お役立ちコラム お墓の色々

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宿坊とは?宿坊体験のメリットやデメリットなどを解説

供養・埋葬・風習コラム

近年、昔ながらの日本文化を体験できると、宿坊体験が注目されています。特に世界遺産に登録されている高野山などは、外国人観光客や家族連れにも人気です。

しかし宿坊は一般的なホテルや旅館とは性質が異なり、注意すべき点もあります。

そこで今回はお寺の宿坊に泊まるケースを中心に、宿坊体験のメリットやデメリット、過ごし方などについて解説します。

宿坊とは

神社やお寺にある、参拝者などが泊まるための宿泊施設です。

もともとは僧侶が泊まる場所でしたが、のちに参拝者も泊まれる場所となり、お伊勢参りをはじめ寺社参詣が人気だった江戸時代には多くの参拝者が宿坊に泊まりました。

現在は観光客向けの宿泊場所としてテレビやエアコン、Wifiといった設備を充実させている宿坊や、ネット予約、英語対応が可能な宿坊も存在します。

なお、観光客向けのサービスが充実していても、宿坊はあくまで修行や祈りのためにある場所です。

宿坊での決まり事を守り、お坊さんや神職の人たちに敬意を払う、大声で騒ぐなど周りに迷惑をかける行為をしないといった点を忘れないようにしましょう。

宿坊体験のメリット

神社やお寺に泊まることで、日常とは違う経験ができます。

伝統的な日本文化を体験できる

宿泊することで、伝統的な建物や日本庭園、趣ある和室などをじっくりと観賞し、伝統を肌で感じられます。

座禅や写経、茶道などのさまざまな体験プログラムに参加すれば、より一層伝統文化への理解が深まるでしょう。

さらに宿坊の宿泊者だけに、通常非公開のエリアを公開するなどのサービスを行っているお寺もあります。

写経については下記の記事で詳しく解説しています。

写経のやり方は?初心者向けの作法や道具を解説

座禅の詳細についてはこちらをご覧ください。

座禅のやり方は?自宅でもできる初心者向けの方法を解説

健康的な1日を過ごせる

宿坊では消灯時間も起床時間も早いため、自然と早寝早起きをすることになります。

座禅体験で自分の心を整えたり、健康によい精進料理を食べたりすることで、心も体もリフレッシュできる時間になるでしょう。

子供の思い出作りができる

小学生以下の子供と一緒に泊まれる宿坊は数多くあります。子供も座禅体験などが可能なため、学校とはまた違った学びができてよい経験となるでしょう。

畳のない家に住んでいる子供にとっては、畳に布団を敷いて寝ることも新鮮に感じられるかもしれません。

またベビーベッドや幼児用の食事を用意しているなど、乳幼児に対応可能な宿坊もあるため、ホームページなどで調べてみるとよいでしょう。

デジタルデトックスできる

デジタルデトックスとは、スマホやパソコンなどのデジタル機器を使わない時間を作ることで、疲れやストレスを軽減させることです。

山の中にある宿坊の場合、スマホの電波が届きにくいことがありますが、それを逆手に取って、デジタルデトックスを行うために宿坊を利用する人もいます。

「長時間スマホを使ってしまう癖をやめたい」と思っている人は試してみてはいかがでしょうか。

宿坊体験のデメリット

宿坊と一般的なホテルの違いを理解した上で、宿坊ならではの体験を堪能しましょう。

消灯時間が早い

多くの宿坊では、消灯時間は21時など早い時間になっています。普段寝る時間に比べると、とても早いと感じる人もいるのではないでしょうか。

宿坊では日中も静かに過ごすことが基本ですが、特に消灯時間後は物音や話し声で他の宿泊者に迷惑をかけないよう注意しましょう。

門限がある

お寺によっては門限が決められています。門限を過ぎるとお寺の門が閉まり、外との出入りができなくなるため、外出する場合は帰る時間に余裕を持っておきましょう。

門限の時間は、消灯時間と同じ21時ごろが多いようです。間に合うかどうか不安な場合は、門限のない宿坊を選ぶか、ホテルや旅館など一般的な宿泊施設を利用しましょう。

トイレと浴室は共用の場合が多い

多くの宿坊では、客室に個別のトイレや浴室はありません。

トイレはほかの部屋の宿泊者と共同で使い、お風呂は大浴場で指定された時間に入ることになります。

観光客向けにリニューアルした宿坊や一部の特別な客室には個別のトイレや浴室がついていることもありますので、気になる場合は調べてみましょう。

子供は参加できない体験もある

滝行や火渡り修行など一部の修行体験は、子供が参加できないこともあります。

宿坊のホームページなどで、子供も参加できるかどうか確認した上で申し込みましょう。

宿坊での過ごし方

チェックイン、チェックアウトの時間は宿坊によって異なりますが、通常のホテルと同じように15時頃にチェックインし、翌日10時頃にチェックアウトするところが多いようです。

滞在中の過ごし方は人によってさまざまです。ここでは過ごし方の一例を紹介します。

さまざまな修行体験に参加する

宿坊では写経・写仏、座禅、法話を聞くなど、さまざまな修行体験が用意されています。ヨガや茶道、滝に打たれる滝行の体験ができるところもあります。

勤行(ごんぎょう)と呼ばれる、早朝にお経を唱えるお勤めへの参加もおすすめです。お寺によって時間は異なりますが、朝6時ごろから始まるところが多いようです。

なお体験の内容によっては別途予約や参加費が必要なこともあるため、ホームページなどで確認しておきましょう。

部屋でゆっくりと過ごす

修行体験などには参加せずに、部屋でゆっくり過ごしても問題ありません。

日々の喧騒から離れ、静かな和室で過ごすことで、心も体もリフレッシュできるはずです。

食事を楽しむ

食事なしの素泊まりを選べる宿坊もありますが、せっかくお寺に泊まるなら精進料理を楽しむのがおすすめです。

お寺の宿坊では、肉や魚などを使わない精進料理が用意されます。精進料理は肉や魚が入っていなくても栄養バランスがよく、彩り豊かで、おいしいと感じられるような工夫が施されています。

なお精進料理は、必ずしもヴィーガン料理と同じとは言い切れません。ヴィーガン対応の料理を希望する場合は、ヴィーガン対応が可能であることを明確にしている宿坊を利用し、事前に希望を伝えておくことをおすすめします。

宿坊でアルコールを飲める?

宗教や宗派などによって違いがありますが、お酒やアルコール類を飲める場所もあります。

仏教の開祖であるお釈迦様は飲酒を禁じていますが、昔から一部のお寺ではお酒を「般若湯(はんにゃとう)」と呼び、薬として飲むことがありました。そのため宿坊でも、お酒が飲めることを明確にしている場所は少なくありません。

伝統的な日本酒だけでなく、ビールなどさまざまなお酒を用意しているところもあります。

宿坊で伝統文化のよさを感じてみては

宿坊はもともと僧侶が泊まる場所でしたが、現在は訪日外国人を中心に観光客が伝統文化を体験する場所として人気になり、宿坊自体の設備や利便性も高くなっています。

宿坊に泊まってみると、改めて日本の伝統文化のよさを実感できるでしょう。昔、祖父母や親戚の家に遊びに行ったときのことを思い出すかもしれません。

懐かしい気持ちになったら、お墓参りに行ってみてはいかがでしょうか。

「和室で過ごしていたら、昔のことが懐かしくなって、みんなに会いたくなったよ」などと墓前で話しかけてみれば、きっと故人やご先祖様も喜んでくれるはずです。

お墓参りの基本や精進料理の詳細については下記で解説しています。ぜひあわせてお読みください。