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外国人墓地とは?有名な観光地3つとその歴史

墓地・墓石コラム

外国人墓地とは?有名な観光地3つとその歴史

「観光スポットとして有名な外国人墓地があるけれど、そもそも外国人墓地ってなんだろう?」
「普通の墓地と外国人墓地って何が違うの?」

お墓に興味がある人や、観光地めぐりが好きな人はこのような疑問を持ったことがある人もいるかもしれません。
本記事ではそのような人に向けて、外国人墓地とはというところから、その歴史について紹介しています。

外国人墓地って?

外国人墓地とは、昔日本に長期に駐在していた外国人が眠っている墓地のことです。
主に下記の人たちが眠っています。

・明治時代、開国後に日本に駐在し、日本で亡くなった外国人
・第二次世界大戦中に日本で亡くなったり、捕虜だった外国籍の軍人

現在は基本的に、外国人墓地への新たな利用者の募集は行われていません。

外国人墓地が作られるようになった歴史的背景

外国人墓地が作られるようになったのは、日本が開国したことと関係があります。
1854年にペリーが開国交渉のために来航した際、ある一隻の艦隊に乗っていた二等水兵が墜死しました。
この水兵の埋葬地とアメリカ人用の墓地をペリーが幕府に要求し、横浜の山手町に外国人墓地が作られたのが始まりとされています。
その後開国が進み、外国人がそのまま日本で亡くなるケースが増えたことで、日本国内の複数の県に外国人墓地が建てられるようになりました。
埋葬されているのは、日本の近代化に貢献した貿易商や宣教師などの歴史上有名な外国人をはじめ、一般人として日本で暮らしていた外国人や戦争で亡くなった軍人など様々です。

外国人墓地が観光スポットとなっている理由

外国人墓地が観光スポットとなっている理由として、以下の2つが挙げられます。

・宗教や国のしきたりに合わせた墓石のデザイン
・明るく広々とした墓地の景観や墓石の色

外国人墓地の墓石は、故人の宗教や国のしきたりに合わせたデザインで作られています。
例えば、キリスト教徒の墓石であれば十字架が必ず刻まれており、ロシア正教徒の墓石であれば、「八端十字架」という先端が8つある十字架が立てられているのが特徴です。

普通の墓地とは違うデザインの墓石が並んでいるその光景は、まるで異国の地に来たかのように感じられるでしょう。

また、外国人墓地は海に面していたり、草花があったりと日本の墓地よりも明るく広々とした印象を与える景観が多く見られます。

このような景観となっている理由は、海外の墓地の捉え方が反映されているためです。

海外、主に一神教教圏の国では、墓地を故人が生前に受けた神の恩恵に感謝をする場所として捉えられています。なので、墓石も明るい色であったり、墓地自体も広々と明るい印象を与えるような景観となっているのです。

そのため、写真スポットとして観光地化しやすくなっていると言えるでしょう。

日本にある外国人墓地は何カ所?観光地として有名な墓地3つを紹介

日本には現在、函館、東京、横浜、神戸、長崎、那覇の6都市に著名な外国人墓地があります。
この中で特に、観光地として有名な墓地は下記の3つです。

・函館外国人墓地
・横浜外国人墓地
・神戸市立外国人墓地

ここでは上記3つの墓地について、それぞれ紹介していきます。

函館外国人墓地

函館の外国人墓地は、江戸時代末期に作られた墓地です。
ペリーが函館に来航した際に病死した2人の水兵を埋葬するために作られたのが函館外国人墓地の始まりと言われており、この墓地をプロテスタント墓地と言います。

その後、ロシア人墓地、カトリック墓地、中国人墓地が作られ、現在の外国人墓地になりました。

墓碑は海に向かって建てられており、その景色の良さも人気の理由です。
墓地の一角にカフェもあり、こちらは映画のロケ地としても使われています。

函館外国人墓地
所在地:北海道函館市船見町23

横浜外国人墓地

横浜の外国人墓地で有名なのが、山手町にある外国人墓地です。
公益財団法人横浜外国人墓地が運営しています。

1854年のペリー来航の際に命を落とした二等水兵を埋葬したことによって始まった外国人墓地です。
横浜開港の発展に貢献した外国人が多く埋葬されています。

約5,600坪の広大な土地に3,000もの墓石があり、墓地内に埋葬されている外国人の資料館が併設されているのが特徴です。

珍しい墓石のデザインが多いのと、観光地化が進められていることにより、横浜有数の観光スポットとして賑わいをみせています。

公開時期や時間帯に制限があるため、観光の際は公開日時を確認するようにしましょう。

横浜外国人墓地
所在地:神奈川県横浜市中区山手町96

なお、横浜外国人墓地については下記の記事にも紹介されていますので、合わせて読んで見てください。
観光地にもなっている墓地・霊園をご紹介

神戸市立外国人墓地

神戸市立外国人墓地は、明治期から神戸に住んでいた外国人2,900人が埋葬されている墓地です。

造船などの近代産業に貢献した外国人や、パンや洋菓子が有名になった今日の神戸文化の礎を築いた外国人が埋葬されています。

公開日が4月から11月の第4日曜日と決まっており、いつでも入れるわけではありません。
訪れたい場合は、往復はがきかホームページの申込フォームより、申し込みが可能です。

訪問は無料となっており、国の名勝(日本の文化財の一種)に指定されています。

神戸市立外国人墓地
所在地:兵庫県神戸市北区山田町下谷上字中一里山4-1

外国人墓地は日本の発展に貢献した外国人が埋葬されている!

外国人墓地は、実は日本文化の発展に貢献した多くの外国人が埋葬されています。
普通の墓地では見られない墓石のデザインや、写真映えする墓地の景観によって観光地化されていますが、供養の気持ちから作られたという点では外国人墓地も同じです。

日本にいて異国情緒を感じられる場所として訪れたり、写真スポットとして訪れるのも良いですが、そういった世界共通の供養の心も感じながら訪れてみてはいかがでしょうか。