お役立ちコラム お墓の色々

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お墓の保険とは?地震・台風・土砂崩れに備えて

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お墓の保険とは?地震・台風・土砂崩れに備えて

もともと地震の多い日本ですが、近年は台風や土砂崩れの被害も増えてきました。こうした天災で危険が及ぶのは、人命だけではありません。代々受け継いできたお墓が、大きな災害に直面する可能性もゼロではありません。
本項では、このような危機に備えた「お墓の保険」について、概要・適用範囲・利用の流れについて解説いたします。

お墓の保険とは

お墓の保険と言っても、基本的には、家財や人間の保険と同じようなものです。たとえば、地震や洪水などの天災が起きると、墓石が割れたり倒れたりすることがあります。石材店に依頼すれば修理は可能ですが、場合によっては新しいお墓を建てるのと同じくらい費用がかかることもあります。ご先祖様のためにも一刻も早く修理したいものですが、とはいえ、すぐに修理費用を捻出するのが難しい可能性もありますよね。このような事態に備えて、お墓の保険があります。月額で数千円を掛けることで、お墓が損壊した時には、あらかじめ設定した金額の範囲内(最大50万円くらいが多い)で補償を受けることができます。

お墓の保険の適用範囲

現在販売されている一般的なお墓の保険には、どのようなものがあるのでしょうか。本項では、その適用範囲について事例を交えながら紹介します。ただし、各保険によって多少違いがありますので、あくまで一例としてご覧ください。

お墓の保険が適用される損壊や倒壊は、主に以下のような事情によるものです。
・地震
・火山の噴火
・津波
・台風や暴風雨
・暴風による飛来物
・洪水
・土砂崩れ

いわゆる、「天災」「自然災害」に区分されるものが該当します。また、これらの災害によって「隣のお墓が倒壊し、自分の所有するお墓がそれに巻き込まれたとき」「自分のお墓が隣のお墓を巻き込んでしまったとき」でも適用可能なものが多いです。
適用条件以外は保険が適用されないのでご注意ください。たとえば、心無いイタズラの被害にあった場合、保険の適用条件が「災害を原因とした損壊」だったとしたら、保険は適用されません。加入する保険の適用条件は入念にチェックしましょう。

お墓の保険に加入するには?

どんなお墓でも保険に加入できるわけではありません。保険加入には、ある程度の耐震性能が必要になります。すでにあるお墓を保険に加入させる場合、以下のようなケースでは、まず保険会社による耐震性の調査が入ります。

・お墓が免震構造になっているかがわからない
・免震加工をしていない
・どの程度の震度に耐えられるのかわからない

また、新しくお墓を建てる場合も、保険加入には耐震性が条件となります。もし購入した石材店が保険代理店であれば、建墓と同時進行で加入できますので手間が少ないです。お墓を建てる際に保険加入を希望している旨を伝え、基準を満たす免震工事を施してもらいましょう。ただし、どの石材店でも保険加入できるわけではありませんので、事前に保険代理店であるかどうかの確認が必要です。

お墓の保険を利用する流れ

保険を掛けたお墓に万が一のことがあったときは、以下のような流れで保険を利用できます。いざという時に慌てないように、カンタンに確認しておきましょう。

①墓石の状況を確認する

墓石は、簡単に傾いたり倒れたりするものではありません。ただし、地震や台風などの災害の前では、絶対に安心というわけではありません。お墓のある墓地・霊園がこのような被害にあったときは、まず破損状況を確認しましょう。倒壊とまではいかなくとも、墓石や外柵のひび割れや墓石のズレ、欠けが発生している可能性もあります。次のステップでは、こうした異常を石材店に報告する必要がありますので、具体的に説明できるように、ひびや欠けの大きさを確認しておきましょう。写真を撮っておくのも良い方法です。もし大きく傾いたりしている場合は、早急な処置が必要になります。ご自身で傾きを直そうとするのは大変危険ですので、お控えください。

チェックの際にはこちらの記事をご参照いただくと便利です。
お墓参りの時に確認!お墓の点検チェックリスト

②石材店と保険会社に破損状況を報告

墓石に異常があったら、修理のために石材店と保険会社に連絡します。撮影した写真があれば持参し、状況をなるべく詳しく伝えましょう。連絡する石材店は、そのお墓を建ててくれたところで大丈夫です。

③工事発注

被害の程度により、修理または交換になります。石材店が現場を確認し、見積書を作成します。内容を確認して承諾すれば工事が始まります。大がかりな工事になると数十万円かかることもあります。保険に加入していると、こうした場合に安心です。

お墓の保険 まとめ

本記事をまとめますと、以下のようになります。
・お墓の保険とは、月々の掛け金で万が一の際に補償を受けられるもの
・お墓の保険の適用範囲は、主に災害によるもの
・お墓の保険に加入するには、ある程度の耐震性が必要
・お墓の保険を利用する際は被害を確認し、石材店と保険会社に連絡が必要
大切な人のお墓に何かあったらと思うと、心配になるのは当然です。しかし天災は、人間の意思ではどうすることもできないものでもあります。お墓の保険に加入して、いざというときに備えてみてはいかがでしょうか。

より詳しい免震対策についてはこちらの記事をご覧ください。
お墓が地震で崩れてしまったら…お墓の地震対策』