墓石の手入れに、自分でワックスがけはできるの？

お墓は屋外に置かれているので、こまめにお掃除をしていても、汚れたり痛んでいくことは避けられません。それでもできるだけ長く、きれいなお墓を維持したい人には、自分でワックスがけをするという手があります。本記事では、墓石のワックスがけの効果、注意点、やり方やコツを紹介します。ワックスは、墓石専用のものを使いましょう。ホームセンター、ネット通販、石材店等で販売しています。間違っても、床用や車用のワックスを使わないでください、かえって墓石を痛めてしまう原因になりかねません。

墓石のワックスがけの効果

・汚れが付きにくくなる
　ちりやほこりが積もりやすい小さな傷を、ワックスが埋めます。
・ツヤ・光沢が出る
　表面の凹凸をワックスが埋め、被膜をつくるのでツヤや光沢がでるようになります。
・水を吸いにくくなる
　被膜と撥水効果で墓石が水を吸いにくくなり、シミやカビ、苔を予防することができます。
以上の効果により、ワックスがけをすると、きれいな状態のお墓を長持ちさせることができます。

墓石にワックスをかける際の注意点

定期的にかける必要がある

ワックスがけは一度でおしまいではありません。効果を持続させるために、定期的にワックスがけをする必要があります。頻度はワックスごとに違いますが、春と秋のお墓参りのついでに年２回行うのでは、足りないかもしれません。古くなったワックスを落とさずそのままにしておくと、かえってお墓を汚してしまう可能性もあります。お墓が遠くてこまめに通うのが難しい人や、忙しい人は、ワックスを使わないほうが良いでしょう。

墓石との相性に注意する

ワックスがけに向かない墓石もあります。墓石用ワックスの説明書をよく読んで使いましょう。もし、墓石の種類や適したワックスがわからなければ、その墓石を買った石材店に確認し、選んでもらうと安心です。石材店によっては、その場で売ってくれるかもしれません。

墓石のワックスがけのやり方

まず、普段より念入りに墓石を水洗いします。普段は、雑巾やタオルで掃除している人も、掃除用スポンジを使ってください。スポンジで落ちない汚れには、ついタワシを使いたくなりますが、墓石を痛めてしまい、ツヤや光沢を損なうのでやめましょう。擦って落ちない汚れには、石材店による本格的なクリーニングが必要です。
次に、乾拭きして墓石を乾燥させます。ワックスを浸透させ、効果を十分に発揮させるためです。念入りに乾燥させるために、掃除用のタオルとは別に、乾いたタオルを何枚か持っていきましょう。ただし、新品のタオルは毛羽が落ちて、せっかくきれいにしたお墓が毛羽まみれになってしまうので向いていません。使い古したタオルを洗って持っていくか、毛羽の少ない素材のタオルが良いです。しっかり拭きとれたように見えても、触るとしっとりした感じがしたら、墓石の表面に空いた極小の穴に、水が残っている状態です。少し時間を置いて風に当て、完全に乾くのを待ちましょう。
墓石が乾燥したら、ワックスを塗り込んでいきます。ワックスには固形タイプと液体タイプがありますが、どちらも布にとって塗り広げていくとムラが少なく仕上がります。全面に塗ったワックスが乾いたら、完了です。もし、白く残っているようなところがあれば塗りすぎなので、乾拭きして拭き取るか、もう一度ワックスのついた布でぬぐい取ってください。

ワックスを上手に塗るコツ

上手く塗るコツは、天気と気温に気をつけることです。カンカン照りの日は墓石がとても熱くなります。触れているのも辛いですし、塗ったところがみるみる乾いて「あれ？どこまで塗ったっけ？」となりがちです。一方、気温の低い日は、手がかじかむほど墓石が冷たくなります。固形ワックスも伸びにくく、塗るのが一苦労です。熱すぎても寒すぎても作業は大変になるので、春や秋のお参りの際に行うのがおすすめです。夏なら、曇りの日に行うなど、環境を選んでワックスがけをしましょう。

掃除で落ちない汚れは石材店に相談を

ワックスがけは、墓石が汚れてしまう前に行う、予防措置です。すでに、掃除しても落ちない汚れがたくさん付いている場合、一度本格的なクリーニングを石材店にお願いすると良いでしょう。こびりついた水垢や、カビや苔、サビなど擦っただけでは落ちない汚れを、専用の道具でじっくり掃除してもらえます。それでも消えない汚れは、石を磨き直すなど、本格的な修復作業が必要になります。
プロのチカラできれいになった墓石を、今後は自分でワックスがけをして維持していきましょう。

墓石のワックスがけで代々のお墓をきれいに保とう

ワックスがけでピカピカにしたお墓は、達成感があり、気持ちの良いものです。お墓は代々使うものですから、きれいなお墓を維持することはご先祖のためだけではなく、自分や子供のためにもなります。お墓が遠い人や、高齢でなかなか通えない人は、お墓掃除代行サービスを利用するのもいいかもしれません。