お役立ちコラム お墓の色々
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- 供養をきわめる -
分骨で遺骨アクセサリーはあり?なし?必要な手続きや注意点とは
分骨とは、複数の家族や親しい人たちが、ご遺骨を分けて保管や供養することを意味します。近年は、頻繁にお墓参りに行けない方が、手元で供養しやすい理由から分骨を選択する場合もあるようです。
分骨のひとつのスタイルとして、遺骨アクセサリーがあります。遺骨や遺灰をアクセサリーに納めて、常に身に付けておくといったものです。
この記事では、遺骨アクセサリーの特徴や注意点をご紹介します。遺骨アクセサリーが気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
遺骨アクセサリーの特徴
遺骨アクセサリーは、ご遺骨や遺髪の一部をアクセサリーのなかに収納できるのが大きな特徴です。大切な故人を身近に感じていたい方に選ばれています。ただ、故人の骨をアクセサリーにしていいものか悩ましいですよね。まずは遺骨アクセサリーがどういったものかを知り、「あり?なし?」の判断材料にしましょう。
種類
代表的なものとして次のようなものがあります。
- ペンダント
- 指輪
- ブレスレット
- ブローチ
- 加工された宝石
ペンダントは、遺骨や遺灰の一部をペンダントトップのなかに納めて身につけます。ペンダント本体に空洞があり、ネジを蓋のように止める仕様のものが多いようです。ペンダントトップに故人の名前や思い出を刻印するサービスもあります。
リングの場合は、本体のくぼみに遺骨を納め、モチーフでふたをします。ブレスレットやブローチも同様に、パーツの空洞に遺骨を納めたのち、蓋をするといったタイプが多いようです。さらに遺灰に水晶の粉を混ぜ合わせて結晶化させたり、ご遺灰から炭素を抽出し人工ダイヤモンドにしたりなど、宝石に再生させるサービスもあります。
素材
遺骨アクセサリーの素材で一般的なものは次のとおりです。
- ステンレス
- チタン
- シルバー
- プラチナ
- ゴールド
一般的なアクセサリーと同じ素材のため、見た目は普通のアクセサリーと変わりません。ただ遺骨を収納するため、ペンダントトップやモチーフは多少大きめとなるでしょう。毎日肌につけるものですから素材へのこだわりは重要です。肌が弱い方、金属アレルギーの方は慎重に選びましょう。
価格
価格は素材の種類により大きく左右されます。ステンレスやチタンのペンダントであれば数千円から購入可能です。一方、プラチナやゴールドになれば、10万円を超えるものも少なくありません。さらに遺灰をダイヤモンドに加工する場合、海外での加工となるため数百万円かかるケースもあるようです。予算と素材を決め、納得できるものを選びましょう。
遺骨アクセサリーに関する注意点
故人の遺骨をアクセサリーにする際の注意点を次の5つにまとめました。「あり?なし?」の判断材料として参考にしてください。
- 法的な問題
- 宗教的な問題
- 保管上の問題
- 伝統的な価値観との相違
- ペットと人間の相違
法的な問題
ご遺骨をアクセサリーのなかに納めることは違法ではありません。法的な問題はありませんが、一部の遺骨をアクセサリーに納めつつ従来通り埋葬供養する方が多いようです。
遺骨の埋葬に関しては、墓地や埋葬などに関する法律(通称:墓埋法)により規定があります。墓地以外への埋葬は禁止されており、霊園や寺院の墓地、納骨堂など行政から許可を得た土地や施設以外には埋葬できません。
遺骨を納骨する意味や歴史については、こちらの記事に詳しく解説しています。参考にしてください。
◆そもそも納骨をすることの意義や理由とは
宗教的な問題
「遺骨ペンダントを持ち歩くのは縁起が悪い」といった考えもありますが、ほとんどの宗教宗派において問題ないとされています。ただ、遺骨アクセサリーだけで納骨が済んだと考えるのは難しいようです。それぞれの宗教宗派にそった納骨をしましょう。
保管上の問題
空洞に納めるだけの保存方法であれば、カビに気をつける必要があります。カビを防ぐためには密閉性の高いものを購入し空気に触れさせないようにするか、定期的に取り出して状態を確認して乾燥させるようにしましょう。
また、アクセサリーを紛失した経験については、ほとんどの方にあるのではないでしょうか。装着中にチェーンが切れてしまい、知らない間に紛失していたなど、防ぎようがないケースもあります。さらに家で保管することで、火災や盗難のリスクもゼロではありません。
伝統的な価値観との相違
いつまでも手元に置いておくと、故人が成仏できないといった考え方もあります。ご遺骨は、お墓に納骨するのが一般的です。やはり一部を納めるだけに留めておくのがよいでしょう。また、法的にも宗教的にも問題ありませんが、家族や親戚など周囲の方々への配慮も大切です。行動に移す前に、家族の理解を得るようにしましょう。
ペットと人間の相違
ペットの埋葬は、人間とは異なります。人間の場合、制限が厳しいため日本での土葬は、ほぼ不可能です。一方ペットの場合は、公共の妨げにならない場所であれば土葬も可能です。また、火葬する場合は「火葬」ではなく「焼却処分」となります。ただ、一部自治体では、火葬や人間の墓地への埋葬を認めているケースも増えているようです。
火葬後、ペットの名前とメッセージを刻印した遺骨アクセサリーに遺骨を納める飼い主も少なくありません。家族である愛しいペットの遺骨といつも一緒にすごせることから、ペットロスを防ぐ効果もあるようです。
ペットの供養については、こちらの記事で詳しく紹介しています。よろしければ参考にしてください。
◆ペットのお墓や供養の方法は何種類あるの?選び方は?
遺骨や分骨に関する疑問
遺骨アクセサリーに遺骨を納めるタイミングや許可書についての疑問に次のようなものがあります。
- 分骨証明書の取得は必要?
- お墓に納骨が終わったあとでも可能?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
分骨証明書の取得は必要?
遺骨アクセサリーへ遺骨を納めるために分骨証明書は不要と言われています。分骨とは、故人の遺骨を2か所以上に分けて埋葬や供養することを指します。その点、遺骨アクセサリーは埋葬に当たらないため、分骨証明書が不要といえます。もし分骨証明書が必要な場合は、火葬されたときに火葬場で発行してもらうのが一般的です。
納骨が終わったあとでも分骨は可能?
すでに埋葬されている場合でも、分骨は可能です。墓地の管理者に許可を取り、分骨証明書を発行してもらいましょう。分骨証明書は納骨の前であれば火葬場や自治体窓口で発行されますが、納骨後は墓地の管理者が発行します。
分骨の手順や手続きについては、こちらの記事に詳しく紹介しています。よろしければ参考にしてください。
◆手続きが必要?分骨の手順や手続きとは
まとめ
遺骨アクセサリーは、身に付けられるアクセサリーに遺骨を納めることにより、故人を身近に感じる効果があります。ただし、遺骨アクセサリーを納骨しての供養と同レベルに考えるのには賛否両論あります。やはり、遺骨アクセサリーは追加の供養としてとらえ、ご先祖さまや故人が安らかに眠れる場所であるお墓を大切にしたいものです。遺骨アクセサリーをきっかけに、故人やご先祖様が眠るお墓についても考えてみませんか。