お役立ちコラム お墓の色々

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- 供養をきわめる -

お墓を建てたら行う開眼供養(建碑式)、生前墓などすぐに納骨しないときはどうする?

墓地・墓石コラム

お墓を建てたら行う開眼供養(建碑式)、生前墓などすぐに納骨しないときはどうする?

新しくお墓を建てる際には、墓石を魂の入った「お墓」にするための法要として、開眼供養(開眼法要)を行うのが一般的です。開眼供養は、納骨と合わせて行われることが多いですが、「生前墓(寿陵墓)のため、まだお墓に入る人がいない」「大切な人を亡くした悲しみで気持ちが落ち着かず、納骨をしばらく先にしたい」といった場合は、いつどのように行うのでしょうか?

今回は、お墓を建ててもすぐには納骨しない場合の開眼供養について、行う意味を交えて解説します。

開眼供養(開眼法要)とは?

開眼法要の意味や由来

開眼供養(かいげんくよう)とは、新しく建立したお墓、新しく購入した仏壇や位牌に魂を宿らせ、「物」から「拝む対象」とする儀式です。お墓の場合は、新しく建てた時だけでなく、買い替えやお墓の引越しなど改葬をした際にも行うもので、僧侶を呼んで読経や会食を行うのが一般的です。

「開眼」という言葉は、仏像を作る際に最後の仕上げとして眼を描き、僧侶の読経によって、仏様の魂、つまり「お性根(おしょうね)」を込めるという儀式が由来であるとされ、「開眼法要(かいげんほうよう)」「魂入れ(たましいいれ)」「御魂入れ(みたまいれ)」「入魂式」「お根性入れ(おしょうねいれ)」などとも呼ばれます。お墓を建てたことを祝う式典ということで「建碑式」、法要後の食事会など一連の行事を指して「お墓開き」と呼ばれることもあります。

奈良時代、東大寺の大仏を建立した際に、聖武天皇によって盛大に行われた眼をかき入れる儀式が、開眼供養の始まりと言われています。

お墓の開眼供養のタイミング

開眼供養を行う時期については、「お墓を建ててから何日後までに」などの決まりはありませんが、納骨式(納骨法要・納骨供養)に合わせて行うことが一般的となっています。

納骨式というと、忌明けとなる四十九日に行われることが多い印象がありますが、これは既に納骨するお墓が準備されている場合です。亡くなった家族のために、葬儀が終わってからお墓を建てたり改葬したりする場合、お墓の建立には平均2ヶ月~3ヶ月かかるため、四十九日に間に合わないことがほとんどです。その場合は、百箇日や一周忌、お盆など、家族・親族が集まりやすいタイミングに、開眼供養と納骨式を執り行うことが多いようです。中には、墓地や墓石などをじっくり検討して決めたいなどの理由から、三回忌や七回忌に合わせてお墓を建て、開眼供養と納骨式を行うという方もいらっしゃいます。

もちろん、お墓の完成日にすぐ開眼供養や納骨を行いたい時などは、無理に他の法要と合わせて行う必要はありませんし、納骨式とは違う日程で行っても問題ありません。

生前にお墓を建てた場合(生前墓・寿陵)でも開眼供養は必要?

生前墓・寿陵とは?

生きているときに建てる自分自身のお墓のことを、「生前墓(せいぜんぼ)」と言います。
仏教では「寿陵(じゅりょう)」と呼び、「長寿」「子孫繁栄」「家庭円満」を授かる縁起のいいものと考えられています。

「自分で納得できるお墓を建てられる」、「費用やお墓選びなどの負担を残された家族にかけないで済む」、「相続税の節税対策になる」などの理由から、生前墓を選ぶ方も少なくありません。

生前墓については、こちらで詳しく解説しています。
生前墓(寿陵)についてメリットや注意点を解説

生前墓・寿陵における開眼供養の意味

前述のように、開眼供養は納骨式と一緒に行われることが多く、「魂入れ」とも呼ぶため、「故人の魂を宿すために行うもの」と考える方がいらっしゃるかもしれません。もちろん、その意味もあるのですが、他に以下のような意味もあり、「生前にお墓を建てたので、まだ納めるお骨がない」という場合でも、お墓の完成時に開眼供養を行うのが良いとされています。

1.墓石を、拝む対象である「お墓」にするため

お墓は、建てただけでは「ただの石」の状態です。しかし、開眼供養を行うことで、拝む対象、祭祀の対象として、供養の役割を果たす「お墓」になると考えられています。

お墓は、亡くなった方が入るだけでなく、仏様やご先祖さまとの繋がりをもったり感謝を伝えたりする場所でもあります。せっかく建てたお墓を、「仏様やご先祖さまとつながる場所」「お骨を収めて供養していくための場所」として大切にしていくためにも、開眼供養を行うと良いと考えられているのです。

2.子どもや孫に、お墓を建てたことを丁寧に伝えるため

開眼供養には、お墓に魂を宿すだけではなく、供養に参列する人たちの心に、家族やご先祖様との絆、感謝の気持ちを宿すという側面もあります。
家族や親族と共に、お墓の完成の場に立ち会い開眼供養の儀式を行うことで、家族のご縁を感じることができ、それぞれが、「ここで供養をしていくのだな」、「実際にお別れした後は、ここに手を合わせに来よう」と心に留める機会となるでしょう。

また、開眼供養の後は、子どもや孫と一緒にお墓参りをすることもできます。墓前で手を合わせ、ご先祖様に感謝をし、家族の絆を深める。というように、自分が入った後にもお参りしてもらえるような、お墓参りの習慣を伝えていくことにも繋がるでしょう。

3.自身の生前供養を行うため

仏教には、「逆修(ぎゃくしゅ)」という教えがあります。逆修とは、自分の死後の冥福のために仏事をすることを指し、残された人による追善供養に比べて、7倍もの功徳があるとされています。生前からの供養は、仏様やご先祖様との繋がりを大切にすることにもなるため、その行為が大きな功徳につながると考えられているようです。

生前墓の開眼供養を営み、自身でもお墓参りを行なっていくことは、この逆修の教えに基づいた生前供養となり、自身の功徳を積むことにもつながるのです。

生前墓・寿陵の開眼供養のタイミング

開眼供養を執り行う時期について、特に決まりがないと書きましたが、お墓を建てた際はあまり間を置かず、できるだけ早く行うのが好ましいとされています。

お墓が完成する時期が分かったら、開眼法要の時期についても検討をはじめましょう。家族や親族が集まりやすいように、お盆・お彼岸などの仏事と合わせても良いでしょう。

気持ちの整理がつかず、すぐに納骨しない場合はどうする?

大切な家族を亡くしたときは、深い悲しみに暮れ、気持ちの整理に時間がかかるものです。お墓が完成しても、故人と離れがたく、遺骨をそばに置いておきたいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、開眼法要をしないまま何年もお墓を放っておくのは、あまり良いことではないと言われています。

お墓は、開眼供養を行うことで、仏様やご先祖様のいらっしゃる浄土とつながる場所となります。あの世へ供養の思いを届けるためにも開眼供養だけは先に行い、そのお墓にお参りしつつ気持ちの区切りがつくのを待ち、みんなが集いやすい一周忌、三回忌、七回忌といった年季法要に合わせて納骨するのもよいでしょう。
気持ちの整理がつかないまま、葬儀やその他の手続きを進めていくのは、なかなか大変なことです。供養をお願いする僧侶にも相談しながら、慌てず無理なく進めましょう。

遺骨をそばに置く方法としては、分骨してお骨の一部を手元に置きながら、開眼法要と納骨式を行いお墓参りもしていくという方法もあります。

分骨の方法については、こちらの記事をご覧ください。
手続きが必要?分骨の手順や手続きとは

まとめ

開眼供養は、お墓に故人の魂を入れるというだけではなく、お墓を通して仏様やご先祖様との繋がりを持つために行われるものであり、納骨する前でも行う意味があるということをお伝えしてきました。

日本では昔から、石をはじめとした自然界のあらゆるものに、霊や神が宿ると考えられてきました。開眼供養には、それらの霊や神に拝ませていただくことをお願いする、儀式によって仏様のいらっしゃる浄土との繋がりを作るというような側面もあるのかもしれません。

墓前に集い手を合わせることは、故人の供養だけではなく、ご先祖さまとの繋がりを感じたり家族の絆を深めたりすることにも繋がります。この機会に、ご自身のお墓の残し方や供養について考え、ご家族でも話題にしてみてはいかがでしょうか?

開眼供養の詳しい意味や、儀式の流れなどについては、こちらの記事をご覧ください。

開眼式、開眼供養、開眼法要とは

魂入れ(お性根入れ)とは?お墓が完成したら欠かせない儀式です

お墓を建てる際の流れなどは、こちらで解説しています。

初めてお墓を建てる方必見!お墓づくりの手順について

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