お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
外国産墓石と国産墓石はどんな違いがあるの?
現在、日本のお墓では、外国産の石が使われることが多くなっています。国産の石と比べてかなり安価なものもあり、需要は拡大しています。あなたがお墓を作る時に、石材店で外国産墓石を紹介されることもあるかもしれません。安価な外国産というと、「質が悪いのでは」と不安に思う方もいるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか。外国産墓石と国産墓石、それぞれの良い点をご説明します。
外国産墓石の価格と品質の関係
墓石の品質は「安かろう悪かろう」が、必ず当てはまるわけではありません。墓石の値段は品質の良さだけで決まるわけではなく、その石の希少性や加工のコストが影響するからです。生産量が多く、切り出しや加工の人件費が安ければ、価格は安くなる傾向にあります。外国産の墓石にも質が良いものはたくさんありますし、それが国産のものより安く売られていることもあるのです。
外国産墓石の主要産地、特徴、代表的な石
外国産墓石の利用で、お墓作りの選択肢は増えました。墓石に使われている石材は、世界中で数百種あると言われています。国産の墓石では予算外という方も、外国産の墓石なら、似た色合いの石を使って予算内で作ることができるかもしれません。また、石の模様や色も、国産の石にはない珍しいものがあります。お墓作りにこだわりのある方や、他人と違ったお墓を建てたい方の希望も叶えることができるでしょう。
中国
日本の墓石の輸入先の第一位が中国です。中国産墓石の特徴は、安価なものが多いことです。国産と比べ、1/3の価格で手に入るものもあるため、需要は高く、すでに国内の多くのお墓に使われています。例えば「G623」という種類の石は、流通量が非常に多く、安価なことから、国内外問わず建築や墓石用石材として大変多く用いられています。また最近では、「吉林白」という石が注目を集めています。
インド
中国についで輸入量が多いのがインドです。インドの石の価格は、国産よりは安く、中国産よりは高いものが多いですが、中には高価格帯の石もあります。全体的に硬度が高く、劣化しにくいことが特徴です。
インドの墓石は、黒御影石の種類が豊富です。特に「クンナム」という種類の石は、美しさ、品質の高さで黒系の墓石の最高峰と言われています。他にも、安さと品質を兼ね備えた「アーバングレー」など、すでに日本で人気になっている種類もあります。
北欧
スウェーデン、ノルウェー、フィンランドなどの北欧諸国も高品質な墓石の産地です。世界最高級の黒御影石と言われるスウェーデンの「ファイングレー」やノルウェーの青く輝く石「ブルーパール」などの美しい石があります。
外国産墓石の心配事
外国産墓石は耐久性の実績に乏しいものもあります。墓石の輸入の歴史はそれほど古くなく、本格的に始まったのは1965年頃です。お墓の寿命が最大で約150年と考えられている中で、外国産の墓石が日本でそれだけ耐えうるのかは、まだ実証段階にあると言えるでしょう。
また、一部の外国産墓石には色が着色されたものだったり、加工にムラがあってカタログと実物が全然違ったなど、粗悪な品があることも事実です。こうしたトラブルは信頼できる石材店を選ぶことで回避することができます。
国産墓石の品質と長所
外国産墓石と比べてしまうと高価に感じるかもしれませんが、国産墓石の品質はとても良い物です。例えば、香川県の庵治石は、水晶に近い硬度を持ち、風化に強く、きめ細かな石質とその美しさで「花崗岩のダイヤモンド」と呼ばれるほど評価が高いものです。
他にも淡く優しい色合いで「さくら御影」の別名を持つ岡山県産万成石、100年品質と評される愛媛県産大島石など各地に銘石があります。
品質だけでなく、国産の墓石を選ぶことには、大きなメリットがあります。それは、長年墓石として使われてきた実績があるということです。お墓は一度建てたらそれでおしまいではありません。自然物である墓石は徐々に風化していきます。壊れたり、汚れたりトラブルが発生することもあるでしょう。その時にすぐ適切な対処ができるかどうかは、お墓の面倒を見てくれる石材店が、使われている石にどれだけ精通しているかが重要になります。
墓石選びに迷ったら
外国産墓石の登場によってお墓の選択肢は増えましたが、代々受け継ぐことを考えると、値段ばかりを比較するのは得策ではありません。国産墓石には長年使われてきた実績があります。どちらを選ぶかは難しいところですが、納骨される故人がどのようなものを好むかも想像してみてください。生まれた土地の石や、ゆかりのある土地の石の下で眠れると、喜んでいただけるかもしれませんね。信頼できる石材店と一緒に、納得いくまで検討して満足できるお墓づくりを進めましょう。