お役立ちコラム お墓の色々

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- 供養をきわめる -

お墓参りのお供え物〜食べ物をお供えするときの基本マナー〜

供養・埋葬・風習コラム

お墓参りのお供え物〜食べ物をお供えするときの基本マナー〜

お墓参りでは、お花やお線香などの他に、故人の好きだったお菓子などのお供えをするのが一般的です。ただ、お供え物の選び方やお供えの仕方についてなんとなく知ってはいるものの、改めて深く考える機会はあまり無いかもしれません。
今回は、お墓参りで食べ物をお供えするときの、お供え物選びの基本や、お供えの仕方・片付け方の基本的なマナーについて確認していきます。
改めて知っていただくことで、ご先祖さまや故人、ひいてはご家族やご親族にも、より喜んでもらえるかもしれません。

お供えの意味

私たちは、故人を偲び感謝を示すためにお墓参りを行います。ですので、お墓にお供えするものにもそれぞれ、供養と感謝を示す意味合いがあります。

お供え物の基本

仏教ではお供え物のことを「五供(ごく・ごくう)」といい、以下の5種類のことを指します。

・「香」…お線香などの香り
・「花」…お墓や仏壇に備える花
・「灯燭(とうしょく)」…ろうそくの灯り
・「浄水」…綺麗な水
・「飲食(おんじき)」…食べ物や飲み物

花の備え方についてはこちらの記事で詳しく紹介しています。
◆「お彼岸に供える花の選び方 菊じゃなくても大丈夫
◆「お盆のお墓参りで避けた方がいい花5選

五供の中でも特に「飲食(おんじき)」のことを、「お供え物」と呼ぶ人も多いのではないでしょうか。

「飲食」は、故人を偲ぶとともに、私たちが毎日食事できることに感謝する意味も込めてお供えするもので、日持ちのするものや故人の好きだったものが選ばれることが多いです。

ただ、飲食(おんじき)には、適しているものと、避けるべきものがあります。いつまでお供えしておくのか、お供えした後の片付けをどうするのかなど迷われることもあると思いますので、以下で詳しく解説していきます。

お供え物の選び方

おすすめのお供え物

基本的には、故人の好きだった食べ物や飲み物をお供えすると良いでしょう。
よく選ばれるのは、饅頭などの和菓子や、洋菓子ではクッキーなどの焼き菓子といったお菓子類です。小分けに包装してあるとお供えの時に汚れませんし、最後に分け合うこともできます。
また、季節に合わせた果物もよく選ばれます。これは、丸い物は「円」であり、故人との「縁」につながるという意味合いからです。
お菓子と果物どちらの場合も、常温で保存でき、日持ちするものを選ぶと安心です。

酒やタバコといった嗜好品をお供えしても良いのか迷われる方もいらっしゃるかもしれません。嗜好品もよしとはされていますが、タバコについては匂いがきついために避けられることもあります。また、禁煙や火気厳禁の場所もありますので、まずは霊園の規則を確認することが大切です。タバコに火をつけてお供えされる際には、火災にならないよう必ず火を消すこと、吸い殻や灰などを残さないということを忘れないようにしましょう。
お酒については、墓石が傷むのを避けるために、墓石にかけることは避けましょう。

避けた方がいいお供物

基本的には故人の好きだったものを自由にお供えすると良いのですが、その中にもふさわしくないとされているものがあるので、紹介します。

1. 五辛(ごしん)
にら、にんにく、ねぎ、らっきょう、しょうが、さんしょうの5つを「五辛(ごしん)」と呼び、お供え物にはふさわしくないとされています。
匂いや辛味が強いものは、古くから食べることが禁じられており、その名残でお供えものとしては避けられています。

2. 肉や魚
「殺生」をイメージさせる肉や魚についても、お供え物としてふさわしくないとされています。傷みやすく日持ちがしないと言う点でもお供えには向きません。

お墓での供え方と片付け方のマナー

供え方

お供え物をお墓に置く際は、半紙や懐紙(かいし)などの紙を敷いてお供えをしましょう。
直接お供え物を置くことはマナーとしてもふさわしくないですし、墓石にシミがついてしまうこともあるので気をつけましょう。

片付けの仕方

お供えした物は、持ち帰る、その場で頂く(食べる)など、置いたままにしないことがマナーです。
カラスなどの動物に荒らされる原因にもなってしまいますし、食べ物が痛むと衛生的に良くありませんので、お墓に残さないようにしましょう。

「お供え物を食べてもいいの?」と思われるかもしれませんが、お供えしたお菓子や果物は、お参りが終わった後に食べてしまって構いません。むしろ、お供えした食べ物を頂くことは供養の一環とされており、特に墓前でお供え物を頂く行為は、故人と飲食を共にする意味があるとも言われます。
霊園やお寺によっては、墓前で食べることがマナー違反になる場合や園内での飲食を規約上規制している場合もあるので、事前に確認すると良いでしょう。心配であれば、持ち帰ってからゆっくり頂くと安心です。
墓前で頂く際には、こぼさないなど周りへの配慮を忘れないようにしましょう。

お墓参りの作法についてはこちらにまとめていますのでご覧ください。
お墓参りの基本や作法をあらためて押さえておきましょう
【保存版】お墓参りのマナーや常識 5つのポイント

お墓参りについて描かれた絵本を紹介します。動画もありますのでぜひ一度ご覧になってみてください。
お子さんと一緒に見てほしい動画「絵本・ゆらちゃんのおはかまいり」

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