お役立ちコラム お墓の色々
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「お悔やみの言葉」文例集〜通夜・葬儀でのお悔やみの言葉の使い方を解説します〜
通夜や葬儀では、遺族に対してお悔やみの言葉をかけることが一般的です。その際、悲しんでいる遺族に対してお悔やみや慰めの気持ちを伝えたいけれど、「かえって傷つけたり悲しませたりすることにならないか?」「どのように伝えれば失礼にならないだろう?」「長くならないように伝えるにはどう伝えたらいいだろう?」と迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。
今回は、通夜や葬儀に参列して直接遺族に伝えるお悔やみの言葉について、例文と共に解説していきます。
お悔やみの言葉の基本
お悔やみの言葉とは、故人を悼み、大切な方を亡くしたご遺族に対して思いやりを持ってかける慰めの言葉です。
通夜や葬儀で、遺族に直接口頭で伝える際によく使われる表現が以下の二つで、この二つを基本に、必要があれば故人へのお悔やみや相手への慰めを合わせて伝えることが一般的となっています。相手に負担をかけないためにも長くならないように伝えることがマナーです。
・「ご愁傷様です。」
「気の毒に思っています」「あなたが心を痛めていることを心配しています」といった意味があり、相手の悲しみに親身になり寄り添う表現です。
・「お悔やみ申し上げます。」
「故人の死を残念に思い悲しんでいます」という意味があり、自分自身の悲しむ気持ちを伝える表現です。
「ご冥福をお祈りします」「哀悼の意を表します」という言葉もよく目にしますが、こちらは口語的表現ではないため遺族に直接述べる場合には使いません。書き言葉として弔電や手紙で伝える場合に使う表現となります。
お悔やみの言葉を伝えるタイミング
通夜や葬儀でお悔やみの言葉を伝えるタイミングとしては、「訃報を受けた時」「受付で挨拶をするとき」「ご遺族と言葉を交わすとき」が挙げられます。
もし電話で訃報を受けた際は、忙しい中連絡をくれたことに対する感謝の気持ちと、お悔やみの言葉を簡単にお伝えしましょう。
「この度は、お辛い中お知らせいただきありがとうございます。心よりお悔やみ申し上げます。」といった表現が一般的です。
最近では、メールやメッセージを通じて訃報を受け取ることも増えています。その際のお悔やみの伝え方については、こちらの記事にまとめていますので、参考になさってください。
◆お悔やみをメールやメッセージで送ってもいい?〜マナーや送り方を解説〜
通夜や葬儀に参列する際には、まず受付をする際にお悔やみの言葉を伝えます。受付の人が遺族ではない場合でも、お悔やみを伝えるのがマナーです。
ここでは、混雑を避けるためにも、「この度はご愁傷様です。」「心よりお悔やみ申し上げます。」と、手短にお伝えすると良いでしょう。
遺族にお悔やみの言葉を伝える際には、一般的なお悔やみの言葉と合わせて、故人の死を残念に思う気持ちや、遺族を気遣う言葉をかけましょう。
以下で詳しく紹介していきます。
通夜や葬儀におけるお悔やみの言葉の例文
ここからは例文を紹介しながら、お悔やみの表現について解説していきます。お悔やみの言葉を実際に伝えるときの参考にしてみてください。
一般的なお悔やみの言葉
まずは、よく使われる表現からご紹介します。伝える言葉に迷ったときには、これらの言葉だけでも十分に弔意が伝わりますので、心を込めてお伝えしましょう。
・「この度はご愁傷さまです。心からお悔やみ申し上げます。」
・「この度は心よりお悔やみ申し上げます。どうぞお力を落とされませんように。」
・「この度は、思いがけないことで、誠に残念でなりません。心よりお悔やみ申し上げます。」
相手に合わせたお悔やみの言葉
自分や遺族と、故人との関係に合わせたお悔やみの言葉の例をいくつかご紹介していきます。
<病死されたとき>
故人が病気や闘病の末に亡くなられた場合の表現です。お見舞いに伺えなかった場合には、謝罪の言葉も合わせて完結に伝えると良いでしょう。
・「この度は、思いがけないお知らせに驚きました。さぞ、お力を落としのことと存じます。お体をこわされないよう、お気をつけください。」
・「ご病気中は、お見舞いにもうかがえず、大変失礼いたしました。心よりお悔やみ申し上げます。」
<高齢で亡くなられたとき>
遺族の悲しみは故人の年齢には関係ありません。「天寿をまっとうされた」「大往生であった」「長生きをさてよかった・おめでたい」などの発言はマナー違反となりますので、遺族の気持ちに配慮して言葉を選びましょう。
・「もっと長生きされて、いろいろなことを教えていただきたかったです。心よりお悔やみ申し上げます」
「お元気そうでしたのに、この度は残念でなりません。心よりお悔やみ申し上げます。」
<事故の場合>
突然のことで遺族も混乱しているかもしれません。「できることがあればお手伝いします」など、気遣う言葉を加えるのも良いでしょう。
・「突然のことで、なんと申し上げてよいか言葉もありません。心からお悔やみ申し上げます」
・「このたびは突然のことで、いまだに信じられない思いです。心よりお悔やみ申し上げます。私にできることがあれば、なんでもおっしゃってください。」
<子どもを亡くされた場合>
現実を直視できない遺族の方がいらっしゃるかもしれません。お子様を亡くした悲しさを察する言葉よりも、遺族の心に寄り添う言葉を心がけるとよいでしょう。
・「この度はご愁傷さまです。なんとお言葉をかけて良いのかわかりません。心よりお悔やみ申し上げます。」
・「このたびのご不幸、本当に残念でなりません。さぞかし無念なことと存じます。心をしっかりとお持ちになって、お体をこわされませんようご自愛くださいませ。」
<お父様やお母様を亡くされた場合>
・「この度は、心からお悔やみ申し上げます。安らかにお眠りになることをお祈りしております。皆さまどうぞお体にはお気をつけてお過ごしください。」
<配偶者を亡くされた場合>
・「この度は、誠にご愁傷さまです。長年連れ添ったご主人様/奥様とのお別れ、どんなにかお辛いこととお察しいたします。 心からお悔やみ申し上げます。」
<若い人が亡くなった場合>
・「この度はご愁傷様でした。これからが楽しみな方でしたのに、本当に残念です。心からお悔やみ申し上げます」
<世話になった方が亡くなった場合>
・「この度は、ご愁傷様でございます。〇〇さんにはこれまでに多くのことを教えていただき、大変お世話になりました。心からお悔やみ申し上げます。」
宗教別のお悔やみの言葉
宗教によって死に対する考え方が異なるため、お悔やみの言葉も変わる場合があります。
それぞれの宗教に適した言葉やマナーについても知っておきましょう。
仏教
宗派によって細かい違いはありますが、基本的に仏教では、故人は死後に極楽浄土へ向かい安らかに暮らすものとされているため、「冥福」つまり「故人の死後の世界での幸福」を祈るという表現を使います。(「ご冥福をお祈りします」は書き言葉での表現)
仏教の中でも浄土真宗では、「人は亡くなるとすぐ極楽浄土に往生する」という考え方があるため「冥福」という言葉を使いません。この表現を使う場合には配慮すると良いでしょう。
「冥福」に加えて「成仏」「供養」「焼香」「往生」「弔う」「あの世」なども仏教のみで使う言葉であり、下にまとめている神道やキリスト教では使わないため、注意しましょう。
神道
神道では、故人は家にとどまり、その家の守り神になるとされています。そのため、以下のような神道特有の表現があります。
・「御霊(みたま)のご平安をお祈り申し上げます。」
・「御安霊(ごあんれい)の安らかならんことをお祈りします」
その他、「御愁傷さまでございます」「謹んでお悔やみ申し上げます」「胸中お察しいたします」なども、仏教用語は入っていないので、使うことができます。
キリスト教
キリスト教では、人の死は「神のもとに召される喜ばしいこと」という意味を持ち、葬儀も神に感謝し故人を偲ぶ式典と考えられているため、遺族には「お悔やみ」ではなく「慰さめ」の言葉をかけます。ネガティブな表現を避け、「安らか」「平安」「旅立ち」などの言葉で、遺族の気持ちに寄り添いつつ、故人の安らかな眠りを祈るような表現が良いでしょう。
<故人への言葉>
・「安らかなお眠りでありますよう、お祈り申し上げます。」
・「天に召された〇〇様の平安を、お祈り申し上げます。」
・「〇〇様が安らかに眠られますよう、心よりお祈り申し上げます。」
・「安らかな旅立ちでありますよう、お祈り申し上げます。」
<遺族への慰めの言葉>
・「天に召された〇〇様が安らかに憩われるようお祈りいたします。」
・「寂しくなりますが、神様の平安がありますように。」
・「ご家族の皆様に主イエス様のお慰めと励ましが注がれますようにお祈りいたします。」
「安らかに眠られますよう、心よりお祈り申し上げます。」という表現は宗教に関わらず使うことができます。
お悔やみで避けた方が良い言葉
「忌み言葉」と言われ、宗教などに関わらず、冠婚葬祭において相応しくないとされている言葉、使用を控えるべき言葉があります。お悔やみの場においても気をつけるべき言葉についても配慮すると良いでしょう。
「死ぬ」「急死」「生きていたとき」など、「死」を連想させる言葉や生死に関わる直接的な表現は避け、「永眠」「突然のこと」「お元気な頃」などと言い換えるようにします。
「辛い」「苦しい」「浮かばれない」、「死」「苦」を連想させる数字の四や九など、不吉とされる言葉、「ますます」「度々」「たまたま」「くれぐれも」「再び」「追って」など、不幸が重なることや繰り返すことを連想させる言葉も避けます。
また、「頑張ってください」「元気を出してください」などの言葉や、「あの時こうしていれば・・・」などの後悔を感じさせる表現も、悲しんでいる遺族には負担となってしまう場合がありますので、控えるようにしましょう。
まとめ
さまざまな表現を紹介してきましたが、大切なのは、「故人を悼み、遺族の悲しみに寄り添う」ということです。
相手との関係性によっては、「大変だったね」「無理しないでね」「できることがあれば言ってね」などの声かけが心強いものになる時もありますし、「誠に」などを付け、より丁寧な表現をした方が良い場合もあるでしょう。
通夜や葬儀に参列するだけでも十分に弔意は伝わります。「こうでなくてはならない」ということはないので、マナーを守りつつ相手の気持ちを想像して、柔軟に対応できると良いですね。
お悔やみの言葉に関わるマナーについてはこちらの記事で詳しく解説していますので合わせてお読みください。
◆通夜や葬儀の場にふさわしいお悔やみの言葉とは〜マナーやNGワードを紹介〜
◆あらためて押さえておきたい、弔電のお送り方とマナー
◆通夜・葬儀に参列できない…通夜、葬儀・告別式に参列できない場合の対処法とマナー