お役立ちコラム お墓の色々
お役立ちコラム お墓の色々
- 供養をきわめる -
滝行とは?滝行体験のやり方や効果、注意点を解説

「自分を変えたい」「人生を一新したい」と思ったとき、あなたなら何をしますか。
服装や髪型を変えたり、習い事を始めたりと人によっていろいろな方法があると思いますが、近年は自分自身に喝を入れたり自分を見つめ直したりする方法として滝行を選ぶ人も増えており、静かなブームになっています。
ただし、冷たい水に打たれる滝行には注意点もあります。
そこで今回は、滝行とは何か、やり方や効果、注意点について解説します。
滝行とは?
滝行は、神道や仏教(特に密教の真言宗と天台宗)で古くから行われてきた過酷な修行、いわゆる荒行の一つです。古くは古事記や日本書紀にも記されているほど昔から連綿と受け継がれてきました。
山岳信仰をベースに神道や仏教、道教など色々な要素を取り入れて生まれた日本独自の宗教である修験道でも、修行の一つとして取り入れられています。
修行としての滝行は、滝の下で激流に打たれることで心身を浄化し、雑念を払い精神を統一することを目的とします。
昔から水には浄化の力があると考えられ、僧侶などの間では大切な儀式の前に滝行を行い、自分の穢れを祓うことが行われてきました。
現代では、一般の人が人生を変えたい、ストレス解消をしたい、自分の精神力を高めたいなどの理由で行うことも増えています。
厳しい修行ですが、乗り越えることで大きな効果を得られるでしょう。
ただし安全だと言い切れるような修行ではありません。荒行と呼ばれるだけあり、危険も隣り合わせに存在するため、注意点をよく理解した上で行ってください。
滝行の効果
冷たい水に打たれるという大変な経験を通して、心身をよい状態に改善することが期待できます。
心が強くなる
滝に入るには勇気がいるでしょう。「水が冷たそう」「滝に打たれたら痛そう。怖い」と弱気になる自分を乗り越え、激しい水圧と凍えるような寒さという困難に打ち勝つことで心が強くなっていきます。
滝行を終えたときには「自分はこんなに厳しい修行を耐え抜いた」という自信の獲得にもつながります。
ストレスを解消し心身ともに充実した気持ちになれる
心を無にして滝の流れや自然と一つになることで、雑念を払い、心身ともに充実した状態へと導いてくれます。
また滝のマイナスイオンをたっぷり浴びられて気持ちいい、水流によって体がマッサージされたようで調子がよくなると感じる人もいるようです。
滝行の注意点
滝行は激しく水が流れる場所で行うため、さまざまな危険も伴います。事故を防ぐためにも、下記の注意点を十分に理解しておきましょう。
滝行関係者の指導を受けて行う
それぞれの滝には守るべきしきたりや、石や流木が落ちてくる危険性など知っておくべき注意点がいくつも存在します。
できる限り一般の人だけでやらずに、神社やお寺などが主催する体験会を通して行ってください。
特に自分1人で滝行を行うのは絶対にやめてください。仲間だけで行うのも危険です。専門家の指導の下で行いましょう。
自己責任で行う
滝行は危険と隣り合わせの修行のため、自己責任で行うことが前提となります。
初心者向けの体験会に参加する場合でも、けがや事故などは自己責任となることを知っておきましょう。場所によっては、自己責任で行うことを了承した旨の署名を求められることもあります。
小さな子供や体調が悪い人はやらない
滝行は体力がいる修行です。無事に終えられたと思っても、あとで体調を崩してしまう恐れもあります。持病がある、体調が心配など、少しでも不安な点があればやらないほうが良いでしょう。
また安全のため小さな子供や妊娠中・生理中の女性は滝行体験に参加できません。
自分を変えたい、リフレッシュしたいなどの目的であれば、座禅や写経のように室内でもできて体力があまり必要ない修行もおすすめです。また非日常空間であるお寺で行うヨガもリフレッシュにはよいでしょう。全国のお寺で体験会が開かれているので、検討してみてはいかがでしょうか。
座禅の詳細についてはこちらをご覧ください。
写経の方法については下記の記事で詳しく解説しています。
ヨガ教室を開いているお寺もあります。ヨガと仏教の関係については下記をチェックしてみてください。
冬の滝行は特に注意が必要
冬はあまりの寒さに体の感覚が麻痺する、体が冷えすぎるなど特に危険性が高まります。また雨が降ったあとや風が強い日も危険です。
初めて滝行をするなら、水温が比較的高く、気候が安定しやすい夏がおすすめです。
冬でも滝行体験を受け付けている場所もありますが、初心者は避けたほうが無難です。滝行に慣れた人や体力に自信がある人のみ挑戦しましょう。
滝行のやり方
滝行体験ができるスポットは全国各地にあります。
三重県鳥羽市の白瀧(しらたき)、群馬県渋川市の棚下不動(たなしたふどう)の滝などが有名ですが、初心者向けで気になるスポットを自分で探してみるのもよいでしょう。
予約が必要な場合が多いため、ホームページなどで確認した上で申し込んでください。
滝行体験の持ち物
● タオル
何枚かあると便利です。
● 水辺を歩きやすい履物
水に濡れてもよく、脱げにくいものを選びましょう。
● 水着など水に濡れてもよい服
滝行に欠かせない白装束は貸してもらえるところが多いですが、中に着る服がないと水に濡れたと きに体が透けてしまいます。そのため水着などを用意しておきましょう。
● スマホやカメラ
撮影可能となっている体験会では、スマホやカメラを持って行って記念撮影をするのもおすすめです。
● レジャーシート
● 歩きやすい運動靴
場所によっては滝に移動するまでに山道を歩くことになるため用意しておきましょう。
● 終わったあとに着替える服
● 荷物を入れる防水のカバン
● 参加費
お布施や志納金などの名前で呼ばれている場所もあります。事前に支払う場合と、当日支払う場合があるためよく確認しましょう。料金は場所によって異なりますが5000円から9000円程度が目安となります。
滝行体験の流れ
ここではやり方の一例を紹介します。細かいやり方は場所によって異なるため、現地の指示に従ってください。
● 滝行を始める前に神社やお寺でお参りする
● 指定された場所で水着などに着替え、その上から白装束を着る
● 滝に移動する
● 滝に向かって一礼してお経や祝詞などを唱える
● 塩などで体を清めるよう指示されたときは指示に従って身を清める
● 少しずつ体を水に浸ける
● 心身の準備ができたら滝に打たれる
● 指定されたお経などがあればそれを唱えながら、苦しさをこらえて滝に打たれ続ける
● 苦しさが徐々に消えていき滝と一体になったような感覚を堪能する
● 滝から出たあともう一度滝に向かって一礼する
● 体を拭く
● 場所によってはお風呂や温かい飲み物を用意してくれるので体を温める
注意点を理解して滝行にチャレンジを
滝行はさまざまな場所で、古くから修行として行われ、今日まで受け継がれてきました。現在は、一般の人も心身の浄化や自分を変えるきっかけとして滝行体験に挑戦することが増えています。
滝行体験をした人は、「大変だったけれど、終わってみるとやっぱりやってみてよかったと思う」と感じることが多いようです。
滝行の注意点や危険性を十分に理解した上で、専門家の指導の下、体調を整えて行いましょう。
お寺では滝行以外にも、写経や座禅、ヨガなどの体験会を開いているところもたくさんあります。
古来より受け継がれてきた修行には、それだけの意味が存在しています。無理のない範囲でいろいろな修行を試してみてはいかがでしょうか。
宿坊に泊まって、じっくりとさまざまな修行を体験したり、静かな空間で自分と向き合ったりするのもよいでしょう。
宿坊については下記の記事で詳しく解説しています。