お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
「お墓のデザインにこだわりたい」デザイン墓石について説明します
個を重んじる社会や価値観の変化に伴い、お墓の形も変化しています。伝統的な和型墓石が整然と並ぶ墓地も、厳かで気持ちの引き締まる良いものですが、故人らしいお墓や自分らしいお墓を建てたい人、自分だけのこだわりのお墓を建てたい人にはデザイン墓石という選択肢があります。本記事では、デザイン墓石の特徴、選ぶポイント、メリット、注意点をご紹介します。
デザイン墓石とは
和型墓石や洋型墓石とは異なる形のお墓のことをいいます。曲線や左右非対称に加工した多様なデザインが特徴的です。
洋型墓石の一種やモダンな和型墓石として扱われることもあり、はっきりとした区分があるわけではありません。また、一点物のフルオーダーの墓石もデザイン墓石と呼ばれます。本記事では伝統的な和型・洋型とは異なり、フルオーダーの墓石とも異なる、規格化された多様な形の墓石を「デザイン墓石」としてご説明します。
デザイン墓石を選ぶポイント
種類の豊富なデザイン墓石ですが、故人と関連付けて選ぶとより思い入れのあるお墓が建てられるでしょう。
例
・故人の厳格な性格をもとに、重厚なお墓をイメージして渋い色の石材から選ぶ
・故人の穏やかな人柄をもとに、温かみのあるお墓をイメージして曲線の多い形から選ぶ
上記のように、故人の人柄や雰囲気を石材や墓石の形で表現すると考れば、選びやすいと思います。他にも、故人の好きな言葉の彫刻を施したり、出身地の石を選んだりする方もいらっしゃいます。このような墓石はお墓参りの度に家族の絆を深め、生前の姿をより鮮明に想い返すことができるでしょう。
石材
デザイン墓石にはピンク・赤系などの明るい色合いの石材も合います。黒やグレー以外の石材も選択肢に加えると、デザイン選びの幅が広がるでしょう。また複数の石材を使って、色の分かれたお墓を作ることもできます。
ただし、石材選びは色だけでなく、耐久性が大事です。お墓は長年に渡って存在するものです。見た目だけで判断せず、石材店の意見もよく聞いて、墓地の環境にあった性質の石材を選ぶことが大切です。
お墓のかたち
デザイン墓石に特徴的な曲線は、石材の色と同じくらいお墓の印象を左右するものです。曲線が少ないほど厳かで男性的な印象に、曲線が多いほど柔和で女性的な印象を感じると思います。故人のイメージに合った形を選ぶと、お参りの際により故人を身近に感じられることでしょう。
彫刻
従来のような家名ではなく、「夢」や「絆」など好きな言葉や座右の銘を入れる方もいらっしゃいます。また、桜や百合など花の模様の彫刻を施す方も多いようです。床に敷いた石に彫刻を施したりする方もいらっしゃいます。
ただし、お墓参りの雰囲気が壊れるような奇抜な彫刻はおすすめできません。周りのお墓へも配慮し、お墓参りの本義に差し障りのない範囲にしましょう。
デザイン墓石のメリット
高齢者にはお掃除で助かる面も
伝統的な和型墓石と比べて背が低いので、掃除がしやすいと感じられる高齢者の方もいるようです。超高齢化社会と言われる日本の現状を考えると、高齢者への配慮がされているのは大事なポイントです。
倒壊の心配が少ない
低重心のデザイン墓石に安心感を覚える方もいらっしゃいます。和型墓石も現在は倒壊に十分注意して施工されているので、実際には耐震性に差はないのですが、感覚的に安心できるのは、背の低い墓石ならではのメリットです。
デザイン墓石の注意点
墓地によっては建てられません
デザイン墓石の需要は増えているのですが、実際はどこでも建てられるわけではありません。墓地の中には、景観の統一性を重んじるために、デザイン墓石を受け付けてもらえないところもあります。墓地の使用規則は必ず確認しておきましょう。
石材店も確認
指定石材店制度のある墓地では、墓地を決めた時点で選べる石材店が絞られている、もしくは決まっています。その墓地の指定石材店がデザイン墓石を取り扱っているかは、墓地を決める前に調べておく必要があります。
お墓づくりはまず墓地から探すのが一般的ですが、お墓にこだわりたい場合は、墓地探しと石材店探しを並行して行ったほうが良いでしょう。
ご家族と話し合いましょう
伝統的な和型でないお墓に抵抗感がある人もいるかもしれません。家族やご親戚の意見も尊重した方が良いでしょう。お墓は故人が眠る場所ですが、お参りやお世話をするのは残されたご家族や親族です。お墓が原因で親族内で揉めることがないように、事前の話し合いは必須です。
予算との兼ね合いに注意
お墓の製作費は、石の値段とその石をどれだけ使うかで大部分が決まります。高さの低いデザイン墓石は、その分安価で済むこともあるようです。ただし、凝ったデザインにするほど加工賃がかかりますし、完成までの製作日数も伸びていきます。故人のために、いろいろご用意して差し上げたくなる気持ちはわかりますが、事前に予算やスケジュールを決めて無理のない範囲で進めていきましょう。
こだわりのお墓は故人とのつながりを深めます
「その人らしいお墓を作ってあげたい」という気持ちから、お墓のデザインに試行錯誤するのは故人にも嬉しいことだと思います。どんな人であったか、どんなものが好きだったかを考えながらデザインするお墓は、生前の姿を振り返る良いきっかけにもなるでしょう。建墓は一度きりでもご供養は続きます。こだわりのお墓にお参りに行くのもこれから楽しみですね。末永く、大切にしていきましょう。