お役立ちコラム お墓の色々

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お墓の「花立」とは?役割・種類・お手入れ方法をご紹介します

墓地・墓石コラム

お墓の「花立」とは?役割・種類・お手入れ方法をご紹介します

お墓に花をお供えするために使用する入れ物の名前をご存知でしょうか。

今回は、花をお供えするために何気なく使っている入れ物「花立」の役割や種類、お手入れ方法についてご紹介します。「花立」の交換を検討中の方やお手入れ方法を知りたい方などは、ぜひ参考にしてください。

なぜお墓に「花立」が必要なの?

現代のお墓では、花をお供えする際に墓石の花立部分へ直接生けることはありません。一般的に、お墓を彩ったり花を長持ちさせたりする役目や、掃除をしやすくするために花の入れ物となる「花立」を設置します。

正式には、花をお供えする入れ物を「花筒(はなづつ)」といい、花筒を設置する墓石の部分が「花立」です。しかし、一般的には花筒も花立と呼ばれることが多いため、本記事では花筒のことを「花立」として記述します。

そもそも、お墓に花立が必要な理由は、故人に花を供える必要があるからです。お墓に花を供えるのは、仏教の一般的な考え方である「五供(ごく、ごくう)」に基づいています。五供とは、お墓やお仏壇に供える5つのお供え物のことで「香」「花」「灯燭(とうしょく)」「浄水」「飲食(おんじき)」を指します。

花は文字通り、五供のなかで「花」のことです。また、お供えする花を「供花」といいます。

仏教的な側面以外にも、情緒的な美しさにより供養の気持ちを象徴することや、生命力の象徴である花を添えることで故人の新生・成仏・転生を願う心を表す役割があります。また、現在のように火葬が普及する前の時代は、植物の薬効成分により遺体の腐敗を遅らせたり、墓地を荒らす動物を遠ざけたりする役割がありました。

以上のように故人へお供えするものの1つとして、花は大事な役割があります。「花立」も供花を彩ったり、長持ちさせたりする役割があり、お墓の重要なパーツの1つです。

供花については下記の記事で詳しく解説しているので、あわせてお読みください。
お盆のお墓参りで避けた方がいい花5選
なぜ?お墓に花を供える理由とは?

「花立」は墓石への設置方法によって異なるので注意が必要

「花立」の設置方法は複数あります。いざ「花立」を購入しても墓石に設置できない可能性もあります。まずは設置できるタイプやサイズを調べてから、お手入れのしやすさや、お好みのデザインによって選ぶとよいでしょう。

以下で「花立」の設置方法を3種類、特徴と共にご紹介します。墓石に設置できる「花立」のタイプをあわせて確認してみましょう。

ネジ式

金属やプラスチックの台座を墓石に固定し、そこへネジ式の「花立」を設置するタイプです。取り外せるため、お手入れが楽です。しかし、金属やプラスチックが傷むとネジ部分が折れてしまうデメリットがあります。

落とし込み式

墓石に開けられた花立部分の穴に、すっぽりと収まる形の「花立」です。つばがついているタイプと、表面にほとんど出ないタイプがあります。簡単に取り外せるため、お手入れしやすいのがメリットです。つば付きのタイプはサイズやデザインによってお墓を彩ってくれるため、華やかさが欲しい方は選ぶとよいでしょう。

接着式

接着剤によって「花立」を墓石へ固定できるタイプです。設置するには専用の接着剤や道具が必要です。取り外してお手入れはできませんが、固定できるため、ずれたり折れたりすることはありません。ただし、傷むことがあるため、交換する際は石材店に依頼する必要があります。

お墓に設置する素材別「花立」の種類

「花立」は設置方法だけでなく、使用されている素材によっても分けられます。

以下で「花立」を素材別に6種類、特徴と共にご紹介します。

ステンレス

サビにくく手入れが楽なのがメリットです。丈夫で比較的安価なため、現代のお墓で採用されることが多い素材です。

アルミ合金

昔は陶器よりも衝撃に強く、丈夫だったため好まれていました。しかし、現在はステンレスが一般的になり、アルミ合金はサビやすいため、あまり見かけなくなりました。

プラスチック

安価で手に入れられます。風雨にさらされるため、劣化しやすいです。頻繁に交換するのを前提に使用するのがよいでしょう。

陶器

温かみがあり、色彩や形の種類も豊かなのでお墓を華やかに彩ってくれます。ただし、割れやすいため扱いに注意が必要です。

銅による殺菌効果で水が腐りにくく、花が長持ちするメリットがあります。経年によって色味が変化するのも楽しめます。

墓石に固定せず花立代わりに使用できるもの

墓石に設置する必要のある「花立」は、設置場所がないお墓の場合は使用できません。

そこで、設置場所を選ばず花立の代用ができるものを紹介します。必要な方は、ぜひ参考にしてください。

地刺し

土に差し込んで簡単に設置できるタイプです。陶器製やプラスチック製、ステンレス製など、さまざまな種類があります。設置費用がかからず、気軽に交換できるのがメリットです。

置き型

墓前に置くだけで簡単に設置できます。大きさやデザインをお墓の設置場所に合わせる必要がないため好みに応じて選べ、交換や掃除が容易です。ただし、固定していないため落下しないように注意しましょう。

お墓参りの際は「花立」のお手入れもしましょう

「花立」は水を入れるため、藻やコケ、サビなどによって汚れやすいパーツです。お墓参りの際は念入りにお手入れを行いましょう。

お手入れをする際は、可能なら「花立」を取り外して行いましょう。また、底まで届く柄の長いブラシや花筒専用の掃除道具を使って掃除するのがおすすめです。取り外せない場合は、「花立」に新鮮な水を注いでそのままブラシで磨きましょう。

もし、金属製の「花立」がサビている場合は、サビ取りなどを使用して磨くのがおすすめです。陶器やプラスチック製でも水分によって藻やコケ、カビが生えているかもしれません。中を確認して、汚れをスポンジでしっかり落としましょう。

「花立」が綺麗になったら中身を新鮮な水と交換し、花をお供えしてください。

「花立」以外のお手入れ方法については、こちらの記事で紹介しています。あわせてご確認いただけますと幸いです。
お墓のお掃除 総まとめ!— 年末はお墓も大掃除 —

「花立」を購入する方法

もし「花立」のサビが酷い場合や傷みが激しい場合は、交換をする必要があります。

以下で3通りの購入方法を紹介します。それぞれメリット・デメリットがありますので、交換する際は参考にしてください。

石材店

「花立」を交換したい場合は、お墓を建てた石材店へ相談する方法があります。

石材店は正確なサイズの測定を行い、お墓に合った「花立」を見繕ってくれます。また、お墓に出向いて「花立」の台座固定まで行ってもらえるでしょう。もし、「花立」以外で気になることがある場合も気軽に相談できます。

「花立」のサイズ選びや設置に不安がある方は石材店に依頼するのがおすすめです。

ホームセンター

石材店より気軽に「花立」をお求めいただけます。しかし、サイズ確認や台座固定は自分で行う必要があります。また、「花立」以外に問題があった場合も自分で対処しなければいけません。

インターネット

種類は非常に豊富で、ご希望のデザインやサイズの「花立」を選びやすいでしょう。しかし、実物と写真が異なる場合があるかもしれません。また、対面で相談できないため、「花立」設置の際に問題や疑問があった場合でもすべて自力で解決する必要があります。

「花立」の種類を確認してお墓に合ったデザインを選びましょう

花立は花をお供えする場所です。供花は供養の気持ちを象徴することや、生命力の象徴である花を添えることで故人の新生・成仏・転生を願う心を表す役割もあり、お墓に欠かせない存在といえます。そのような供花を彩ったり長持ちさせるために、「花立」も重要なパーツの1つです。

「花立」には設置方法や素材、デザインなどが異なる、さまざまな種類があります。お好みによって豪華なデザインから、墓石と一体になるようなシンプルなデザインまでお選びいただけます。お手入れのしやすさも種類によって異なるので、ご希望に応じて選ぶとよいでしょう。

また、「花立」は花や水を入れるため、傷みやすいパーツでもあります。お墓参りの際はお手入れを念入りに行い、傷みがある場合は早めに対処する必要があります。

「花立」が傷んでいた際は、新品に交換したほうがよいでしょう。「花立」は石材店やホームセンター、インターネットでお求めいただけます。それぞれメリットやデメリットがあるため、自分に合った方法を選びましょう。

もし、「花立」以外でお墓に気になる所がある場合は、お墓を建てた石材店に相談しましょう。しかし、承継したため相談する石材店や購入店舗が分からない方や、忘れてしまった方、他店に依頼したい方もいらっしゃるのではないでしょうか。こちらからお近くの石材店をお探しいただけますので、ぜひご活用ください。
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