お役立ちコラム お墓の色々

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- 供養をきわめる -

遺影写真を自分で準備するにはどうする?〜準備の方法やメリット・デメリットを紹介〜

葬祭基礎知識

遺影写真を自分で準備するにはどうする?〜準備の方法やメリット・デメリットを紹介〜

遺影写真とは、葬儀の際に祭壇などに飾る、故人の生前の姿を写した写真のことです。参列者や親族は、遺影写真を見ながら在りし日の故人を思い出しお別れの言葉をかけるなどお見送りをします。また、葬儀後も仏壇の近くに飾られることも多く、残された人たちの中での故人のイメージを印象付けものであると同時に、遺族の中で残り続ける大事なものです。
最近では、その写真の準備を家族に委ねるのではなく、元気な間に終活の一環として自分で準備をするという方も増えています。遺影を生前に自分で用意することに、どのようなメリットがあるのでしょうか?遺影写真を自分で準備する場合の方法と合わせて、ご紹介していきます。

遺影写真を自分で準備する人が増えている理由

遺影写真を自分で準備する人が増えている背景には、葬儀や葬儀の準備に関わる考え方や価値観の多様化があると考えられます。時代の変化とともに葬儀に関わることの自由度が上がり、風習や慣習に従うだけでなく、自分の理想を形にしやすくなっています。
また、終活の考え方の広がりと共に、家族や親族になるべく負担をかけずに最期を迎えようと考えている人が増えているというのも、理由の一つになっているようです。

遺影写真を自分で準備するメリット

納得のいく写真を準備することができる

遺影写真は、葬儀の際や、残される家族や親族に対する自分のイメージを決めるものですから、お気に入りの1枚や良いイメージが残るものを使って欲しいと思う方が多いのではないでしょうか。
自分で準備することで、自分が気に入っている服装や髪型、表情にもこだわることができます。新しく撮影する場合にも、納得のいくまで撮影することができます。悔いの残らない形で準備することができ、自分らしさが残る綺麗な写真を残しておくことが可能です。

家族の負担を軽減できる

遺影写真を自分で準備する人が増えてきたといえども、まだまだ、葬儀の打合せの段階に慌てて過去の写真を探すことになるケースが多いのが現状です。そうなると、他の葬儀の準備もある中でアルバムを取り出して探したり、近い時期に撮った写真がなくて困ったりと、ご家族への負担が増えることも考えられます。
事前に写真を準備し、「この写真を遺影写真に使って欲しい」を家族に伝えたりエンディングノートに書き残したりしておけば、ご家族もその他の準備に集中することができ、負担を減らすことができるでしょう。

自分で準備する場合のデメリット

気持ちよく準備を進めるために、気をつけておくと良いこともまとめておきます。

家族の思いにも耳を傾けよう

遺影写真はご自身の希望も大切ですが、1人で決めてしまうと、家族の思いが反映されないことでかえって残念な思いが残ってしまう可能性もあります。
遺影写真は、ご家族の手元に残るものですので、ご家族にとっても大切なものになります。
例えば、ご自身は正装をした畏まった写真を思い描いている一方で、家族は故人を懐かしく思い出せるような雰囲気のものをと考えているかもしれません。また、ご家族の意見を聞いてみることで、ご自身の印象について新たな発見もあるかもしれません。
写真を準備する際には、家族と話す機会も作り、自分の希望や家族の思いを踏まえながら残す写真を決めていけると良いでしょう。

思いを伝え有意義な終活に

遺影写真を生前に用意しようとすると、「まだ早い」「縁起でもない」などの声を聞くこともあるかもしれません。ご自身は前向きに準備をしようとしていたとしても、周りの人は突然で驚いてしまうということもあるでしょう。
そのような時には、自分が遺影写真を選びたい理由や葬儀に対する思いを伝え、希望を話し合う機会を作ると良いでしょう。思いを伝える良い機会だと捉え、家族の絆を深め、有意義な終活を進める機会にできると良いのではないでしょうか。

遺影写真を自分で準備する方法

自分で準備・撮影する場合

持っている写真の中からお気に入りのものを選ぶ

写真を自分で準備する方法の1つとして、アルバムの中からお気に入りの写真を選んでおく方法があります。今は写真の加工技術も進んでいるので、家族写真や旅行先でお友達と撮った写真から自分だけを切り抜いたり背景や服装を加工したりすることも可能ですので、良い表情で写っている写真を選ぶと良いでしょう。
その際、写真に写っている自分の顔のサイズ、ピントが合っているかどうかを確認しておきましょう。また、あまりにも若い頃の写真を選ぶと違和感が出ることもあるので、写真を撮影した時期も考慮しましょう。遺族が選ぶ場合には、一般的に、亡くなる前1年から5年以内くらいで元気なときのものを選ぶことが多いようです。入院期間が長いなどの事情で選べる写真に限りがあるときには、ご自身の希望も伝えつつ、ご家族にも相談しながら選ぶと良いでしょう。

写真の整理についてまとめた記事がありますので合わせてご覧ください。
捨てられないアルバムなど終活の写真整理はいつから?やり方を紹介

自分のスマートフォンなどで撮影する

手持ちの写真の中に良いものがない場合や改めて遺影写真用に写真を準備したい場合には、お手持ちのスマートフォンやカメラで、ご自身で撮影することも可能です。その場合は、しっかりと顔と上半身が映るようにしましょう。
ご自身での撮影に慣れていないと、緊張して表情が硬くなってしまうことも少なくありません。ご家族やご友人に撮影してもらうことで、柔らかい表情が作りやすくなります。

より自分らしい一枚を残すには、日頃から写真をたくさん撮っておくのもおすすめです。
例えば、家族や友人との団らんの場や、旅先で撮ったものは、いきいきと楽しそうな表情の写真も多くなるでしょう。そのような機会に、時々は自分1人の写真も撮影しておき、遺影写真の準備に備えるという方法もあります。

遺影写真のための写真を準備する場合には、上に書いた以外にもいくつか気をつけなければいけないことがあります。
遺影写真の選び方やマナーなどについては、こちらの記事に詳しくまとめていますので参考になさってください。
遺影写真はどう選ぶ?〜上手な選び方のポイント、保管や処分の方法を紹介〜

プロにお願いする場合

遺影写真に適した写真を準備するのに、プロに撮影をお願いすることができれば、より確実で安心かもしれません。プロに相談すれば、見せたい表情や顔の向きなどもアドバイスを受けることもできるでしょう。

写真館や撮影スタジオなどを予約する

写真館や撮影スタジオに予約して撮影をしてもらうことで、スケジュールに合わせて準備を整え、撮影に臨むことができます。スタジオによっては、お客様の要望に合わせられるよう、さまざまなプランを用意しているところもあります。まずは近くの写真館や撮影スタジオに問い合わせて、相談してみると良いでしょう。
プロに撮影をお願いすると、美しい写真が残せることはもちろんですが、節目の記念としての写真を残すこともできます。遺影写真を依頼する際には、お誕生日などの節目のお祝いを兼ねても良いかもしれません。

葬儀社の遺影写真撮影会に参加する

最近は、終活のイベントなどで、遺影写真の撮影会を開催する葬儀社もあります。プロのカメラマンが撮影するので、素敵な写真を撮ってもらうこともできますし、葬儀の知識が豊富なスタッフに不安なことを相談したりアドバイスをもらったりすることもできます。
「遺影写真の撮影を初めてするので、不安がある」というような方も、撮影会を開催している近くの葬儀社を探して一度相談してみると良いかもしれません。

まとめ

遺影写真は、自分が亡くなった後、最期にご家族やご友人の目に映る姿となります。人柄が伝わる写真を準備することは、残された人たちが穏やかに故人を見送るきっかけにもなります。最後の姿をどのように見せるか?残されるご家族やご友人にどのような姿を伝えたいか?など、遺影写真をきっかけに、ご自身の人生のエンディングについて考える機会にしてみてはいかがでしょうか?


葬儀やお墓の違いについて宗派ごとに詳しくまとめた記事もありますので、参考になさってください。
宗派によるお墓の違い一覧