お役立ちコラム お墓の色々

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これって本当?お墓にまつわる噂の真相!

供養・埋葬・風習コラム

これって本当?お墓にまつわる噂の真相!

「お墓で転ぶと良くないことが起きる」。こんな噂話を聞いたことがないでしょうか?実はこれ、墓地で子供がふざけたり、走り回ったりして怪我をしないように注意するための訓話と考えられています。でも、静まりかえった墓地の雰囲気を前にすると、なんだか本当のことのように聞こえてしまうかもしれません。とはいえ、むやみに怖がったり、気味悪がったりするのは故人に失礼な話です。敬意は持っても、恐怖を感じる必要はありません。
本記事では、お墓にまつわる誤解を解くため、こうした噂の真相に迫ります。

*注意…本記事では、お墓や故人に誤解を招く言い伝えを「噂」としていますが、こうした言い伝えを大切に守っている方もいらっしゃいます。ご自身の行動の参考にしていただければ幸いですが、ご家族・ご親戚に強要したりすることのないようにご注意ください。

お墓で転ぶと良くないことが起きる??

先述した通り、こちらは訓話と考えられています。昔は今よりもお墓参りで親戚一同が揃うことが多かったので、子供たちがついはしゃいでしまいがちでした。それを諫めるために訓話として流行したという説があります。
墓地には堅い墓石がたくさん並んでいますから、確かに転ぶのは危険です。子供たちを守るために、あえて少し怖い訓話が使われたようです。

お墓参りは午後に行ってはいけない??

「ついで参り」を戒める意味で、こうした風習がある地域もあります。ついで参りとは、寺社仏閣や墓地にお参りに行く際、他の予定を組み合わせてでかけることです。神仏やご先祖さまへのお参りは何よりも優先すべきもの」という考えから、このついで参りはNGとされていました。ただし、最近は住んでいるところとお墓が遠い方もたくさんいらっしゃいます。ついで参り禁止となるとお参り自体が難しいケースもあるでしょう。お墓参りでまず大切なのは、「故人を敬う気持ち」と「お墓が荒れたりしないように管理をすること」です。ですから、ついで参りを気にして行かないよりは、ついで参りになっても行く方が良いといえます。
一方、「暗くなる前に帰れるように、余裕のあるスケジュールを」という意味では、この噂は理にかなっているとも言えます。墓地は外灯が少ないところも多いので、暗くなると足元がおぼつかなくなる可能性があるからです。午後はNGとまではいかないものの、夕方からのお参りは避けた方が良いでしょう。

仏滅・友引の日はお墓参りに行ってはいけない??

日本人が何かと気にしがちな仏滅の日。結婚式などの慶事は避けたほうが良いとされています。また友引は、「友人にも同じことが起こる日」という意味で、「慶事には吉の日、弔事には凶の日」とみなされています。
実はこれらの「六曜」と言われる風習は、宗教とは別のもの。中国で誕生した「占い」のようなものと考えられています(諸説あり)。ですから、仏滅や友引にお参りしてもご供養に問題はありません。

*ただし…六曜はカレンダーに載っているくらい日本人にとって身近なものです。現在でも参考にしながら生活している方もいらっしゃいます。「友引や仏滅のお墓参りは非常識!」と思う方がお身内にいらっしゃるかもしれません。その場合、六曜自体を否定しないようにご注意ください。「こっそり行く」「日程を前倒す」などの方法で対応しましょう。

生前にお墓を建ててはいけない??

「香典に綺麗なお札はNG。事前に用意していたみたいだから」。こんなマナーから察すると、なんだか生前にお墓を建てるのも縁起が悪いように感じてしまいます。しかし実際は、全くの逆。生前墓は「寿陵」と呼ばれ、長寿や子孫繁栄といったご利益に恵まれる、縁起の良いものと考えられています。過去には、聖徳太子や昭和天皇も生前にお墓建てています。また、自分の気に入ったお墓を建てられたり、相続税の対策になったり、ご遺族の負担を抑えられたりと現実的なメリットもあります。

黒い墓石は縁起が良くない??

関西方面で、まことしやかに語られるこの噂。2つの由来があります。ひとつは「黒い墓石は熱くなりやすいため故人が安らかに眠れない」という言い伝えです。もうひとつは「家に災いが起きる」という墓相学の教えによるものです。
確かに、黒という色には蓄熱性があり、他の色の墓石より温度が上がりやすいという特徴があるのは事実です。しかしそのせいで、「故人が安らかに眠れないのか?」という点については疑問が残ります。各宗教の教義にもそういった教えはありません。ですから、ご供養のしきたりというよりは、「故人への気遣い」が根拠になっています。故人を想うお気持ちは大事なことではありますが、黒い墓石には他の色には無い高級感があり、故人への尊敬の念を表すために「立派なお墓を建てたい」という方には適しているといえます。どちらも故人を想う故の選択ですので、一概に「黒い墓石がNG」とは言い切れません。つまり、故人を想う気持ちがあればどちらの選択も正しいのです。
また、仏教には「五色」という教えがあります。五色とは、如来の精神や智慧を表した「青・黄・赤・白・黒(紫の場合も)」の5つの色を指します。お寺でこれらの色の幕が飾ってあるのをご覧になったことがないでしょうか。つまり、仏教では「黒」に対して、悪い意味は無いのです。ですから、墓石が黒であってもご供養に問題はありません。
ちなみに、関東ではあまり聞かない噂です。これには採れる石の地域性が関係しています。関東方面では黒い御影石が採れやすく、もともと墓石として馴染みがあったからと考えられています。

大切なのは故人を偲ぶ気持ち

お墓参りでまず優先すべきは、故人を偲び、尊敬や感謝の念を思い起こすことです。これらに想いを馳せることは、人生で大切な教訓に気づくことやご先祖様から受け継いだ自分自身の命を大切にすることにつながります。噂を気にするあまり、お墓参りの足が遠のいてしまうのは、あなたにとっても故人にとっても残念なことです。故人はあなたの味方です。ですから、墓地を怖がる必要はありません。お墓参りはいつ何回しても良いもの。機会を見つけてどんどんお参りしましょう。

本記事内で紹介している生前墓についてはこちらで詳しく解説しています
「生前墓(寿陵)についてメリットや注意点を解説」

六曜についての詳しい解説はこちら
「仏滅や友引のお墓参りはNG?六曜とお墓参りについて」

お墓参りはいつ行ってもOK。でも、「おすすめの時期」はあります
「お墓参りはいつ行ってもいいの?適切な時期とは」