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喪中はがきはいつまでに出す?喪中はがきの意味やマナーを解説

葬祭基礎知識

喪中はがきはいつまでに出す?喪中はがきの意味やマナーを解説

日本では一般的に、喪に服している間は慶事を避け、新年の挨拶についても年賀はがきを控え喪中はがきを送る習慣があることはご存知だと思います。しかし、いざご自身が喪中はがきを送る立場になった場合、いつ送ればいいのかを迷われる方も多いのではないでしょうか?
喪中はがきは、年賀状をやり取りしている方々に年内に届けるのが基本とされており、送るのに適した時期があります。今回は、喪中はがきの意味や送る時期、基本的なマナーについて解説していきますので、ご自身が送ることになった際に慌てないためにも、一度確認しておきましょう。

「喪中はがき」とは

喪中はがきとは、身内に不幸があった際に「喪中のため、年末年始の挨拶は控えさせていただきます。(年賀状は出しません)」ということを伝える挨拶状のことです。「喪中欠礼はがき」「年賀欠礼状」とも言います。

親近者が亡くなって1年以内の正月に向けて、年賀状のやりとりがある方に送ることが一般的で、年賀欠礼の挨拶という目的の他に、喪中とは知らない知人に、「不幸があった相手に、祝辞を送ってしまった」というような気まずい思いをさせないという意味もあります。

そもそも「喪中」とは

では、そもそも、どのような人が「喪中」となるのでしょうか?

喪中の意味と期間

喪中とは、一般的に故人が亡くなってから一周忌(翌年の同月同日)までの1年間のことを指し、遺族や親族が故人の死を悼み、贅沢や祝いごとなどを避けて静かに過ごす、喪に服す期間とされています。なお、一周忌が過ぎた後のことを「喪明け」といいます。

喪中の期間については、明治時代、「太政官布告」という法令の中で、故人との血縁の深さごとに定められていました。この法令は昭和22年に廃止されましたが、この時定められた期間を基準に、例えば子どもや二親等の親族が亡くなった場合は3〜6ヶ月間とされるなど、1年間より短い期間を喪中とする場合もあります。ただ、喪中はがきを送る場合には、「故人が亡くなってから一周忌まで」という考え方が一般的になっています。

喪中の由来

喪中という習慣はもともと、「死は穢れとみなし避けるもの」とされる神道の考え方から来ています。穢れは伝染していくとされていたため、家族が亡くなった場合、穢れが広がらないように一定期間は世間から遠ざかり、喪に服して過ごすよう務めていました。
日本の文化は、神道の考え方と深く関わる部分も多く、この「喪に服す」という習慣が日本の風習として根付いていったため、現在でも宗教に関わらず「喪中」という考え方が社会に浸透しています。(地域や宗派によって捉え方や過ごし方が違う場合もあります)

喪中の対象

自分が「喪中」に当たるかどうか、つまり喪に服すかどうかは、故人との関係で変わります。

一般的には、二親等以内の親族が亡くなった場合を、喪中と考えます。
この場合、自分自身と配偶者を0親等として数え、父母・義父母・子は一親等、祖父母・義祖父母(配偶者の祖父母)・兄弟・義兄弟(配偶者の兄弟)・孫は二親等です。

ただこれは、決まりがあるわけではなく、故人が二親等に含まれない範囲でも、同居していたり親しい間柄であったりということで「喪に服したい」「故人を思って過ごしたい」という気持ちがあれば、喪に服し喪中はがきを送っても問題ありません。

喪中はがきはいつまでに出す?

喪中はがきを出す時期

喪中はがきは、年賀の欠礼状でもありますが、「いつも年賀状のやりとりをしている相手が年賀状を用意しなくても良いように」「知らせるのが早すぎて相手が忘れてしまわないように」という相手への気遣いも込めて送るものです。

年賀状は11月初旬ごろから郵便局やコンビニなどで販売されるようになり、12月末までには多くの方が年賀状を投函します。

そのため、早くて10月下旬頃から、遅くても12月上旬頃には相手に届くように送ると良いでしょう。

12月や年末に不幸があった場合

12月に入ってから不幸があった場合など、喪中はがきの投函が間に合わない場合は、喪中はがきを送ることは控えましょう。この時期は多くの方が既に年賀状の準備や投函を済ませておられる可能性が高く、相手に余計な気を遣わせてしまう可能性があるためです。

喪中はがきは、こちらが年賀を欠礼するというお知らせ状であって、相手に「送ってはいけない」と強制するものではありません。ですので、届く年賀状は受け取り、「寒中見舞い」として年賀状のお礼と、お返しができなかったお詫びをお伝えするのがよいでしょう。

この場合の寒中見舞いは、「松の内」(関東では1月7日まで、関西では1月15日まで)が明けるまで待ってから、2月の「立春」までの間に送ります。松の内は地方によって考え方が違うので、1月15日以降に投函すると安心です。

もし既に年賀状を準備していたり投函していたりした場合でも、郵便局で手続きをすると、切手や通常はがきへの交換、取り戻し請求をすることができます。すぐに郵便局に行って喪中になったことを伝えましょう。

喪中はがきに関わる一般的なマナー

喪中はがきに使えるはがきの種類

喪中はがきには専用のはがきというものがあるわけではないのですが、ポイントを抑えることで、一般的な慶事のマナーに沿った喪中はがきを準備することができます。
「郵便はがき」(旧・官製はがき)を利用する場合には、左上に「胡蝶蘭」がデザインされたものを選びましょう。柄が分からなくても、郵便局で「胡蝶蘭のはがき」「喪中はがきとして使えるはがき」と言えば伝わります。
切手を別途購入して貼る「私製はがき」を利用する場合には、弔事用の切手を貼ることで喪中はがきとして使うことができます。

送る範囲

喪中はがきは、年賀状でのやり取りがある相手に送ることが一般的です。
これは、親族であっても同じですが、葬儀に出席した親族や、2親等以内でお互いに喪中であることをよく知っている間柄であれば、省略することも多いようです。

ビジネス関係の相手の場合は、会社や法人には喪中という概念はなく、ビジネスと個人は分けて考えるため、喪中はがきは送らずに通常通り年賀状でのやり取りをして問題ありません。特に、配偶者の身内が亡くなった場合は、喪中について知らせないことが多いようです。
もし、ビジネス関係の相手でありながら、プライベートでの付き合いや継続しての年賀状のやりとりがある場合には、相手との関係に応じて喪中はがきを送っても良いでしょう。

書く際の注意点

喪中はがきは、年賀欠礼の理由や内容を伝える挨拶状ですので、近況報告などを書くことは基本的にマナー違反となります。出産・引っ越し・住所変更など他に知らせたいことがある場合には、寒中見舞いや、喪中はがきとは別に挨拶状を出すようにしましょう。

喪中はがきの書き方については、前文を省略し主文から書き始めます。慶事ですので「年賀」などの祝いを表す言葉は避けましょう。儀礼的な挨拶状ですので、句読点は付けず、行頭の字下げも行いません。カジュアル感が出ないよう縦書きにし、数字も漢数字で表記するようにしましょう。

パソコンなどを使ってご自身でデザインや印刷をする場合は、華美になるのを避け、色合いや文字のフォントも落ち着いたものを選ぶことがマナーです。

喪中に年賀状を受け取った場合

喪中であっても、年賀状を受け取ることは問題ありません。その場合、お礼を年賀状で返すことはできないので、松の内が明けてから、寒中見舞いにて年賀状をいただいたお礼と、喪中だったことを伝える返信をすると良いでしょう。

まとめ

喪中はがきについては、しっかりとした決まりがあるわけではありませんが、日本で昔から大切にされてきた習慣です。
現代では、喪中はがきにもさまざまなサービスがあり、準備をする負担も軽減されてきています。
マナーや時期など、基本的なことを確認し、自分が準備することになった時には、相手への思いやりを持って対応できるようにしておきましょう。


喪中や年賀状については、こちらの記事でも紹介していますので、合わせてお読みください。
忌中と喪中の違いとは?年賀状を送らないのはどっち?

忌中とされる四十九日までの過ごし方や、四十九日法要についてはこちらで詳しくまとめています。
四十九日までの過ごし方 〜すべきこと、してはいけないこと〜
きちんと知りたい、四十九日法要の意味やマナー

慶事に関わるマナーについての記事もいくつか紹介しておきます。
通夜や葬儀の場にふさわしいお悔やみの言葉とは〜マナーやNGワードを紹介〜
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