お役立ちコラム お墓の色々

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納骨棺(カロート)とは?由来や特徴について解説します

墓地・墓石コラム

納骨棺(カロート)とは?由来や特徴について解説します

お墓には、納骨するための空間である納骨棺が設置されています。この納骨棺のことを「カロート」とも呼びますが、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。

今回は、納骨棺である「カロート」について由来や特徴、種類や設置場所など詳しく解説します。分かりやすく説明しますので、よろしければ最後までお読みください。

カロートって何?由来は?

納骨するための空間である「カロート」はお墓を建てる際に重要なパーツの1つです。

ここでは、カロートの役目や由来について解説します。

カロートの役目

納骨棺(カロート)は名前の通り、遺骨を安置するための場所です。地域によってその構造は異なりますが、遺骨を守るカロートを一番に設け、カロートを基盤としてその上にお墓が建てられます。

カロートの由来

カロートは中国から伝わった棺桶のような箱である「唐櫃(からびつ/からひつ)」が由来で、遺骨を納めるための「屍櫃(からうと/かろうと)」と変化したのち、その読み方から「カロート」になったといわれています。

昔は土にそのまま遺体を埋葬する土葬が一般的だったためカロートは不要でした。しかし、衛生面の問題で火葬が採用されるようになるとともに、骨壺を安置するための空間であるカロートも必要になりました。

また、江戸時代の国民全員を仏教徒にする「寺請制度」や明治時代に制定された戸主と家族を1つの家に所属させる「家制度」によって、個人墓から家族がともに入るための家墓に移行したことも背景にあります。

納骨に関して詳しく解説している記事があるので、こちらも合わせてお読みください。
そもそも納骨をすることの意義や理由とは

カロートの種類や設置場所

お墓に設置される納骨棺(カロート)には2種類の形式があります。1つは、お墓の下に設置したカロートに納骨する地下カロートタイプ、もう1つは地上にあるカロートに納骨するタイプです。

以下でそれぞれ詳しく解説します。

地下カロート

地下カロートとは墓石の下の地面に穴を掘って作ったカロートであり、入り口を水鉢や拝石によって塞いでいるものです。

また、ほとんどの場合は底の一部分または全面が土になっており、遺骨を自然に還すことができるという特徴があります。

地上カロート

地面の上に石材で箱型のカロートを作り、その上に墓石が乗っているのが地上カロートです。地上カロートのほかに、丘カロートとも呼ばれます。

また、地上カロートは扉がついているものが多いため納骨がしやすいことや、カロート内に水が溜まりにくいという特徴があります。

以下の記事で納骨の場所や方法などを解説しているので、気になる方はお読みください。
納骨の場所、色々選べる納骨の種類や方法

カロート内部の作りはどうなっているの?

カロートは四方を石材で囲み、底面はほとんどの場合、一部分または全体が土のままです。土のままにしておくのは遺骨を骨壺から出してカロート内に安置することで、自然に還すという意味があります。

昔のカロートはコンクリートが採用される場合もありましたが、現在のカロートは石材が使用されることがほとんどです。

また、地域によってはカロート内部に遺骨を多数収容するために2段式や3段式の棚があるお墓もあり、広さも異なります。

以上のように、カロートの内部といっても地域やお墓によって広さや構造も異なっています。

カロート内へ遺骨を納骨する際はどのような状態?骨壺のまま納骨するの?

基本的には、以下の3種類の形式で納骨する場合が多いです。

・骨壺のまま納骨
・納骨袋や小さめの骨壺などに遺骨を入れて納骨
・骨壺から遺骨を取り出してカロート内の土に還す

それぞれ詳しく解説します。

骨壺のまま納骨

広いスペースがあるカロートでは、骨壺のまま納骨することもあります。しかし、全骨収納であれば遺骨は4〜5体ほどしか納骨できないため、いずれスペースを確保するために古いものから土に還すなどの対策が必要です。

納骨袋や小さめの骨壺に遺骨を入れて納骨

小さめのカロートはスペースを有効利用するために納骨袋や小さめの骨壺に遺骨を入れてから納骨することが多いです。また、広いスペースがあるカロートでも、納骨できるスペースがなくなってきた場合は納骨袋や小さめの骨壺を利用することもあります。

骨壺から遺骨を取り出してカロート内の土に還す

カロートの底を土にしている場合、遺骨を骨壺から取り出して直接土に触れさせ、分解を促して土に還すこともできます。

新たに遺骨を納骨する前にカロートの内部を確認しましょう

カロートへ新たに納骨する場合は、内部にトラブルがないかを事前に確認したほうがよいかもしれません。

しかし、構造にもよりますが天然の石であるカロートの蓋は重いため、開閉にはコツや相当な力が必要です。慣れていない方が行うとケガや墓石が欠けるなどの原因になります。

カロート内部の確認をしたり新たに納骨したりする際は、墓石を建ててもらった石材店に依頼するのがよいでしょう。

もし、カロート内部に新たに納骨できるスペースがない場合は、古い遺骨を土に還して場所を空けるか、粉骨処理を行い、小さな骨壺に移すなどの対処をする必要があります。

以下の記事でカロート内のスペースを空ける方法を解説していますので、合わせてお読みください。
お墓に骨壷が入らない?カロートが一杯になったときどうするか解説

まとめ

遺骨を納めるための空間である納骨棺はカロートと呼ばれ、お墓に設置されています。

カロートの大きさによっては安置できる遺骨の数は限られており、古い遺骨は土に還すか粉骨するなどの処理が必要になります。新たに納骨をする予定がある場合は、スペースが空いているか事前に確認しましょう。

また、カロートの開閉は扉の開け閉めで済む場合を除き、石材店に依頼するのが無難です。

もし、お墓を建ててもらった石材店を忘れてしまった方や、分からない場合はこちらで全国の石材店をお探しになれます。
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