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卒塔婆(そとうば)はいつまで立てておく?〜立てる期間や処分方法を解説〜

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卒塔婆(そとうば)はいつまで立てておく?〜立てる期間や処分方法を解説〜

卒塔婆とは、故人の供養のためにお墓のわきや後ろに立てられている、薄くて細長い木の板のことです。卒塔婆(そとうば・そとば)塔婆(とうば・とば)などと呼ばれています。
木でできているので、墓石のように長い間残すことができないものの粗末な扱いもできず、いつどのように処分したらいいのか悩まれる方も多いかと思います。
ここでは、卒塔婆を立てておく期間や処分方法について解説していきますので、ぜひ参考になさってください。

卒塔婆の意味と立てるタイミング

卒塔婆とは、前述したように故人の供養のためにお墓のそばに建てられる木の板です。上部は石造の五輪塔を模した凹凸のある形をしていて、梵字や戒名、年忌などが書かれています。
卒塔婆の語源はサンスクリット語の「ストゥーパ(仏塔)」で、元来はお釈迦様のお骨を納め供養する建物を指していました。石柱のストゥーパがインドから日本に伝わり簡略化される過程で、現在の薄い木製の板の形になりました。

立てるタイミングは、宗派や地域などによって違いがありますが、納骨式・年忌法要・お彼岸・祥月命日・お盆の施餓鬼法要といった節目が多いようです。

卒塔婆の由来や立てるタイミングについては、こちらで詳しく紹介しています。
卒塔婆には立てるタイミングがあります

卒塔婆はいつまで立てておくか

実は、卒塔婆を立てておく期間については、特に定めがありません。
一説では、卒塔婆の功徳は1日のみで、法要を終えたらその役割も終わるとも言われていますが、供養のために準備したものですし1日だけで片付けてしまうことは稀で、次回の法要までを節目に一定期間立ておくことが多いです。

定めがないと言われても、「ではいつにするのが適当なのか」と悩まれる方も多いと思いますので、いくつか適したタイミングを紹介します。

新しい卒塔婆を立てる時

立てておく期間に定めがないとはいえ、長い間立てておくのが良いということでもありません。また、前に立てた卒塔婆をそのままにして新しく立てていくと、卒塔婆立てがいっぱいになってしまうこともあります。ですので、次回の法要など新しい卒塔婆を立てるタイミングには差し替えをされると良いでしょう。

古くなったと感じた時

書かれた文字が薄れてきたり、木が色褪せ傷んできたりと、古くなったと感じたときに片付けるというのも一つの方法です。1年、長くとも3年を目安に片付けることが多いようです。
長い間立てておくと、雨風に晒されて傷んだり、倒れて壊れてしまったりすることもあります。万が一風に飛ばされて人に当たっても危ないですし、せっかく綺麗に整えているお墓の景観を保つためにも、お墓参りの際などには卒塔婆の状態も気にかけておきましょう。

お寺や霊園にお任せする

お寺や霊園によっては、定期的に卒塔婆を抜いて処分してくれるところもあります。そのような場合には感謝してお任せしても良いでしょう。

持ち帰る場合も

墓地や霊園によっては、持ち帰ることになっている場所もありますので、確認が必要です。持ち帰る場合には、ご家族で保管する期間を決めたり、新しい卒塔婆を準備するタイミングに取り替えたりされると良いでしょう。

卒塔婆に使われる木材のほとんどは、特別な防腐加工などをしていないために早く朽ちやすくなっています。ですので、見た目や安全面を考慮して、あまり長期間にならないように片付ける時期を決めると良さそうです。

処分する方法

卒塔婆の処分方法について、主なもの2つを紹介します。

お焚き上げをしてもらう

卒塔婆の処分方法として最も一般的なのが、お焚き上げです。
以前は各家庭で燃やすことも少なくなかったようですが、現代は火災の心配や行政上の取り決めなどがあり各自で燃やすことはできません。
お寺や霊園でお焚き上げを受け付けているところがあるので、依頼すると良いでしょう。費用がかかる場合や、お焚き上げをしていないところもあるので、事前に確認しましょう。

お寺や墓地で指定されている場所に置く

お寺や霊園によっては、古くなった卒塔婆を回収しているところもあります。回収してもらう場合は、回収場所や方法を確認し、管理される方の負担が増えないよう心がけましょう。回収後の処分方法については、定期的にお焚き上げをする、業者に引き取ってもらうなどさまざまなので、もしお焚き上げを希望する場合は事前に確認をしておきましょう。
墓地によっては、管理をしている石材店が引き取ってくれる場合もあるので、処分方法に困った時には問い合わせてみるのも1つの方法です。

処分については様々な方法や考え方がありますが、一番大事なのは供養の気持ちです。仏教の教えでは、大切に供養したという気持ちが残されていれば、形にこだわらなくても大丈夫とされています。ただし、お寺や地域によってさまざまな考えがあるので、不安であれば、お寺や地域の方に相談し情報を集めた上で判断されるのも良いでしょう。

処分に費用はかかるのか

卒塔婆の処分にかかる費用は無料であることが多いですが、場所によっては有料のところもあります。
お焚き上げを依頼した場合、だいたい1本1000円前後としているところが多いようです。

まとめ

卒塔婆は、故人を思い供養のために立てるものですから、処分してしまうことを心苦しく思われることもあるかもしれません。しかし、処分したからといって故人を偲ぶ気持ちが消えるわけではありません。処分のタイミングや方法に迷われた時には、こちらの記事を参考に、ご遺族の納得のいく形を選んでいただけたらと思います。

宗派によるお墓や作法の違いを知りたい方は、こちらも参考になさってください。
宗派によるお墓の違い一覧