お役立ちコラム お墓の色々

お役立ちコラム お墓の色々

- 供養をきわめる -

より良い終活のためにあらためて考えておきたい「お墓を建てる」ということ

終活コラム

より良い終活のためにあらためて考えておきたい「お墓を建てる」ということ

終活の中で考えることの1つに「お墓を建てること」があります。

自分が亡くなった後は、そのお骨を先祖代々からあるお墓に納める場合が多いと思いますが、新たにお墓を建てる場合もあるでしょう。

実は、お墓を新たに建てる場合はもちろんですが、すでにお墓を持たれている方にも知っておいて欲しい「お墓のお話」があります。

お墓の役割

お墓には大きな役割が3つあります。

①故人のお骨を納める場所/埋葬する場所

亡くなった方を火葬し、その焼骨を納めることが1つ目の役割です。
墓地に墓石を建立し、墓石の中、または下にある納骨室(カロート)に、お骨の入った骨壷を納めます。

②故人やご先祖さまを供養する場所

お彼岸・お盆・命日など、故人の冥福を祈って供養をする場所。それがお墓の持つ2つ目の役割です。

③命のつながりを感じ、そのつながりを後世に繋いでいくためのシンボル

お墓を建てお骨を納め、故人の供養を続けていくことで、3つ目の役割が出てきます。
それは、お墓が「命のつながりを感じ、そのつながりを子供たちにつないでいくためのシンボル」になる、ということです。

たとえば、お墓の前で手を合わせ、故人やご先祖さまの供養をすることで、「人の命には限りがある」ということに気づけます。そして、命の価値を再認識し「悔いのない人生を生きよう」と前向きな気持ちになることができます。

このように、お墓の前での「気づき」や「誓い」などが、自らの人生に反映され、よりよい生き方へとつながっていく・・・そのきっかけや象徴となるのがお墓の3つ目の役割といえます。

お墓は時代にあわせて様変わりしている。

お墓の形は、時代に合わせて変化してきています。
お墓の変遷をあらためて見てみましょう。

和型墓石の変遷

和型墓石は、角型で縦長のデザインが特徴で、基本的構造は三段もしくは四段構造のものが全国的に主流です。
上段から「棹石」「上台石」「芝石」と呼ばれ、それぞれ「家庭円満や健康」「事業の繁栄」「財産」を意味するといわれています。

角型で縦長のデザインが現在の和型の主流となっていますが、これは江戸時代中頃から広まったものです。それ以前は、以下の5つに代表される供養塔が建てられていました。

①石塔婆
五輪塔は平安時代に誕生したといわれる墓石デザインで、上段から「空輪」「風輪」「火輪」「水輪」「地輪」と呼ばれる墓石で構成されています。それぞれ自然の五大元素を表していて、各墓石に梵字が刻まれるのが特徴です。

②五輪塔
五輪塔は平安時代に誕生したといわれる墓石デザインで、上段から「空輪」「風輪」「火輪」「水輪」「地輪」と呼ばれる墓石で構成されています。それぞれ自然の五大元素を表していて、各墓石に梵字が刻まれるのが特徴です。

③多宝塔
笠石を円筒型の棹石の上に積み上げたタイプの供養塔が「多宝塔」です。平安時代以降に建てられるようになったデザインで、個人の墓石としても建てることができます。

④宝篋印塔
宝篋印塔(ほうぎょういんとう)は中国から伝わった石塔で、建てる際には写経を納めます。鎌倉時代以降に多く建てられたデザインで、主に法人の供養塔として建てられる点が特徴です。

⑤無縫塔
無縫塔(むほうとう)は僧侶のお墓として建てられることの多い墓石です。卵型の塔身が特徴で、別名「卵塔」とも呼ばれます。

洋型墓石の変遷

洋型墓石とは、近年増えて来ている新しい形のお墓をいいます。
基本的には、形や石の種類、刻む文字などに決まりはありませんが、和型墓石より背が低く、少し横長になった形をしているものが多いです。その形状から耐震性の面で安心感があるというメリットもあります。

洋型墓石は高度成長期に生まれ、ライフスタイルが徐々に欧米化したことも相まって、都市部を中心に一気に普及しました。

両家墓

両家墓とは、複数の家のお墓を一つにまとめたものです。
両家墓自体は昔からありましたが、あまり一般的ではありませんでした。
しかしながら近年の少子化や核家族化などによるお墓の継承者問題を背景として、その数を徐々に増やしています。

両家墓についての詳しい記事がございますので、ぜひご覧ください。

2つの家をまとめる2世帯のお墓「両家墓」

また、デザイン墓石についての詳しい記事もございます。ぜひご覧ください。

「お墓のデザインにこだわりたい」デザイン墓石について説明します

お墓の場所選びも大切

お墓を建てる際は、その場所選びも大切です。
墓地・霊園は大きく3タイプに分けることができます。

①寺院墓地

経営・管理・運営をお寺が行っている墓地です。お寺ならではの手厚い供養をお望みの方や、法要の際の利便性を望まれる方に支持されています。

②公営墓地

公営墓地とは、都道府県や市町村などの自治体が所有・運営・管理している墓地です。基本的には地元の住民のための墓地なので、地元の方以外の購入は難しいですが、利用料金も比較的安価なため様々な方から人気を集めています。

③民間霊園

民間霊園とは、宗教法人や公益法人などが経営し、民間企業が管理・運営している霊園のことです。利用できる石材店が限られたり、公営墓地などと比べ利用料金がやや高い場合もありますが、品質管理の統一性があったり、ニーズをとらえた特徴的な園内設計や設備・サービスが充実しているため、総合的な利便性を追求する方から人気を集めています。

いずれの場所を選ぶ場合でも、事前の下見・見学は必要です。
しっかりと自分の目や耳で確かめた上で、決めるようにしましょう。

なお、墓地・霊園に関する詳しい記事がありますので、こちらも合わせてご覧ください。

寺院墓地とは?メリット・デメリットを紹介します

◆公営墓地とは?メリット・デメリットを紹介します

◆民営霊園とは?メリット・デメリットを紹介します

まとめ

終活とは自分のためだけでなく、家族や大切な人のために「過去を想い、未来を考える」ことだと思います。

実はお墓にも、“しあわせのシンボル”として「過去を想い、未来を考える」役割があります。このことはより良い終活が目指すものとリンクするところではないでしょうか。

お墓と向き合うことも重要な終活として捉えていただき、長年受け継がれてきたお墓文化の良さをあらためて見つめ直していただけると幸いです。


自宅で簡単に終活のイロハが学べる動画コンテンツがございます。
ぜひご覧いただき、あなたの終活に活かしてください。

はじめての終活準備ムービー