お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
多様化する自分らしい供養方法「手元供養」とは
仕事などの都合で実家から遠くに住む人が増えている現代では、遠距離を理由にお墓参りになかなか行けないという人も多く、墓離れが進んできています。その解決策の一つとして、お墓参りよりも簡単に供養をできる手元供養という方法があるのをご存知でしょうか。
この記事では、故人の遺骨や遺骨の一部を納骨せず、自宅などで供養をする手元供養について、詳しく解説していきます。
そもそも手元供養とは
遺骨や遺灰をお墓に埋葬せず、自宅の仏壇などの身近な場所に置いて管理、供養をすることを手元供養といいます。手元供養自体は昔からあった供養の方法ではありますが、近年は様々な事情から手元供養を選ぶ方が増えてきています。
手元供養のメリット
手元供養には、大きく3つのメリットがあります。1つずつ順番に解説していきます。
故人を身近に感じる
故人に会いにお墓参りに行きたいと思っても、様々な事情でなかなか行けず、お墓参りはお彼岸やお盆など年に数回になってしまうという家庭も多いのではないでしょうか。しかし写真や位牌だけに比べて、遺骨や遺灰がある手元供養であれば、毎日手を合わせて故人をより身近に感じることができると言われます。生前に仲の良かった家庭ほど、残された家族の悲しみも大きいはず。手元供養であればいつでも身近に故人を感じられるので、悲しみも少しは和らぐのではないでしょうか。
遠方のお墓参りが出来なくても身近で供養できる
現代では、家族がいつまでも近くで生活するということが少なくなりました。仕事や様々な事情でお墓が遠方にあるために、なかなかお墓参りに行けないという方も多いでしょう。しかし手元供養であれば、遠方へ出向かずともいつでも供養ができます。
費用を抑えることが出来る
お墓の購入には高額な費用がかかります。金額は購入する場所や墓石によって様々ですが、初期費用として100万円を越えることもあり、さらにそれを維持するためには、管理料などを毎年支払う必要があります。お墓を持たない手元供養であれば、これらの費用を抑えることができます。お墓にかかる費用を残された家族に残すことができるというのは、大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
手元供養の種類
手元供養には様々な方法があります。近年は需要が高まってきていることもあり、自宅で遺骨や遺灰を保管したりするだけでなく、身につけて持ち歩いたりできるよう、様々なタイプのアイテムも販売されています。手元供養には、遺骨を加工せずにそのまま保管する方法と、遺骨を加工して身につける方法の大きく2つの方法があります。
加工しない場合
遺骨を加工しないで保管する場合、全骨安置や小さな骨壷に入れて保管する方法があります。火葬して収骨した遺骨を瓶、木箱と順に入れ、骨覆に覆われた状態で保管をするのが全骨安置です。小さな骨壷はデザインや素材などが豊富にあり、故人や遺族の好みにあったものを選ぶことができます。
加工する場合
加工をして保管する方法として一般的なのは、遺骨を小さな容器に入れ、ペンダントやブレスレットにするというものです。また、遺骨を加工して人口宝石を作って指輪やアクセサリーにしたり、遺骨と宝石の原料を混ぜることで人口宝石を作ったりといった方法もあります。アクセサリーは外出時にも身につけられるので、いつも故人を近くに感じていたい方におすすめです。
手元供養で残る遺骨の行き先
手元供養には、遺骨や遺灰をすべて手元に置いておく方法と、一部を納骨して残りを身近な場所に置いて供養する方法の2種類があります。すべてを手元に置ければ良いのですが、自宅に安置しきれない場合は、一部のみを自宅で保管することをおすすめします。
遺骨を自宅一箇所で保管することを全骨安置、半分や一部を手元に置いてそれ以外を他で供養することを分骨安置といいます。では、分けて残った遺骨はどのようにして供養すれば良いのでしょうか。
残った遺骨を納骨する方法として、合祀永代供養、本山納骨の2つがあります。合祀永代供養とは、他の人と共同のお墓に納める方法。管理者がお墓の管理をしてくれるので安心して納めることができます。そしてもう1つは、自身の宗派の本山に納骨をする本山納骨という方法です。古くから行われている方法で、基本的には自分の信仰している宗派の本山に収めるのが通常ですが、申し込みをすれば宗派を問わず受け入れてもらえるケースもあります。いずれの方法を選ぶにしても、良い悪いということではなく、心をこめて丁寧に供養をすることがなによりも大切です。
さらに、散骨や樹木葬という方法も人気があります。散骨は、粉砕した遺骨を海や山にまいて供養をするもの。海外映画などで見たことがある方もいるかもしれませんが、近年日本でも増えている方法です。樹木葬は、墓地に遺骨を埋め、墓石の代わりに樹木を植えて墓標にする方法です。散骨とは異なり、お墓参りのように会いに行けるというメリットがあります。
これからお墓をどうしていくか悩んでいるという方の一つの選択肢として手元供養を紹介しました。手元供養を選択する際も、大切な故人を一番に考えた、丁寧な供養をするというのをぜひ大切してください。