お役立ちコラム お墓の色々

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- 供養をきわめる -

開眼式、開眼供養、開眼法要とは

供養・埋葬・風習コラム

開眼式、開眼供養、開眼法要とは

開眼式、開眼供養、開眼法要と呼ばれる儀式は、お墓を建てたときや仏壇購入時に行う仏様の魂を入れ込む供養のことです。供養ですがお祝い事でもあるので、僧侶や参列者を招いて会食も行います。頻繁に行う事ではないので、必要な準備や費用などがわからない人もいるでしょう。開眼供養を行うことになっても困らないように、当日の流れやルールなどをご説明します。

そもそも開眼供養(開眼式)とは

開眼供養の歴史

日本の開眼供養は天平勝宝4年4月9日、東大寺の大仏廬舎那仏に対し行われた開眼供養会という儀式が始まりといわれています。この儀式の様子は、東大寺の東大寺要録や続日本紀などの書物に記されています。書物によれば、開眼式の導師は南インドのバラモン僧、菩提僊那です。菩提僊那は約200mの長さの太い縄紐を筆にして、大仏に目を書き加えたといわれています。開眼供養会は天皇自らが文武官人を引き連れて行幸し、多くの参列者が詰め寄せ、音楽や踊りによって盛大な供養となったそうです。この開眼供養会が行われた後、各寺院で開眼供養が行われるようになりました。

開眼供養の時期

開眼供養を行う時期に決まりはありませんが、何らかの理由で墓を建てた場合は、開眼供養と納骨供養を合わせて行うことが多いです。納骨供養と同時に行えない場合は、年忌法要やお盆などの時期に行うのがいいでしょう。必ず指定された時期にやらなければいけないという決まりはないので、家族や親族が集まりやすい時期に行うのが適切です。

開眼供養の準備

お供え物や花、他にろうそくと線香が必要です。開眼供養のお供えものは、果物やお菓子、他はお餅や赤飯などです。故人が生前に好物だったものを備えるのもいいでしょう。花は開眼供養のことを花屋さんに伝えれば適したものを見繕ってくれます。線香に指定はありませんが、ろうそくは赤いものを用意することが多いです。地域や宗派によって異なる場合があるので事前に確認しましょう。

開眼供養(開眼式)にかかる費用

僧侶へのお布施

開眼供養にかかるお布施の相場は3~5万円といわれています。お布施の額に困った場合は、年忌法要の際のお布施額を目安にしたり、親戚に相談しましょう。開眼供養と納骨供養を同日に行う場合は、1.5~2倍程度のお布施を包むことが多いです。開眼供養の場合は紅白蝶結びで、のしが付いていない水引の祝儀袋を用意し、表書きに内祝・入魂御礼・御礼・開眼御礼のいずれかを記入して使用します。納骨供養も行っている場合は白い封筒を使用します。

その他費用

その他の費用として僧侶に足を運んでもらう場合は、5千~1万円の御車代、僧侶が開眼供養後の会食に出席されないときも、5千~1万円の御膳料を渡します。

開眼供養(開眼式)のマナー

服装

開眼供養の服装について、男性は黒服に白ネクタイ、女性は略礼服や柄のない着物などが一般的です。開眼供養はお祝い事なので、必ずしも礼服を身につける必要はありません。黒やグレーの地味な色の服装も大丈夫です。貴金属類のアクセサリーを身に付けなければ問題ありません。ただし、納骨供養を一緒に行う場合は注意が必要です。その場合、男性は黒服に黒いネクタイ、靴は黒です。女性も略礼服や黒スーツ、バッグや靴も黒、アクセサリーはつけても真珠など一連のものです。参列する場合は予め、お祝い事かお悔やみ事かを担当者やお寺の住職に確認しておくといいでしょう。

開眼供養(開眼式)の流れ

お墓の準備

お墓の清掃とお清めをして、祭壇やお供え物の準備をします。祭壇や法具の借用や供花・供物の手配などについて、僧侶と綿密に打ち合わせをします。故人の戒名など石彫りが済んでいない場合は、供養の日までに石彫りを石材店に手配しなければいけません。地域によっては三軒両隣のお墓にもお供えをする場合もあるので確認をしましょう。

読経

仏壇の前で行う際、寺院の本堂や墓地会館などで僧侶に読経をしてもらいます。

開眼供養

故人の魂が入るお墓や仏壇の前に参列者が並び、僧侶がお経を通じて故人を偲び供養します。事前にかけておいた棹石の白い布を施主が取外し、親族と参列者が順番に焼香をします。線香のやり方は宗派ごとに作法が違うので事前に確認が必要です。

会食

開眼供養が終わった後、一般的には参列者や僧侶で会食が行われます。会食の場は様々で、墓地や霊園、寺院内の施設、場合によってはホテルや料亭ということもありますし、食事を手配して自宅で行うこともあります。自宅で会食を行う場合は、仕出し弁当を利用することが多いです。料理を依頼するときは、開眼供養の会食に利用することをお店に伝えると、適した料理を準備してくれます。会食をしない場合は、折り詰め弁当や小瓶のお酒を持ち帰れるように用意しておくといいでしょう。

開眼供養は計画と準備が大切

開眼供養は重要な儀式です。納骨供養も同日に行うと施主のすることは更に増えるので早めに着手しましょう。慌てずに当日を迎えることで、しめやかに故人を偲ぶことができます。開眼供養は期限が決まっているわけではないので、できる限り家族や親戚が集合可能な日を選び、故人を弔うことが大切です。開眼供養は基本的にお祝い事ですが、納骨や納骨供養を行うとお悔やみ事になるので、施主の場合は参加者に告知をしましょう。