納骨の場所、色々選べる納骨の種類や方法

なかなか知る機会が無い、納骨の種類や方法について解説します。
火葬をした後のご遺骨は、しばらくの間は自宅で安置し、その後お墓などに納めるのが一般的です。こうしてお墓などにご遺骨を納めることを納骨といいます。納骨にはいくつかの方法があり、宗教や地域、お墓のタイプにより異なります。この章では納骨について解説していきます。

納骨をする場所

日本では、お墓を建ててご遺骨を納める方法が一般的ですが、近年は様々なタイプの納骨場所が用意されており、自由に選ぶことができます。それぞれの納骨場所について、メリット・デメリットを紹介していきます。

墓地・霊園

最も一般的な納骨場所は、墓地や霊園です。墓地や霊園の中に土地を購入してお墓を建て、そこに納骨します。寺院の中にある墓地や、公営または民営の霊園などがあります。寺院の墓地では、法要などを執り行いやすいというメリットがあります。公営や民営の霊園では、宗派を問わず利用できるところが多く、特に最近の新しい霊園はサービスや環境が良く人気があります。ただし、だれもが望むような立地の墓地やゆき届いた施設のある霊園にお墓を建てるには相応の費用がかかってしまうというデメリットもあります。

納骨堂

納骨堂は屋内のロッカーのような場所に骨壷を保管する仕組みになっています。納骨堂に骨を納める場合は墓地や墓石の購入が必要ないため、費用を抑えることができるというのが大きなメリットといえるでしょう。納骨堂は交通の便の良い場所に多く、屋内のため、雨でも行ける点もとても便利です。お墓の掃除や草むしりなどが必要なく管理が簡単です。一定期間を経過すると骨壷から遺骨を取り出して永代供養墓にうつしてもらえるところが多いため、墓守の心配をする必要がないという点もポイントになるでしょう。しかし逆に、自動的に永代供養墓にうつされてしまうなど自由が効かない点や、お墓を移されてしまった後はご遺骨を取り出すことができなくなってしまうといったデメリットもあります。

合祀墓(ごうしぼ)・合葬墓(がっそうぼ)

近年、利用者が増えている永代供養墓は、合祀墓(ごうしぼ)・合葬墓(がっそうぼ)と呼ばれます。
永代供養墓を共同利用する形式をとっており、家族や親族間ではなく、見ず知らずの複数の人達のご遺骨と一緒に埋葬されます。合祀墓(ごうしぼ)・合葬墓(がっそうぼ)は価格が安いことが特徴ですが、すでに祀られている他の方のご遺骨と混ざり合うため、一度、合祀すると特定の人のお骨だけ取り出すことは出来ないというデメリットもあります。

樹木葬

樹木葬とは、樹木の植えられた専用の墓地に遺骨を埋め、墓石の代わりに樹木を墓標とする方法です。自然に還りたいという方に人気があり、墓石を必要としないので、お墓を建てて納骨するよりも費用が安くすむというメリットがあります。デメリットを挙げるとすると、後からご遺骨を取り出せないことや、郊外にあることが多いため交通の便がよくない場合があることなどが挙げられるでしょう。

お墓のどこに納骨するの？

ご遺骨はお墓の下に埋めるというイメージをお持ちの方は多いと思いますが、具体的にお墓のどこに納骨されるのかはご存知でしょうか。お墓の中のご遺骨を安置する場所はカロートと呼ばれています。関東と関西ではお墓のつくりが違い、納骨されているカロートの場所や構造も異なります。
そもそも関東と関西では収骨（火葬が終わったあとの骨上げのこと）の時点で違いがあります。関東を含む東日本全域では全収骨と言われる、すべての遺骨を骨壷に収める収骨方式が一般的です。関西を含む西日本では部分収骨と言われる、のど仏など主要なお骨を少しだけ収骨する方式が一般的とされています。

このような地域差を背景としたお墓の違いである関東式カロート、関西式カロートについてそれぞれ紹介していきます。

関東式カロート

関東式カロートは、お墓の下に広いスペースで用意されています。骨壷のまま納骨することを前提に作られており、拝石というしっかりとした石が蓋になっています。納骨をする際には、石屋さんが拝石を開けて納骨をしてくれます。

関西式カロート

関西式カロートは関東式に比べて小さいのが特徴です。中央部分の水鉢や供物台と呼ばれる石を動かすと納骨をする穴があるので、そこからご遺骨を納めます。関西では小さな骨壷や、さらしの納骨袋に包んで納骨することが多く、関東式カロートに比べるとカロートのサイズが少し小さめです。

納骨式の手順

納骨は、具体的にどのようにして進めていくのでしょうか。納骨式当日までの一般的な手順を解説します。

１，日程を決める

親族が集まれるよう、相談をして日程と時間を決めましょう。

２，石材店へ戒名の彫刻を依頼

彫刻には日数が必要です。どれくらいの日数が必要かは石材店によって異なりますので、できるだけ余裕を持って依頼をしましょう。

３，遺骨埋葬許可証の手配

遺骨を埋葬するためには、遺骨埋葬許可証を取得する必要があります。火葬をした際の火葬許可証に押印されたものが埋葬許可証になっているので、大切に保管しておきましょう。なお、場合によっては火葬場の係員が骨壷を納める箱の中に入れている場合もあります。見当たらない場合は確認してみましょう。

４，参列者への日程連絡

親族以外に、生前親しかった友人など参列される方がいる場合は、確定した日程を連絡します。誰を呼ぶかということには決まりはありませんので、故人から指定があればその通りに進めましょう。

５，お供え物などの手配

お墓に並べるためのお供え物を手配します。また、納骨式後に食事の場を設ける場合は、場所の確保や料理の注文も必要です。四十九日法要などと一緒に行うのであればお布施も必要なので、忘れずに準備をしておきましょう。

納骨できる場所や種類、方法などについてお伝えしました。はじめての場合はわからない点も多く、どのような方法が良いのか、悩んでしまうこともあるでしょう。上記を参考に故人をきちんと弔い、後々の不便などが起きないようにしましょう。