お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
お墓に洗剤は使えるの?水洗いでは落ちない汚れを消す方法
お墓は数十年に渡って継承していくものなので、こまめに掃除をしていても、水洗いだけでは落ちない汚れが発生します。大切にしていたお墓に、いくら擦っても消えない汚れがついたら悲しくなってしまいますよね。でも、大丈夫です。このような汚れでも、墓石用洗剤を使えば消せる可能性があります。本記事では、大切なお墓をきれいに保つための対処法をご紹介します。
洗剤を使用する前に
墓石用洗剤を使う前に、お墓の掃除に使っている道具を、一度見直してみましょう。ぞうきんやタオルでは落ちない汚れも、掃除用スポンジや歯ブラシを使うと落とすことができるかもしれません。ただし、研磨剤入りのスポンジやタワシのような、硬い材質のものは控えてください。墓石の表面に傷がついてしまうことがあります。
洗剤を使う場合でも、これらの道具があると作業しやすいので、準備しておくと良いでしょう。
お墓に洗剤を使う際の注意点
洗剤と言っても、食器用洗剤は使わないでください。お墓の内部に浸透して、シミの原因になる可能性があります。また、塩素系や酸性洗剤も、シミの原因になるばかりでなく、墓石を痛めてしまうので、使ってはいけません。ホームセンターや通信販売、石材店で売っている、墓石用の洗剤を使用しましょう。
ただし、墓石用洗剤ならどんな墓石にも使えるというわけではありません。石材の種類によっては、専用洗剤でも痛めてしまうものがあります。説明書きをよく読んで、家のお墓に使える洗剤を購入しましょう。判断できない場合は、石材店に相談することをおすすめします。
洗剤が効くお墓の汚れ
汚れと一口にいっても、さまざまなものがあります。墓石用洗剤は、水垢落とし、サビ落としなど、汚れの種類ごとに特化したものがあり、目的にあったものを使わないと効果がありません。まずは、汚れの正体を見極め、適した洗剤を選びましょう。
水垢
墓石の表面にまだら模様の白いカスが現れたり、水鉢や墓石の継ぎ目が黒ずんだりしていたら、それは水垢の汚れです。雨水に含有されている成分が乾いて残ったもので、時間がたったものは擦っても落ちません。洗剤を使うことで、固くなった水垢が溶け、取り除きやすくなります。
サビ
墓石が赤みがかっている場合、墓石に含まれている鉄分が、錆び始めていると考えられます。経年劣化により酸化した鉄分は、赤いサビに変わるのです。また、花立などの金属部分のサビがお墓に移ってしまうこともあります。墓石の表面に浮いたサビは、水洗いでも除去できますが、染みついたようなサビは、洗剤で浮き上がらせてからでないと、落とすことはできません。
苔
お墓の苔を放置すると、風化が早まってしまいます。苔むしたお墓も風情がありますが、お墓を長持ちさせたければ、取り除いたほうが良いでしょう。苔の掃除で難しいのは、墓石に食い込んでいる根の部分です。苔取り用の洗剤とブラシを使うと取りやすくなります。根が残っているとまた生えてくる可能性があるので、きれいに取りきりましょう。
シミ
墓石が変色しているようなら、落ち葉やお供え物、動物の糞尿などが原因でシミができてしまったのかもしれません。なるべく早くシミ抜きを始めることが大切ですが、気づいたときには、もう定着してしまっていることも多いでしょう。水洗いで全く消えなかった場合でも、洗剤を使えば、まだシミが抜ける可能性はあります。
洗剤でも消えない汚れもある
洗剤を使っても消えない汚れもあります。長い間放置されたものやお墓の内部まで浸透してしまったものです。例えば、次のような汚れには、洗剤ではなく別の対策が必要になります。
石のように固くなってしまった水垢
雨が降るたびに、水垢は堆積していきます。こまめなお墓掃除で早めに取り除ければいいのですが、あまりにも積もった水垢は石のように固く、墓石の表面で層を作ってしまいます。この場合、洗剤だけで剥がすのは困難です。スクレーパーなどを使って、物理的に削らなければなりません。
墓石に深く根付いた苔
洗剤を使ってブラシでかき出しても苔が取りきれない場合、墓石の奥深くまで根付いている可能性があります。高圧洗浄機や、より効果の強い除去剤が必要になります。
これらの対策は慣れていない人には難しいものです。墓石を痛めてしまったり、ケガをしたりする可能性があります。不安な方は、石材店にクリーニングをお願いすると良いでしょう。費用はかかりますが、安全にお墓をきれいにすることができます。
水洗いで落ちなくても諦めないで
水洗いで落ちない汚れでも、墓石用洗剤なら落とせるかもしれません。もし、洗剤で落ちなくても、石材店にクリーニングをお願いすることもできます。それでも、消えない場合もあるかもしれませんが、お墓をきれいに保つために手を尽くしたあなたの思いは、きっと故人にも通じるでしょう。