お役立ちコラム お墓の色々

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- 供養をきわめる -

お墓の移動、引っ越し(改葬)について知っておくべきポイント

墓地・墓石コラム

お墓の移動、引っ越し(改葬)について知っておくべきポイント

お墓は基本的には一度立てた場所から動かすことはありません。ただし住居が遠方のため、お墓を管理やお参りが十分にできないという理由などから住居の近くにお墓を移動させることもあります。お墓の引っ越しのことを改葬といいますが、様々な手続きが必要になるため時間がかかります。お墓の移動や引っ越しについて、手続きや費用などを詳しく解説します。

お墓を移動させたい!できるの?

お墓が遠方にあると、お墓のお手入れやお参りにいくことが十分にできなくなります。お墓が荒れてしまうのはしのびないため、自宅の近くにお墓を移したいと希望する方もいます。きちんとした手続きを行えば可能です。

〇改葬(かいそう)

お墓をもともとの場所から移動させたり、遠方へ引っ越すことを改葬といいます。改葬の方法には主に、墓石ごと移動する方法と遺骨だけを移動させる方法があります。愛着がある墓石なので、そのまま移したいというケースも多いですが、移動先の墓地の区画に合わないため移動できないということもありますので注意してください。遺骨だけを移動する場合には、移動先に新しい墓石を準備する必要があります。改葬を行う場合には、いくつかの許可証や証明書などが必要になりますので費用も時間もかかります。

お墓の移動、改葬に必要なもの

改葬を行う場合には届け出などが必要になるので、勝手にお墓を移動させることはできません。必要になる手続きは、墓地使用許可証、埋葬・埋蔵証明書、改葬許可証などがあります。

〇お墓移動先の「墓地使用許可証」

改葬のためには、移動先の新しいお墓の墓地使用許可証が必要です。墓地使用許可証は霊園や墓地の管理者から発行してもらうのが一般的です。墓地使用許可証以外にも受入証明書・墓所使用承諾証・永代使用許可書などと名称が異なることがあります。移動先の墓地が遺骨を受け入れることができるという証明ができる書類であれば大丈夫です。墓地使用許可証には実印や故人の除籍抄本が必要なケースもありますので事前に確認してください。

〇お墓移動先の「埋葬・埋蔵証明書」

埋葬・埋蔵証明書は霊園や墓地の管理者から発行してもらう必要があります。お墓に遺骨を納骨するための書類になるので忘れずに発行を行いましょう。土葬の場合には埋葬証明書、火葬の場合には埋蔵証明書になります。

〇お墓移動先での「改葬許可証」

改葬許可証は各自治体に申請して発行します。自治体によってはホームページから許可証のデータをダウンロードできる場合もあります。改葬許可証の発行のためには、埋葬証明書・墓地使用許可証・改葬許可申請書を提出する必要があり、手数料は無料~1,000円と自治体よって異なります。

お墓の移動にかかる費用は?

お墓の移動で心配なのが、どのくらいの費用がかかるのかという点です。全国の平均ではトータルで300万円ほどかかります。お墓の移動は移動元と移動先で、それぞれ費用がかかりますので注意してください。

〇移動元

異動元では、各種証明書や許可証などの発行に400円~1500円ほどの手数料がかかります。墓石の撤去、墓地の整地などに加えて墓石を新しくする場合には墓石の処分にも費用がかかります。お墓の大きさによって費用は異なりますが、相場は約20万円程度になります。遺骨の取り出し費用の相場が遺骨一体あたり4万円前後です。移動先でも同じ墓石を使用する場合には、距離やお墓の大きさによって変わりますが墓石運搬費として20万~80万円の費用が必要です。

〇移動先

移動先では、埋骨費用として遺骨一体あたり3万円前後の費用が必要です。そのほかにもお墓に魂を入れる開眼供養を行いますので、お布施として3万~5万円の費用がかかります。墓地や霊園の使用料にあたる永代使用料は約25万円~30万円ほどが目安になります。移動先で新しい墓石にする場合には、墓石のグレードにもよりますが約120万円~175万円の費用になります。

お墓を移動させてから必要なこと

お墓を移動させた後には、新しいお墓を祝う建碑祝いやお墓に魂を入れる儀式である開眼法要などを行う必要がありますので、うっかり忘れることがないようにしっかりと準備を行いましょう。

〇開眼法要

開眼法要は新しいお墓に魂を入れる儀式で、僧侶を呼びお経をあげてもらいます。開眼法要には供養だけではなくお祝いでもあるので、儀式が終了した後は参列者や僧侶と会食するのが一般的な流れになります。開眼法要を行うために、お墓をきれいに清掃したりお供え物や祭壇の準備が必要です。地域によって準備するものが異なりますので、事前に確認しておきましょう。なお浄土真宗ではその宗旨によりこの開眼供養の対象である魂の概念が無いため、開眼供養というのは行いません。その代わりに行われるのが建碑祝いです。

〇建碑祝い

浄土真宗におけるお墓を建てた際の儀式です。新しく建てたお墓をお披露目する法要のことを建碑(けんぴ)式といいます。お墓は家と同様だと言う考えがあり、新しいお墓も新しく家を建てたときと同じくお祝いをする風習があります。建碑祝いはおめでたいものという捉え方をするので、喪服ではなく略礼服で参列するのが一般的です。建碑祝いは地域によって様々ですが参列者がご祝儀を持参するケースもあり、盛大に行うこともあります。

お墓の移動、引っ越しは余裕をもって準備しよう!

お墓の移動、引っ越しを改葬と呼びますが、改葬にはいくつもの手続きと準備が必要になります。墓地や霊園、各自治体などに許可をもらったり、移動先で開眼法要などの法要を行ったりと時間と手間がかかります。墓石を新しくする場合には、どのような墓石にするのかも決める必要があるため、事前に余裕をもって準備にあたることをおすすめします。