お役立ちコラム お墓の色々

お役立ちコラム お墓の色々

- 供養をきわめる -

墓友とは??晩年を楽しむ最後のパートナーです

終活コラム

墓友とは??晩年を楽しむ最後のパートナーです

「墓友」という言葉をご存じでしょうか?お墓参りに一緒に行く友達のことではありません。一緒にお墓に入る友達を指します。友達の関係なので、もちろん、配偶者でもなければ血のつながった親族でもありません。
お墓と言えば、これまでは家族で入るものでしたが、最近では友達関係で同じお墓に入る方もいらっしゃるのです。本記事では、墓友について意味・背景・作り方・メリットやデメリット、注意点について解説したします。

墓友とは?

墓友(はかとも)とは、費用を出しあって1つのお墓を買い、そこに一緒に入る友達、及び交友関係を指します。従来のお墓の感覚で例えるとするなら、納骨者を「仲の良い友達」に限定した小規模の合祀墓(通常の合祀墓は、不特定多数の方が納骨されます)といったところでしょうか。
最近では宗教団体・公益法人・NPO法人などが共同墓を経営するケースが増えており、そうしたコミュニティでは親戚関係や血縁関係がない人同士、つまり友人関係でも同じお墓に入ることを推奨しているところもあります。

墓友が誕生した背景

墓友という関係が増加する背景のひとつには、単身の高齢者の増加が考えられます。趣味のサークル活動などで知り合った人同士が、病気や介護などの共通の課題を共有することで仲を深め、共にお墓に入る約束をすることで死への恐怖や寂しさを軽減する。つまり単身の高齢者にとっての墓友は「晩年を共に過ごすパートナー」であり、同じ悩みを共有できる貴重なつながりなのです。
また、既婚の高齢者でも、先に亡くなった配偶者と同じお墓に入らず、自分が選んだ墓友と同じお墓に入るという方もいらっしゃいます。特に女性の場合、夫の家系のお墓に入るよりも、気の合う墓友と一緒にお墓に入る方が、「自分らしい供養」と感じる方もいるようです。「家系」を重視する日本の考え方が変化していることの象徴ともいえるでしょう。

墓友はどうやって作るの?

墓友は、お互いの同意があれば、基本的にはどんな関係の方でも結ぶことができます。古くからの親友という場合も多いですし、終活中に知り合って意気投合した人や、最初から墓友になることを前提として相手を探す場合もあります。いくつかの例を紹介します。

墓友をつくるきっかけ

終活セミナーなどを通じて知り合う
終活に意欲的な人は、人生の最後を真剣に考えています。同じ悩みを抱えていることで親密になり、墓友になるケースがあるようです。

墓友の会やサークルに参加する
「墓友の会」や「墓友サークル」と呼ばれる、墓友を探すことを前提としたコミュニティやイベントもあります。こうしたイベントはそもそも「墓友を作りたい」と思って参加している方が中心ですし、主宰団体のサポートも受けられるので、より見つけやすいでしょう。

介護施設や老人ホームで探す
入所している介護施設や老人ホームでつながる方もいらっしゃいます。普段から一緒にいるうちに「ずっと一緒にいたい」と感じ、そのまま墓友となるケースがあるようです、また、老人ホームなどがお墓を用意し、納骨されるお墓をお持ちでない入居者を、同じお墓に納骨して供養しているケースもあります。これも墓友の一種です。

◆介護施設・老人ホームをご検討中の方はこちらも参考にしてみてはいかがでしょうか?(外部パートナーサイト記事)
老人ホームの選び方は?失敗しない選び方のポイントも詳しく解説!

墓友のメリット・メリット

メリット

・楽しい時間を共有する親友ができる
・お墓や死について相談できる相手ができる
・お墓の購入費用を分け合うことができる

デメリット

・お墓を購入した後に仲違いした場合、金銭トラブルに発展することも
・家族や親族の理解を得られない可能性もある(特に配偶者がいる場合は注意)

上記のように、墓友には良い面もあれば悪い面もあります。いずれにしろ、相手のことを良く知ったうえで関係を結びましょう。また、やはり「お墓は家系ごとに入るもの」と考える方も多いので、親族にも納得してもらう必要があります。

墓友の注意点

一代限りの永代供養墓を選ぶ

子供のいない単身者の場合、自分の死後にお墓を守り続けてくれる方を見つけるのは難しいと思われます。また、既婚者が墓友とお墓を建てた場合、子供や孫に継承すると、家系のお墓の中に一人だけ関係の無い方(墓友)が入ることになります。人によっては違和感を覚えるでしょう。そのため墓友と建てるお墓は、一代限りの永代供養墓を利用するのが基本です。墓地・霊園に管理していただけるので、承継をしなくても大丈夫だからです。

費用負担を明確にする

お墓を共同購入するのであれば、費用負担を明確に決めておきましょう。理想的には折半ですが、金額に差があるケースもあると思います。いずれにしろ、相手が納得していないと墓友との関係が悪化しかねません。

お墓参りしやすい墓地・霊園を選ぶ

墓友を検討し始めるご年齢の方となれば、どちらもそれなりにご高齢のはずです。残された方がお参りのしやすいような距離・立地・環境の墓地・霊園を選びましょう。

墓友をつくって晩年を楽しもう

楽しい時間を一緒に過ごし、時には悩みを打ち明けて励まし合うパートナーができるのは実に素敵なことです。「お墓は家系で入るもの」という考えの方もまだまだたくさんいらっしゃいますが、「同じお墓に入る」という約束を他人と交わすからこそ、墓友は家族とも親友とも異なる特別な存在になるのです。これまでのお墓の常識とは異なりますが、この新しい交友関係は決して悪いものではありません。勇気を出して、晩年の苦楽を共にするパートナーを探しにいきましょう。