お役立ちコラム お墓の色々

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- 供養をきわめる -

後悔しないための霊園・墓地探し5つのポイント

墓地・墓石コラム

後悔しないための霊園・墓地探し5つのポイント

霊園・墓地を探す際、お墓の価格・費用はどなたも気にされると思いますが、その他にも押さえておくべきポイントがあります。中にはつい見落としがちなものもありますので、ぜひご参考にしてください。

ポイント1 宗教・宗旨・宗派

霊園・墓地によって、宗旨や宗派に制限がある場合があります。
一部の寺院墓地等では、宗教・宗派によって受け入れてもらえないこともあるので、事前に確認が必須です。
また、自分が宗教にあまり関心のない場合や特別にこだわりがある場合でも、他の方の意見は違うかもしれません。宗旨・宗派については、承継者はもちろん、親族も含めしっかり話しあったほうが良いでしょう。

宗教不問 または 宗教自由

宗教についての制限がまったくなく、仏教・神道・キリスト教はもちろん、その他の宗教や無宗教の人でも使用することができます。
すべての公営霊園は信教の自由の原則から宗教自由となっています。また、民営霊園も大半は宗教自由となっています。

宗旨・宗派不問

本来は「仏教であればどの宗派でもよい」という意味ですが、実際には霊園によって下記のように異なる意味で使われていることもあるので注意が必要です。

①「宗教不問・宗教自由」の意味で「宗旨・宗派不問」と表記しているケース

②在来仏教に限定されているケース
在来仏教とは江戸時代以前から続いている宗派のことで、「天台宗」「真言宗」「浄土宗」「浄土真宗」「時宗」「融通念仏宗」「臨済宗」「曹洞宗」「黄檗宗」「日蓮宗」「律宗」「法相宗」「華厳宗」の十三宗を指し、それ以外の宗派・教団については仏教であっても使用できません。ただし、神道のお墓については許可している場合があります。

③過去の宗教(宗旨宗派)は問わない
「過去の宗旨・宗派(あるいは宗教)は問わないが、お墓を建てた後はその寺院の宗旨に従って法要や供養を行う」という意味です。
寺院墓地で「宗旨・宗派不問」を標榜している場合は、「過去の」という表記がなくても、お墓を建ててからはその寺院の宗旨に則って法要や供養を行う必要があることが多いです。

※改宗不要でも注意が必要

お寺の境内墓地の一画を民営霊園としている場合、「宗旨宗派不問」かつ改宗不要であっても、法要などに制限が設けられていることがあります。多いケースは、改宗不要で、他寺院の檀家であってもよいが、墓地内での法要については管理している寺院で行うというものです。チラシなどの情報だけではわからないことが多いので、墓地を購入する前に管理者などにきちんと確認しておきましょう。

ポイント2 立地(交通アクセス)

近年、核家族化や都市部への人口集中といったライフスタイルの変化により、家墓のある場所が遠方になり、定期的にお墓参りに通うことが困難になりつつあります。また少子高齢化の影響でお墓を承継していた方が高齢となり、墓地霊園まで足を運ぶ事が難しくなりお墓参りを続けられなくなる方も増えてきています。

お盆・お彼岸をはじめ、お墓参りをできるだけ多く行えるよう、そして、年を重ねる先々のことを考えて、できるだけ交通の便・アクセスのしやすい立地の方が理想的でしょう。
初回の現地見学の際などに霊園送迎サービスがある場合でも、実際の立地やアクセスを体感するため、あえて公共交通機関などを利用することもひとつの手です。

ポイント3 霊園・墓地内の環境/周辺環境

風通し

風通しが良いと湿気がこもらず、お墓の手入れもしやすくなります。逆に湿気はお墓を早く傷める原因となります。

水はけ・地盤

水はけが悪いと、地下部の納骨棺(カロート)に影響を及ぼすこともあります。
また土地や区画によって地盤がゆるい所や、水が溜まりやすいところがないか確認しましょう。

樹木の有無

樹木の根が墓域まで及んで地盤が隆起することもあります。
また、落葉樹の下は清掃の負担が多くなることが想定されます。

最も大切なことは見学をすることです。実際にお墓参りに行ってみて気持ちが明るくなる環境かどうかが一番重要です。お墓参りが楽しくて、家族が毎回集まりたくなるような墓地・霊園を選べると良いですね。そのためにはご家族そろって見学に行ってみることをお勧めします。

ポイント4 施設・設備

管理事務所/売店の有無

駐車場の有無

街の中心部にある墓地では、お墓参り用の駐車スペースがない場合がありますので、事前に確認しておきましょう。駐車場がある場合は、広さや場所、料金などを見ておきましょう。

法要施設(本堂・礼拝堂)

寺院墓地では本堂がほぼ100%ありますが、民営・公営霊園ではまちまちです。

バリアフリー

お年寄りや車椅子の方でも無理なくお参りできる墓地も増えてきています。

水道施設

お墓を手入れする際には欠かせない水回り。近くにあった方が便利です。

ポイント5 管理

管理事務所がなく、管理人も常駐していない霊園・墓地もあります。備品も置かない所もありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
なお、管理の形態は大きく3つにわけられます。

1.民営霊園

宗教法人や社団法人などが運営する民間の霊園墓地 です。
墓石の材質やお墓のデザインが比較的自由にでき、幅広い供養形態を網羅しています。
法要施設や会食施設、売店などが充実しています。しかし、費用が比較的高い場合が多く、アクセスに時間のかかる郊外に多いというのも注意点です。また指定石材店制度があるところでは石材店を自由に選べない点もデメリットです。

2.公営霊園

自治体が運営する霊園墓地です。
費用が比較的安価であること、宗教を問われないこと、一般的に指定石材店制度がないことが特徴です。
一方で、申し込みの抽選倍率が高い、希望の区画を選べない自治体が多い、基本的に生前申し込み出来ない、といったデメリットがあります。

3.寺院墓地

お寺が運営する霊園墓地です。僧侶がいて供養が手厚く、長年地域に根差しているので安心感があります。また市内にある事が多くアクセスも良いです。基本的にはその寺院の檀家にならなければ利用できませんが、最近では宗旨・宗派不問も増えてきましたので、事前に寺院に確認してみるとよいでしょう。

霊園・墓地探しに後悔しないために、なるべく多くの情報を集めて、比較・検討しましょう。実際に現地に足を運び、自分の目で確かめることも大切です。何度も来園したくなるところが最も良い墓地・霊園だと思います。また、未来の姿を想像することも必要です。しっかりご家族・親族の間で話し合い、不明な点は石材店をはじめとする専門家に確認して、悔いのない選択をしましょう。