お役立ちコラム お墓の色々

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【2021】秋のお彼岸で注意すべきこと

供養・埋葬・風習コラム

【2021】秋のお彼岸で注意すべきこと

コロナウィルス流行後、2度目の秋となりました。秋と言えばお彼岸、つまりお墓参りの時期です。リモートワークや外出自粛など、私たちの生活に大きな変化をもたらしたコロナウィルス。2度目の秋のお彼岸を迎えて私たちはどのようにお墓参りに行けばよいのでしょうか?
本項では、2021年秋のお墓参りの注意点をご紹介いたします。屋外での活動が中心となるお墓参りは、そもそもが「三密の状況が少ない比較的感染リスクの低い活動」です。あらためてツボを押さえて、安心してお墓参りに向かいましょう。

「2021年秋のお彼岸」お墓参りの注意点

お墓参りは感染リスクの低い活動ですが、強いて言うならば、多世代の方が集う可能性の高い場であることが、リスクとして挙げられます。たとえば、20代の孫と70代の祖父祖母が一堂に会することも往々にしてあるでしょう。つまり、感染する機会の多い活動的な若者と、重症化リスクの高い高齢者が混在する場は、高齢者にとってリスクを孕んでいるということです。
しかし、2021年秋のお彼岸の場合、2020年よりもこのリスクは軽減されていると想定できます。8月末日時点で、全人口の約45%がワクチンの接種を済ませているからです。ご存じの通り、このワクチンには感染後の発症率を下げ、重症化するリスクを抑える効果があります。高齢者から優先してワクチンの接種が行われていますので、若者と高齢者が同席しても、命に関わるような事態にまで悪化する確率は低くなっているでしょう。つまり、2020年よりもお墓参りに集まりやすい状況になったと言えます。
ただし、ワクチンを接種したからと言って100%発症しないわけではありません。マスクの着装や手指の消毒、ソーシャル・ディスタンスなどの基本的な感染予防対策は必ず行ってください。
また、東京・神奈川といった都市圏では、救急車を呼んでも搬送先の病院が見つからない状況、いわゆる、「医療崩壊」といった現状も見受けられます。高齢者や深刻な持病のある方は都市圏へのお墓参りにはご注意ください。体調を整えて、不安なようなら見送ることも必要です。逆に、都市圏から地方へお墓参りに出掛ける場合は、コロナウィルスを自分が持ち込まないように注意が必要です。いずれにしろ基本的な感染対策は欠かせません。

その他、2021年の秋のお墓参りで注意すべきこと…

食事をとるお店

墓地周辺のなじみの飲食店が休業または閉店していたりするかもしれません。事前に調べておきましょう。

お彼岸法要などのお寺の行事

中止または今年は開催しないかもしれません。こちらも事前に調べておきましょう。

参加者間の温度差

例年参加していた方でも感染を気にして不参加の方がいるかもしれませんが、無理に誘うのは避けましょう。

お墓参りに行かないと、どんな問題が起こるのか?

感染対策として昨年のお墓参りを控えた方もいらっしゃるかと思います。もしお墓参りにしばらく行かなかった場合、どんな問題が起きるのでしょうか?お墓参りに行くべきか、判断がつかず迷っている方の参考になれば幸いです。

1.お墓が汚れる

お墓参りに訪れる機会が少なくなると、「雑草に覆われてしまう」「鳥の糞が付着している」「落ち葉が散乱している」といった、お墓に日常的に発生している汚れを掃除できません。
こうした汚れは放置すると墓石のシミや風化が進む原因になる可能性がありますので、できればきちんと落としておきたいものです。

2.お墓の異変に気づけない

2021年は雨が多い夏でした。豪雨によって、静岡県熱海市で大規模な土砂崩れが起きたのも記憶に新しいと思います。土砂崩れとはいかないまでも、もしかしたらあなたの家のお墓にも異変が起きているかもしれません。お墓参りはお参りやお掃除だけでなく、お墓の異変が起きていないか、見回りする機会でもあるのです。

ただし、こうしたお手入れは、必ずしもご自身が行かずとも、お墓の近くにお住まいのご親戚の方や実家、お墓参り代行業者にお願いできるかもしれません。また、感染リスクが気になって実家の方では「今は帰ってきてほしくない」と思っているかもしれません。このような場合は無理に行かないほうがいいでしょう。
「お墓の手入れを誰かに頼むという選択肢もある」ということを覚えておきましょう。

お墓参り代行業についてはこちらの記事をご覧ください。
お墓参り代行業とは?

「秋のお彼岸」お墓参りの特徴

本項では、2021年に限らず、『秋のお墓参り』ならではの特徴をご紹介いたします。暑すぎず寒すぎずの気温でお墓参りの適期である一方、注意点もあります。秋のお墓参りを気持ちよく終えるためのポイントを、押さえておきましょう。

秋の花を供花に

お墓に供える花は、「トゲのあるもの」「毒のあるもの」「ツルのあるもの」を避ければ、基本的にはなんでも構いません。故人の好きな花をお供えしている方も多いと思いますが、「毎回ワンパターンでちょっと…」という方は、秋の花を供えてみてはいかでしょうか。リンドウ・グラジオラス・センニチコウ・ケイトウ・トルコギキョウなどがあります。お供えする花にバリエーションや季節感があれば、きっと故人もお喜びになるでしょう。

日の短さに注意

秋のお彼岸は秋分の日の前後3日間を指します。秋分の日が「昼と夜がほぼ同じ長さになる日」であることはご存じかと思いますが、実際には何時ごろから暗くなるのかご存じでしょうか?国立天文台の予測によると、2021年9月20日の東京の日没は17時41分です。一方、同じ東京の2021年8月20日の東京の日の入りは18時25分でした。一か月の間で44分も日没が早くなるのです。山間の墓地や曇りの日は、さらに早く暗くなります。夏場と同じ感覚だと危険です。暗くなる前にお墓参りを済ませられるように、余裕を持った計画を立てましょう。

気温差に注意

季節の変わり目である9月は、裏を返せば、夏の暑さ・冬の寒さが訪れる可能性もあります。例年、大体9月中旬〜下旬にかけて肌寒くなるという印象ですが、年によっては猛暑の日もありますし、半袖で過ごすには辛い寒さまで気温が下がることもあります。天気と気温をチェックして、脱ぎ着のできる服装で向かうと安心です。

万全の感染対策で秋のお墓参りへ

ここまでご覧いただいても「墓参りにいっても良いものか」を、まだ判断できない方もいらっしゃると思います。「県外への移動自粛」が相変わらず政府から警告されている状況ですし、未だに感染者数は増減を繰り返していますから判断に悩むのも仕方のないことでしょう。
お墓参りは、必ずしも火急の用事ではないかもしれませんが、ご自身のルーツと触れ合う貴重な機会です。また、ご家族の仲を深める場でもあり、「死」について見つめることで「生」を見直すきっかけにもなります。感染対策を万全にして、ぜひお墓参りにでかけていただければ幸いです。

故人を供養する行事に、なぜ「彼岸」という言葉が使われるかご存じですか?
こちらの記事で解説しています。
お彼岸にまつわるさまざまな由来を紹介します