お役立ちコラム お墓の色々

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お墓の耐用年数は?長持ちするお墓を建てるにはどうすればいいの?

墓地・墓石コラム

お墓の耐用年数は?長持ちするお墓を建てるにはどうすればいいの?

お墓の購入は、誰でも頭を悩ますものです。金額的にも大きな買い物ですし、子供や孫の世代まで関わるものだから、なるべく長く使えるお墓を建てたいと皆さん考えます。せっかく作ったのに、何度も修理するようなことになるのは、非常に困りますよね。一度建てたお墓は、どれくらい使えるのでしょうか。
これから新しくお墓を建てようとしている方に向けて、お墓の耐用年数と、短くなる原因、お墓を長く維持するために重要なことをご紹介します。

そもそもお墓の耐用年数はどれくらい?

自然物である墓石には、「何年間は使えます」という決まった耐用年数はありませんが、短くて30年、長くて150年程と言われています。年月に大きな差がありますが、これには2つ理由があります。
 ひとつは、風化の早さによる差です。お墓は屋外に建てられるため、直射日光や風雨に日常的に晒されています。お墓の置かれた環境や墓石の種類によって、それぞれのお墓ごとに風化の速度は異なるため、耐用年数が一概に何年とは言えないのです。
もうひとつは、耐用年数を過ぎたという定義に、さまざまな状態があてはまるからです。
・割れや欠けで見た目が悪くなり、我慢できない状態
・墓石に問題はないが、基礎や目地が劣化して修理が必要な状態
・風化が遠因で倒壊して、台座ごと崩壊してしまった状態
それぞれ壊れている箇所や程度は異なりますが、修理や建て替えが必要になれば、それは耐用年数を過ぎてしまったと考えられます。

耐用年数が大幅に短くなる、深刻な風化の原因

では、きれいな状態を保てるお墓と風化が激しいお墓では、何が違うのでしょうか。風化を左右する大きな原因は、墓地の環境と墓石の相性です。墓石の風化を早めないように、墓地の環境に適した墓石を選ぶ必要があります。墓石にとって特に厳しい環境は、潮風の当たる場所と寒冷地です。

潮風による被害

車や住宅でもわかるように、潮風は金属の天敵です。鉱物である墓石にも金属は含まれており、湿った潮風によってサビや白色化してしまうのです。また、台風の時に発生する高波により、海水を被ってしまうとさらに被害は甚大になります。

寒冷地での凍結による被害

冬場の気温が氷点下を下回る寒冷地では、石に含まれた水分が凍る際に膨張し、傷やひび割れにつながる可能性があります。また、積もった雪が溶けるたびに、お墓を濡らし続け、シミの原因となります。

このような地域では、地元の石材店の意見をよく聞いてみるのが良いでしょう。実際に長持ちしたお墓の実績をもとに、相性の良い墓石を紹介してくれます。
また、墓石の吸水率が1つの目安になります。吸水率とは、その石の水の含みやすさを示しており、石の組織がぎゅっと密集しているものほど吸水率は低くなり、水が関わる被害に強い墓石となります。例えば、大島石、庵治石、天山石は吸水率の低い墓石になります。

耐用年数が短くなる、石以外の原因

お墓の修理や建て替えが必要になる原因は、風化だけではありません。目地や基礎部分が原因の場合もあります。
目地とは石同士のつなぎ目の部分のことです。目地には、コーキング材という紫外線や雨風に強い屋外用の接着剤が埋め込まれ、墓石の接合部から水が浸み込むのを防ぐ役目と、石同士を結束して耐震性を高める役目を担っています。
そもそも目地に埋め込まれるコーキング材は、石と比べはるかに寿命が短いものです。目地の交換自体は、お墓を維持するためにあらかじめ想定されているメンテナンスなので、耐用年数が切れたとは考えられません。耐用年数が短くなるのは、目地の劣化を放置したときです。墓石の接合部から水が浸み込み、風化を早めますし、耐震性が落ちた墓石がもし倒壊してしまったら、大規模な修理が必要になります。
目地の劣化は目で確認できます、ボロボロになっていたり、隙間が空いているようだったら交換が必要です。目安として10年程度で新しくすると良いでしょう。
また、お墓の耐用年数に大きく影響するのが、基礎工事です。お墓の基礎部分には、重い墓石を常に受け止められる頑丈さと、墓石が傾いたり倒れたりしないために水平であることが求められます。お墓を立てる時の基礎工事が正確で丁寧に行われていないと、その後のさまざまなトラブルの原因になるのです。

耐用年数の長いお墓づくりに重要なこと

お墓の耐用年数は、まず墓石と環境の相性が重要です。でも、自分で墓石を判断するのはなかなか難しいことですよね。安心なのは、やはりその地域の風土に詳しい、地元の石材店を頼ることです。基礎工事や目地の交換、今後何かあったときの対応もお願いすることを考えると、石材店選びはお墓選びと同じくらい、大切なことです。
長持ちするお墓を建てるには、信頼できる地元の業者を選ぶのが一番の近道です。代々受け継ぐお墓ですから、最初に頼りになる石材店を選び、子供や孫の世代まで安心して長く使えるお墓を建てましょう。