトロールについてご紹介してきましたが、日本にも石にまつわる言い伝えがたくさんあります。

ここからはその一部をご紹介します。

弁慶石(京都)

武蔵坊弁慶が大変大切にしていたとされる石です。弁慶の死後、奥州にあったこの石が「三条京極に行きたい」と声を上げて人々を驚かせたという伝説があり、現在はその言葉通り京都の三条京極に祀られています。

日本全国には、弁慶がお手玉にしたとされる石や、座った・切った・投げたといった伝承が残る「弁慶ゆかりの石」が数多く存在します。

武蔵坊弁慶役が十八番の人間国宝・二代目中村吉右衛門さんのお墓について、こちらの記事でご紹介しています。

ファンでなくとも一度はお参りしたい人間国宝のお墓~二代目中村吉右衛門編

殺生石(栃木)

平安時代後期、絶世の美女「玉藻前(たまものまえ)」に化けて鳥羽上皇に仕えていた「九尾の狐」が正体を見破られ、那須の地で毒を発する巨大な岩へと姿を変えたと言い伝えられています。

現在は観光名所となっていますが、まるで言い伝えが実話をもとにしたものであるかのように、あたりには有毒性の火山性ガスが漂っており、ガスの濃度によっては立ち入りが制限される場合もあります。

2022年には石が自然現象で真っ二つに割れ、「九尾の狐の封印が解けたのではないか」と大きな話題になりました。

千引石(ちびきいわ)

古事記の神話に登場する、日本における「お墓の始まり」とされる石です。

亡くなった妻・イザナミの命(みこと)を追って黄泉国(よもつくに)へ向かったイザナギの命は、追ってきたイザナミから逃げる際、「黄泉比良坂(よもつひらさか)」の出口を巨大な「千引石」で塞ぎました。

この千引石には、現代のお墓にも通じる「あの世とこの世を隔てる壁」と「あの世とこの世をつなぐ境界」の役割があります。

まとめ

トロールの伝承が残る北欧をはじめ、世界各地で「石」には特別な力や思いが宿ると信じられてきました。日本でも神話や歴史的背景とともに、「石に思いを託す」という伝統が深く根付いています。

その代表とも言えるのが、私たちの身近にあるお墓です。

お墓の前に立つと、私たちは自然と静かに手を合わせ、故人やご先祖様に思いを馳せるものです。お墓はあの世とこの世を隔てつつも、今を生きる私たちと大切な人を心の中でつないでくれる場所です。

遠い北欧のトロール伝説も、日本のお墓も、「語り継がれる石」を通して大切な存在を感じようとする人々の想いから生まれたのかもしれません。

次の休日にはお墓参りへ足を運び、大切な方へ思いを伝えてみてはいかがでしょうか?

また、お墓に足を運ぶことで改めて見えてくる問題もあることでしょう。お墓の継承や建て替え、墓じまいなどに迷った際は、石材店へ相談することも一つの方法です。

お付き合いのある石材店が特にない場合は、以下の記事を参考に、ご自身に合った石材店を探してみてはいかがでしょうか?

お墓参りへ出かける前は、準備や手順をおさらいしておくとより安心です。以下の記事も併せてご確認ください。