お役立ちコラム お墓の色々

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植木のあるお墓を建てたい。注意点やおすすめの樹種は?

墓地・墓石コラム

植木のあるお墓を建てたい。注意点やおすすめの樹種は?

ガーデニング墓地や公園墓地のように、近年はお墓に木や花を植えた、緑いっぱいの明るい雰囲気の墓地・霊園が増えています。緑のあるお墓は一段と心が落ち着くものです。憧れる方も多いかもしれませんが、もしこのような専門の墓地が周りにない場合や、すでにお墓がある場合、後から木や花を植えたりできるのでしょうか?
本記事ではお墓に木や花を植えたときの効果や注意点、おすすめの種類を解説します。
ガーデニングを楽しむような気分で、実家のお墓に木や花を植えてみてはいかがでしょうか?

お墓の植木の効果

お墓の植木には、以下のような効果があります。

お墓の雰囲気が柔らかくなる

お墓に漂う厳かな雰囲気は故人を偲ぶ機会にふさわしいものですが、その反面、少し寂しい印象も受けます。四季で姿を変え、日々成長する生木・生花があることで、このような雰囲気を和ませることができるでしょう。

木や花を植えることで心が安らぐ

故人が好きだった木や花があれば、お墓に添えて差し上げることで、きっとお喜びいただけるでしょう。故人のためにできることは多くはありません。こうした行いは、私たちにとって、別れの悲しみを乗り越える支えになるでしょう。

いずれにしろ、主に気持ちの面で効果のあるものです。故人を偲ぶ時間を、より心穏やかに過ごせるでしょう。

お墓の植木の注意点

お墓の雰囲気を和ませてくれる植木や花ですが、墓石を痛めたり、お墓参りのときの手間が増えてしまったりと、注意点もあります。

落ち葉や花粉が厄介

お墓参りの際、お墓の周りの木々の落ち葉や花粉に手を焼く方も多いでしょう。木や花を植えた場合、その落ち葉や花粉は基本的には墓所内に全て落ちますので、取り除くのはより手間のかかる作業になります。また、雨で濡れた落ち葉や付着した花粉は、墓石のシミや汚れの原因にもなります。

近隣のお墓に迷惑がかかる可能性も

枝ぶりが旺盛になった植木や花が、隣近所のお墓の区画内に落ち葉や花粉を落としてしまったり、根がよそのお墓に侵入したりすると、トラブルになる可能性があります。定期的にお墓参りに通って観察していれば防げるものですが、お墓参りになかなか通えない人は、木や花を植えるのは避けた方が無難かもしれません。

上記のような無視できない課題もありますが、こうした注意点は植える種類に気をつけることで、ある程度予防ができます。次項では、その方法をご紹介します。

お墓の植木 おすすめの樹種

「植木」と一口に言ってもその種類はさまざまです。種類ごとの特徴と性質を把握すれば、お墓に与える悪影響を極力抑えることも可能です。本項では、お墓の植木にぴったりの特徴と性質を持つ種類を紹介します。

ナンテン

赤い実が可愛らしいナンテンは、庭木としても人気の種類です。「難を転ずる」という意味で厄よけ、魔よけとして古くから植えられていました。
ナンテンは、冬に葉っぱが落ちることがない「常緑樹」というグループの木です。そのため、お墓に植えても落ち葉に悩まされることは少ないでしょう。
ご存じの方も多いと思いますが、ナンテンには毒があります。そのため、実を狙った野生生物にお墓を荒らされるという危険も少ないです。ただし、鳥類の中には、毒を気にせず食べられる種類もいるので、多少は寄ってきます。

アジサイ

初夏の風物詩アジサイも、お墓に植えるのに適した種類です。大ぶりながら優しい印象の花は、まるで見る人を優しく慰めてくれるかのようです。お墓にはふさわしい花でしょう。お寺や墓地の景観との相性も良いです。
ナンテンと異なり、アジサイは「落葉樹」なので、冬には葉が落ちてしまいます。しかし、一枚一枚が大きいので、取り除くのにそれほどの苦労は無いでしょう。
毎年開花後に剪定することで、花付きが良くなります。少しコツがいりますが、お好きな方ならガーデニング気分で楽しめるでしょう。

ツツジ

各地に名所があるツツジは、日本人が大好きな木です。桜と並んで、春を象徴する花のひとつと言うことができます。
ツツジには、常緑樹のものと、「半常緑樹」という地域や気象条件によって落葉するものがあります。葉が小さいので、落ち葉を取り除くのはやや大変かもしれません。心配な方は購入する際に確認してみるとよいでしょう。
公園などでもよく見かけるように、剪定によっては生垣にもできる木です。緑を添えながらも、景観の整ったお墓を作る際にはちょうどいいでしょう。

その他、カイヅカイブキ・コデマリ・ジンチョウゲなどが挙げられます。これらの木の共通点は、成長しても樹高が3m以下の、「低木」といわれるグループの木であることです(ただし、カイヅカイブキのみ、3m以上ではもっとも小さい「小高木」のグループ)。背が高く、枝ぶりが広がっているほど、根も深く大きく張ります。区画内の限られたスペースの中で、近隣のお墓に迷惑をかけず育てるためには、そもそも小さな木を育てるのが得策なのです。

お墓の植木を検討する前に

これからお墓を建てる方も、すでにお墓がある方も、検討を始める前に以下の項目をチェックしてみましょう。

・墓地・霊園の規則で禁止されている
・石張りのお墓では物理的に無理
・木や花を植える空きのない小さな区画のお墓

このようなお墓の場合、木や花を植えるのは難しいかもしれません。代替案としては、「お隣の迷惑にならないように、小さな範囲で植える」「管理事務所と相談の上、小さな鉢植えの花を飾る」「花の模様を彫刻で添える」などの方法があります。

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お墓も植木も将来のことを考えて選びましょう

お墓ほどではありませんが、植木も長く残るものです。立派に成長するのも楽しみですが、子供や孫がお墓を受け継いだときに、もしお墓参りになかなか行けなくなっていたら、近隣のお墓に迷惑を掛けてしまうかもしれません。将来のことを考えると、なるべく手間がかからない樹種を選ぶことが肝心です。お墓も植木も、代々受け継ぐことを考えて選びましょう。
ちなみに、直接造園業者に連絡したり、ご自身で植えたりするのは避けてください。成長した根によって石碑や外柵にヒビが入ってしまったり、墓石が傾いたりする可能性があります。植木のご相談も、まずは石材店へご連絡ください。