お役立ちコラム お墓の色々

お役立ちコラム お墓の色々

- 供養をきわめる -

お墓参りに行けないときはどうすればいいの?

供養・埋葬・風習コラム

お墓参りに行けないときはどうすればいいの?

ご先祖様のためにも墓石のためにも、お墓参りは定期的に行くことがおすすめです。しかし現代では「お墓から遠く離れたところに住んでいる」「高齢のためでかけるのが大変」「仕事が忙しくて時間がとれない」という方もたくさんいらっしゃると思われます。特に2022年現在では、コロナウィルスの流行により、数年外出を控えているという方もいらっしゃるでしょう。
こうした事情を抱えている方々の不安を払拭すべく、本記事では、お墓参りに行けない場合に起きがちな問題点を解説した後、その対処法をご紹介いたします。

お墓参りに行けないとどんな問題があるの?

仏教の教えによれば、お墓参りに行けない時期があったとしても、それが悪いこととは見なされていません。「バチが当たるのでは?」と心配される方もいるかもしれませんが、そんなことはありませんので、まずはご安心を。
ただし、現実的に考えると以下のような課題があります。

お墓が汚れる

雑草が生えたり、埃や落ち葉が溜まったりして、お墓は徐々に汚れていくものです。自然現象ではありますが、ご先祖様のためにも、やはりなるべくキレイに保って差し上げたいですよね。また、お墓に動物の糞や落ち葉などが貼りついたままになっていると、シミの原因になります。

お墓の小さな不具合に気づけない

あれほど堅い墓石でも風化や天災の影響で、ヒビが入ったりすることもあります。こうした小さな破損は、放っておくとより大きな破損につながる可能性もありますので、早めに対処したいところです。

すぐに対応が必要な「大きな不具合」が発生している可能性も

地震や台風などの災害によって、墓石が傾いたりズレたりしていると、すぐに対応する必要があります。墓石が倒壊して修理や買い直しになると相応の費用がかかりますし、隣のお墓に損害を出したりしたら大ごとです。

お墓はとても頑丈ですが、屋外にあるため負荷がかかることも多いのです。お墓参りは墓石の掃除をするだけでなく、不具合が起きていないかを確認する機会でもありますので、定期的に通うことはやはり大切です。

お墓に起こりうるトラブルの例はこちらでも解説しています。
お墓のリフォームを考えるタイミングと、依頼時の注意点

お墓参りに行けないときの対処法は?

できれば定期的に通いたいお墓参りですが、忙しかったり、お墓が遠かったりすると時間を作るのが難しい場合もあります。本項では、そのような時の対処法をご紹介します。

お墓参りのタイミングを見直す

まずは、「無理にお彼岸・お盆にでかけようとしていないか」を、見直してみると良いでしょう。「お墓参りの時期」と言えば、確かに春夏のお彼岸・お盆です。しかし、“必ず”これらの時期に行かなければいけないわけではありません。お墓参りはいつ行っても良いものですから、墓地が混むこれらの時期を避けて、なんでもない通常の週末に行っても良いのです。お彼岸やお盆にこだわらず、「行ける時に行く」という感覚で、スケジュールを調整してみましょう。

親戚・友人にお願いする

お墓の近くに親戚の方がお住いの場合、お墓参りをお願いするのも一つの手です。また、少し頼みにくいかもしれませんが、近隣に住んでいる友人にお願いできるかもしれません。「自分が行かなきゃ!」と頑固にならず、誰かに頼むという方法も考えてみましょう。感謝の気持ちを持って、礼節をわきまえてお願いすれば、快く引き受けてくれる方もいるでしょう。

「お墓参り代行サービス」を利用する

自分ではお墓参りが難しく、頼めるような親戚・友人も思い当たらない場合でも、まだ方法はあります。「お墓参り代行サービス」の利用です。名前の通り、申込者に変わってお墓の掃除やお菓子やお線香などのお供えをしてくれるサービスです。コロナウィルスの影響で需要が増え、今では一般的になっています。見ず知らずの人に頼むのは心配になるかもしれませんが、作業前後のお墓の様子を撮影して、レポートとして報告してくれるのでご安心ください。ただし、開業するのに特に資格が必要ないため、ピンからキリまで様々な業者がいます。インターネット上のクチコミなども参考に選びましょう。

お墓参り代行サービスについてはこちらで詳しく解説しています。
お墓参り代行業とは?

「お墓参りに行けないのが辛い」気持ちを整理する方法は?

ここまではお墓参りに行けない場合の墓石のケアを取り上げて紹介しました。本項では、お墓参りに行けない場合の、気持ちの面でのケア方法をご紹介します。
仏壇がある方は仏壇に手を合わせるのがよろしいでしょう。もし、仏壇がない場合でも故人に想いが届かないというわけではありません。大切なのはご自身の気持ちです。故人の写真やお墓の方角など、故人を感じるものに向かって手を合わせましょう。
また仏教では、お盆は故人が家に帰ってくる時期とされています。お墓参りにしばらく行けていないのであれば、精霊馬や盆提灯、迎え火といったお盆の道具をいつもよりしっかりと用意して、お盆を迎えるのも良いでしょう。故人の存在をより身近に感じられると思います。盆明けには送り火を焚くのもお忘れなく。

お彼岸の過ごし方はこちらで紹介しています。
故人のためのお盆の過ごし方。精霊馬を作ってみよう。

お墓参りに行けない時でも供養の気持ちは大切に

2020年~2022年は、コロナウィルス流行の影響で、特にお墓参りに出掛けにくい状況が続いています。お墓が心配なところではありますが、あなたが無理にお墓参りをすることを故人もご先祖様もきっと望んではいないはずです。まずはできる範囲でお墓参りの方法を検討してみて、もし難しければ、代行サービスや親戚の力をお借りして、ご自宅から静かに手を合わせるのも良いでしょう。お墓参りの事情は人それぞれ。しかし、共通して大切なのは「供養の気持ち」です。

こちらの記事を読むと、合わせた手に、より気持ちがこもるかもしれません。
そもそもご供養の意味とは?