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喪中はがきで引越しの報告をしてもいい?〜引越しと喪中が重なった場合の挨拶状の出し方〜

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喪中はがきで引越しの報告をしてもいい?〜引越しと喪中が重なった場合の挨拶状の出し方〜

親しい方や年賀状のやり取りをしている相手には、引越しの挨拶状を送って新住所を知らせるのが一般的です。時期によっては、年賀状に引越しの報告を添える場合もあります。

では、引越しと喪中が重なった場合には、どうしたら良いのでしょう。
「年賀状と同じように、喪中はがきで新住所を知らせても良いのだろうか?」「やはり別に送った方がいいのだろうか?」「失礼に当たらない伝え方やタイミングは?」と悩む方も多いようです。

今回は、喪中に引っ越した場合の新住所を知らせる方法やタイミング、マナーなどについて解説していきます。人生に何度もあることではないかもしれませんが、もしもの時に失礼にならない行動ができるよう、参考にしていただけたらと思います。

喪中と喪中はがき

喪中とは一般的に、身内に不幸があってから一周忌(翌年の同月同日)までの1年間のことを指し、お祝い事や派手な振る舞いを控え、故人の死を悼み喪に服す期間とされています。

この期間は、年末年始の挨拶も控え、普段から年賀状のやりとりのある方に対しては、年賀状を出さないことを伝えるための挨拶状である「喪中はがき」(「喪中欠礼はがき」「年賀欠礼状」とも呼ぶ)を送るのが一般的です。

喪中はがきは、多くの方が年賀状の準備を始める時期を考慮して、10月下旬頃から、遅くとも12月の初めまでには相手に届くように送るのがマナーとされています。

そもそも、喪中に引っ越しをしてもいいの?

喪中は、お祝い事や派手な行動を控えるのが一般的とされています。そのため、日常と違うライフイベントである引越しをしても大丈夫なのか疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、引っ越し自体はお祝いや派手な行動には当てはまらないため、基本的には問題ないと考えられています。

ただ、喪中の期間でも特に、「忌中(きちゅう)」と呼ばれる故人が亡くなってから四十九日法要までの期間は、供養に専念する期間と考えられており、引越しもできるだけ控えた方が良いとされています。

また、基本的に問題ないとはいえ、喪中の引越しを好ましく思わない方もいらっしゃいますので、家族や新関など周囲の人とよく相談して決めることも大切です。

引越しと喪中が重なった際の挨拶状の出し方

引っ越した際には、引越しの挨拶状を出すのが一般的ですが、近年では年賀状で引越しの報告をする人も増えています。では、喪中に引っ越した場合も、喪中はがきで引越しの報告をしても良いのでしょうか?

喪中はがきは年賀欠礼の挨拶状であり、近況報告など別の内容は載せないというのが本来の考え方です。しかし、身内の不幸は予測ができないことですので、マナーを守って記載すれば、新住所を知らせることも基本的には問題ないとされています。

とはいえ、引越しのタイミングによって報告の方法が変わってきますので、基本とされている考え方を紹介します。

引っ越しから年末までに時間がある場合

身内に不幸があった後、夏頃までに引っ越した場合などは、住所が変わってから喪中はがきを出すまでにしばらく期間が空いてしまいます。
このような場合は、引っ越しから1〜2ヶ月を目安に引越しの挨拶状を出し、その後11月から遅くとも12月初め頃までに喪中はがきを出すのが基本とされています。

新住所のお知らせが秋以降になる場合

本来、引越し報告のはがきと喪中はがきは別々に出すものです。しかし、引越しが10月以降になる場合には、年末に向けて忙しくなる上に、喪中はがきを出す時期と重なるため、喪中はがきで新住所を知らせても基本的には問題ありません。その場合、下で紹介するように形式的に伝えるに留め、喪中はがきの趣旨から外れないようにしましょう。

12月や年末に不幸があったなど、喪中はがきが間に合わない場合

「秋以降に引越しをしたけれど、12月に入ってから不幸があった」など、喪中はがきの投函が間に合わない場合には、喪中はがきを送ることは控えましょう。この時期はすでに年賀状の準備や投函を済ませている方も多く、相手に余計な気遣いをさせてしまう可能性があるためです。
そして、お正月を司る神様をお祀りする期間とされる「松の内」(関東では1月7日まで、関西では1月15日まで)が明けてから、寒中見舞いや引越しの挨拶状を送るようにしましょう。

なお、すでに年賀状を準備していた場合でも、書き損じなどと同じように新しいハガキや切手に交換してもらえるので、投函を控え後日郵便局で相談しましょう。
投函済みの場合は取り戻し請求をすることも可能ではありますが、手作業で探すために郵便局にかなりの負担をかけてしまいますし、料金もかかり、全てが回収できるとは限らないため注意が必要です。余程の事情がなければ、訃報を出す相手には、連絡する際に「年の瀬が迫ってのことで、年賀状が届いてしまいますが申し訳ありません」などと一言添える、訃報を出さない相手であれば、特に知らせなくても問題ないでしょう。

喪中はがきで新住所を伝える際のマナーと注意点

近況報告は書かず、できるだけ形式的に伝える

前述したように、喪中はがきで新住所を伝える場合には、できるだけ形式的に伝えるのがマナーです。

具体的には、本文中に引っ越したとの内容は入れず、差出人欄の住所の前に「新住所」「新居」などと添えるようにしましょう。
また、名前の最後に「〇月に転居しました」など、引っ越した旨を追記しておくのも良いでしょう。その場合も、他の内容は書き込まないようにします。

もし、どうしても近況報告や新居へのお誘いなどをしたいという場合には、喪中はがきではなく、寒中見舞いや、引越しの挨拶状を出して伝えるようにしましょう。

メールやラインを使う際は、相手との関係性を考慮する

近年では伝え方も多様化しており、引越しの時期に限らず年賀状や喪中はがきで新住所を伝える場合もあります。また、喪中や引越しの挨拶をメールやラインで伝える人が増えているのも事実です。しかし中には礼儀を重んじる人もいますので、相手との関係性をよく見極め、必要な方には引越しの挨拶状を、年末には新住所を記載した喪中はがきを出すのが無難です。

郵便局への転居届は忘れずに

年末に不幸があって喪中はがきが間に合わない場合や事情があって引越しの挨拶状をすぐに出せない場合でも、新住所に郵便物を届けてもらえるよう、郵便局への転居届は出しておくようにしましょう。

届出日から1年間は、旧住所あての郵便物等を新住所に無料で転送してもらえるため、転居を知らせるまでに出された年賀状などが返送されてしまうのを防ぐことができます。

まとめ

喪中に引越しの挨拶状を出す際のマナーや、喪中はがきで新住所を伝える際の書き方などについて解説してきました。喪中はがきで新住所を伝えることは基本的に問題ないとされていますが、近況報告などは記載せず、伝えたい場合には寒中見舞いや引越しの挨拶状などを出すようにします。いざという時に困らないよう、これを機に覚えておくと良いでしょう。

喪中はがきや引越しの報告はがきなど、挨拶状を出すことは、離れた相手にも礼を尽くし、お互いに思いやりの心を伝えあうために根付いてきた文化です。時代とともにコミュニケーションの方法も変化し、昔と比べたらやりとりが簡略化されていく面もありますが、相手への敬意や感謝を示すことは忘れずにいたいものですね。


喪中はがきを出す際のマナーや書き方については、こちらの記事をご覧ください。
喪中はがきはいつまでに出す?喪中はがきの意味やマナーを解説
押さえておきたい喪中はがきの書き方〜ルールや文例を紹介