お役立ちコラム お墓の色々

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- 供養をきわめる -

どこでもよいわけではない?無宗教のお墓を建てる場所

墓地・墓石コラム

どこでもよいわけではない?無宗教のお墓を建てる場所

お墓と聞いてどんな場所を思い浮かべますか?
明るい雰囲気の近代的な霊園でしょうか? それとも、昔ながらの集落の中にぽつんとある墓地でしょうか?

きっと思い浮かべる霊園・墓地の姿は千差万別でしょう。
それだけいろんな形態、いろいろな場所に墓地・霊園は存在するわけですが、しかしながらその中でも、一番多くの人が思い浮かべるのは寺院の境内にある墓地ではないでしょうか?

その一方で、「信仰する宗教は?」との質問に「ありません」と答える方はここ日本では少なくないと思われます。NHK放送文化研究所が2018年に行った調査によると、64%の方はどの宗教も信仰していないという数字が出ています。

「どの宗教にも属していない」すなわち無宗教のお墓は宗教に囚われていないので、どこにでも自由に建てられると考える方もいらっしゃるかもしれません。では実際はどうであるか見ていきましょう。

そもそもお墓はどこにでも建てられるの?

そもそもお墓はどこにでも建てられるものなのでしょうか。結論からお伝えいたしますと、お墓はどこにでも建てられるものではありません。「墓地、埋葬等に関する法律」の第4条で「墓地以外の場所へ埋葬または納骨をしてはいけない」と定められているためです。

ただ「埋葬または納骨をしてはいけない」とされているので、厳密には埋葬や納骨をせず、お墓だけを建てる場合はこの法律に抵触しません。

たとえば遺骨や遺灰をお墓に埋葬せず、自宅の仏壇などの身近な場所に置いて管理、供養をする「手元供養」を選ばれる方もいらっしゃいます。

◆多様化する自分らしい供養方法「手元供養」とは

「墓地・霊園に関する法律」についての詳しい記事もございます。
詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

◆墓地・霊園に関する法律を解説します。建墓のルールを確認しましょう。

その他の選択肢として、寺院や霊園が管理運営する「永代供養墓」や「納骨堂」に遺骨を納める方法もあります。

永代供養とは、承継者がいない遺骨を寺院や霊園が代わりに供養してくれるというシステムで、近年は遺族にお墓を守る負担をかけないようにと選択する方も増えています。必要な経費は、供養・管理にかかる「永代供養料」と、納骨時に執り行われる「法要のお布施」、墓誌(戒名)に名前を入れる「刻字代」などです。いずれの場合でも、墓地に遺骨を納めるときには各地方自治体が発行する「埋葬許可証」が必要となります。

納骨堂は寺院などの堂内に作られた、納骨するための施設のことを指します。お墓への納骨の場合、基本的には遺骨はずっとそのままお墓に納められますが、納骨堂は契約によって納骨の期間を決められます。従来であれば正式なお墓を建てるまでの一時的な納骨場所として利用されることが多い納骨堂でしたが、近年では永代供養として長期間遺骨を預かる施設も増えてきています。

無宗教のお墓を建てる場所をどう選ぶか。

お墓を建てる場所、その選択肢は大きく分けて3つあります。

寺院墓地

寺院が管理運営する墓地。寺院の境内に隣接していることが多く、寺院との関係が密であるため僧侶の手配がスムーズで、手厚い供養ができる。お墓を建てるには、そのお寺の檀家になることが条件となる場合が多い。

民営(民間)墓地

公益法人や宗教法人が管理運営をする墓地。寺院墓地と異なり、「○○霊園」などの名称で宗教自由の墓地として販売されている場合が多い。

公営墓地

都道府県や市町村など自治体が管理運営する墓地。経営が安定しており、管理費が比較的安価。ただ、募集数が少ないため、購入抽選となる場合が多い。


無宗教の場合に確認すべきことは「宗教自由かどうか」ということです。
特定の宗教や信仰を大切にする寺院や霊園の場合ですと、考え方が異なるため、お墓を建てられない可能性があります。

ここで注意しなければならないのは「宗旨宗派不問」という言葉です。
「宗旨宗派不問=宗教自由」の場合がほとんどですが、中には「仏教という宗教の中で宗派は問わない」という意味の場合もあります。つまり「宗旨宗派不問≠宗教自由」の可能性もあるため注意が必要なのです。

「宗教自由かどうか」をまず確認したうえで、他の条件を確認・比較し、選ぶようにしましょう。


◆「無宗教」のお墓とは? まずは知っておきたい4つのこと

無宗教のお墓の特徴

建墓予定の墓地・霊園が定める決まりがある場合、勿論それに従う必要はありますが、無宗教のお墓はこうあるべきといったような決まりはありませんので、自由にお墓を選ぶことができます。

たとえばお墓といえば、縦長の立方体というイメージがまず頭に浮かぶのではないでしょうか。一般的に見られる縦長のお墓は「和型墓石」と呼ばれます。

江戸時代からの伝統をもつ形で、「下台(芝台)」「中台」と呼ばれる2つの台石の上に、文字が刻まれた「石碑(竿石)」が乗っているのが特徴です。

「和型」がある一方で「洋型墓石」と呼ばれるものがあります。和型にくらべて重心が低く、デザインバリエーションも豊富。イラストや美しい彫刻を施すなど自由にスタイルを選べるのが魅力です。カロート(納骨棺)を地下に設けるロータイプは、圧迫感がないということで人気を集めています。

彫刻する文字も選べる

無宗教の場合は特に彫刻する文字に縛りはありません。

一般的には、故人の死亡年月日および、享年、戒名を墓石に刻みますが、たとえば無宗教のため戒名をつけないのであれば、俗名(ぞくみょう)にすることもできます。俗名は生前に使っていた名前のことです。名前の他にもお墓を建立した年月日や建立者名、好きな文字、座右の銘などを彫ることが可能です。

無宗教のお墓も石材店にご相談を

宗教色を感じさせない自由なお墓をご希望の場合は、まず石材店に相談してみましょう。
理想とするデザインや、理想とする石材(色合いや吸水率、硬さなど)があるかと思いますが、あらかじめ設定した予算の中で、理想と現実のバランスをとることは簡単ではないでしょう。そんな時に、石材店に相談すれば、有益な情報を得ることができ、より理想のお墓に近づけるはずです。


◆人気の洋型墓石デザイン例はこちらでご紹介しています。