お役立ちコラム お墓の色々

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- 供養をきわめる -

お彼岸に供える花の選び方 菊じゃなくても大丈夫

供養・埋葬・風習コラム

お彼岸に供える花の選び方 菊じゃなくても大丈夫

お彼岸のお墓参りに欠かせない花。毎回なんとなく菊を供えている方も、どんな花を供えればいいかわからない方も、故人が喜ぶような花をあらためて選んでみませんか?生前の姿を想い返す良いきっかけにもなるはずです。

なぜお彼岸に花を飾るのか

土葬の時代では、野生動物からお墓を守る、遺体の腐敗を遅らせるなどの目的で、薬効のある花が供えられていました。現代の「供養のために花を使う習慣」は、お釈迦様が修業時代に出会った仏様に花を供えた逸話が由来と言われています。花を供えることは昔から続く仏事なのです。きれいに花の供えられたお墓を拝むことで、私たちの心も洗われます。故人にも、私たちにも、お墓に花を供える行為は大切なことです。

お彼岸に供えるべきでない花

お彼岸に供える花に「この花でなければダメ」というルールはありません。ただし、以下のような花を供えることは避けられています。

トゲのある植物

バラやアザミのような、トゲのある植物は向いていません。攻撃性のあるトゲを墓前に供えるのは失礼と考えられています。また、持ち運ぶ際にケガをしてしまう可能性もあります。墓前で血を流すのは縁起が悪いですよね。墓地の管理者が後片付けをしてくれる時にも、手を煩わせてしまうので控えましょう。

ツルのある植物

アサガオのようなツル状の植物もお墓に供えるのは向いていません。ツル上の植物の絡みつくように生える姿が「成仏できない」姿を連想させると考えられています。また、茎がしっかりしていないので、花立にもきれいに収まりにくいです。

毒のある植物

彼岸花やスズランなど、毒のある植物も避けましょう。植物の中には、花粉や茎からでる汁に毒性を持つものがあります。「子供じゃないんだから間違って食べたりしない」と油断するのは危険です。お墓参りには親戚の方もいらっしゃいます。小さな子供がお墓に近づく可能性も考慮し、毒のある植物は選ばないようにしてください。

ただし、故人が好きだった花を供えることは良いこととされています。上記の植物の中でも、故人のお気に入りの花であればお供えしても失礼ではありません。ご親戚の理解が得られれば、これらの花を供えることもできです。

お彼岸におすすめの花

故人の好きな花がわからないこともあるでしょう。その場合は、以下のような花がおすすめです。

代表的な仏花である菊は、日持ちするので適しています。他にも、花弁が散らかりにくい、虫がつきにくいなどの特徴があります。邪気を払う効果があるとも言われており、お墓にふさわしい花です。

百合

大きな花が特徴的な白百合は、お墓の厳粛な雰囲気を引き立てます。ただし、花粉がお墓にこびりついてしまう可能性があるので、花粉を取り除いたものをお供えしましょう。

カーネーション

母の日でおなじみのカーネーションも、長持ちするお花の代表です。お墓に優しげな雰囲気をもたらしてくれます。お墓に供える場合、赤よりも白や淡い色のカーネーションがおすすめです。

春・秋のお彼岸には季節の花を供えるのも良いでしょう。春のお彼岸ではマーガレット、キンセンカ、牡丹、秋のお彼岸ではリンドウ、グラジオラス、センニチコウなどがあります。

お墓に供える際の注意点

故人が喜ぶようなお花を選んだら、供え方にも工夫をしましょう。

奇数の花を2束用意する

お墓に供える花は奇数が良いと言われています。3本か5本、または7本の花束を、両方の花立に飾るので、2束必要になります。

花は自分に向けて飾る

花はお参りする自分に向けて飾ります。これは花を見て自分の気持ちを落ち着かせ、心穏やかに故人を偲ぶためです。また、いずれ枯れゆく花を通して、命のはかなさや大切さを、故人から教わっていると考えられています。

花を長持ちさせる方法

きれいな状態をなるべく長く保つには、毎日水を変えるのが一番ですが、それほど頻繁にお墓に通える方は多くないと思います。その場合、花立に差し込む際に工夫が必要です。
まず、花立はきれいなものを使いましょう。ぬめりが出ていたり汚れているものは、水が腐ってしまい、枯れるのが早まります。次に、茎を長めに残して、葉や花が水に触れないようにしてください。葉や花が水に触れているとそこから腐っていきます。最後に、風で吹き飛ばないように、しっかりと詰められていることを確認してください。

枯れてしまったらなるべく早く片付ける

枯れてしまった花は虫がついたり、お墓を汚したりする可能性があるので、なるべく早く片付けたほうが良いでしょう。遠方から来ている場合などお墓になかなか通えない方は、参拝後にお花を持ち帰るのも一つの手です。故人のために置いておきたい気持ちはよくわかりますが、思い切って持ち帰ってしまったほうが、お墓を汚さずに済みます。また、墓地の管理者にお願いするとお彼岸の終わる頃に片付けてくれるかもしれません。相談してみてください。

故人のために選ぶことが大切

お彼岸の花選びに絶対はありません。故人のために良いと思ったものを供えましょう。ただし、ご親戚の中には、マナーや常識を重んじる方がいるかもしれません。その場合、あなたがどれだけ故人のことを考えてその花を選んだのか、理解してもらうことも必要でしょう。
生前の姿とその花の思い出を振り返りながら、良いお彼岸をお過ごしください。