お役立ちコラム お墓の色々

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屋内墓地とは?メリット・デメリットを紹介します

墓地・墓石コラム

屋内墓地とは?メリット・デメリットを紹介します

屋内墓地とは、名前のとおり屋内で遺骨を安置する施設です。アクセスのよい駅の近くにありながら、比較的費用が安価なところが多いことから、「忙しくてお墓参りの時間が作れない」「手ごろな値段でお墓を建てたい」といったニーズに応えています。本記事では、屋内墓地について、メリット・デメリットを紹介します。

屋内墓地とは?4つの種類を紹介

屋内墓地には大きく分けて4つの種類があります。まずは、それぞれの特徴を紹介します。

屋外と同じようにお墓を建てるタイプ

北海道など降雪の多い地域に特有の、屋内に墓石を建てた施設です。一般的な墓地が建物の中にあるとイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。通常の墓地・霊園との違いはそれほどありませんが、お墓の形や大きさが選べないこともあります。

ロッカー式納骨堂タイプ

遺骨を収めたロッカーが並んだものです。かっての納骨堂はお墓を建てるまでの一時収容を目的とした場合が多いものでしたが、現在では契約した一定期間を個別で預かり、のちに合祀される場合が多いです。

納骨堂についてはこちらの記事でも解説しています。
納骨の場所、色々選べる納骨の種類や方法

仏壇付きの納骨堂タイプ

納骨堂タイプと似ていますが、ロッカーごとに仏壇がついています。納骨堂タイプでは、お参りの気持ちを込めにくい方におすすめです。

自動搬送式タイプ

マンション型墓地とも呼ばれる、共有の墓石で遺骨を入れ替えてお参りするタイプです。
都市にあるタワーパーキングをイメージするとわかりやすいかもしれません。当日指定された部屋で待っていると、遺骨が自動で運ばれてきて、その部屋の墓石に納骨されます。

屋内墓地のメリット

屋外墓地と比較した、屋内墓地のメリットを紹介します。

アクセスがよい場所に多い

屋内墓地は駅近のビルなどアクセスのよい場所にもあります。高齢の方、足の不自由な方、車を持っていない方にも通いやすい墓地と言えます。

比較的安価

納骨堂タイプや自動搬送式タイプの屋内墓地は、小さなスペースで遺骨を保管するので、取得費用が安く済むことが多いです。ただし、屋外墓地の料金にも相応の理由がありますので、一概にお金だけで比較するのはおすすめできません。

天気の影響を受けない

お墓参りの日の天気の心配をしなくてもいいのは、屋内ならではの特徴です。雨の日のお墓参りは濡れるだけでなく、転倒の危険もあり、高齢の方には厳しいものです。屋内墓地では、このようなトラブルを心配せずに、お参りができます。

お墓の掃除が不要

風や雨にさらされる屋外のお墓は、土埃や雨、コケなどで汚れていくことは避けられません。また、徐々に風化していくので、将来的には修理が必要になる可能性もあります。屋内であれば雨風にさらされることもなく、草むしりや墓石を磨くといったお墓のお手入れも少なく済みます。
また、納骨堂タイプではそもそも汚れる要因がありません。自動搬送式タイプの屋内墓地の場合は墓石は共有のものなので、施設のスタッフが清掃しています。

防犯面も安心

稀なことですが、屋外墓地ではイタズラや窃盗などの被害に合う可能性もあります。屋内墓地ではこうしたリスクを抑えられます。

永代供養をしてくれるところが多い

屋内墓地には、永代供養が可能なところが多いです。少子高齢化や核家族化が進む現在、将来のお墓の管理が心配な方にとって、安心して利用できる施設として候補に挙がります。

屋内墓地のデメリット

屋外墓地と比較した、屋内墓地のデメリットを紹介します。

屋外墓地よりも混み合う可能性が高い

自動搬送タイプでは、共同の墓石に代わる代わるお参りすることになります。そのため、お盆やお彼岸など、お墓参りのハイシーズンになると混雑することが予想されます。新型コロナウィルスの流行している昨今、室内で人が密集する状況は特に避けたいものです。
時期をずらすなどの工夫が必要になるかもしれません。

お墓のデザインの種類が少ない

ほとんどの屋内墓地では墓石や納骨室のデザインがあらかじめ決まっており、屋外墓地のように墓石の種類やデザインを選んで作ることができません。

管理料は比較的高い

屋外の墓地に比べてお墓の管理料がやや高い傾向にあります。管理料はお墓を使用する限り永続的に払うものです。一回一回は高く感じなくても、将来的には高額になっている可能性もありますのでお気を付けください。子供や孫に負担を残したくないと考える方は、一括で前払いできるところを探しましょう。

地方では自動搬送式タイプは少ない

現状、自動搬送式タイプの屋内墓地は、都会に集中して設けられています。地価の安い地方では「屋外墓地と比較して安価」というメリットが薄れ、ニーズも少なくなるからです。地域によってはそもそも近くに存在しない可能性があります。

最終的には合祀になる場合も

屋内墓地では、遺骨を収蔵してから、個別に遺骨を保管する期間が定められている場合があります。期限を過ぎると、合祀墓で他の遺骨と一緒に埋葬されます。あらかじめ期間を設定するところと、継承者がいなくなり管理料が払えなくなったら合祀というところの2種類があります。

将来的には建物の修繕が必要になる

屋内墓地で最も注意すべきことは、建物の耐久性と墓地としての将来性です。屋外墓地にお墓を建てる場合、所有者から土地を借りて建てることになります。土地には寿命がありませんから、契約している限りは基本的にいつまでも利用できることになります。一方、屋内墓地の場合、お借りしているのは建物の一部です。この場合、建物自体は徐々に劣化していきますから、将来使えなくなる可能性もあります。つまり、「墓地としての機能に寿命がある」ということです。もちろん、数十年で使えなくなってしまうわけではありませんが、代々受け継いでいこうとしている方にとっては気になるところです。
屋内墓地を探すときには、以下の点を必ず確認しましょう。
・建物の耐久年数
・耐震性
・防火設備
・建て直しになった場合の費用やご遺骨の取り扱い

屋内墓地を検討する際に注意すべきこと

さまざまなメリットを備えた屋内墓地ですが、「掃除をしなくていいから」「安価だから」といった理由で選ぶのはおすすめできません。墓石の掃除は、私たちが故人のためにして差し上げられる、数少ない心尽くしですし、故人を振り返りながらお墓を磨くことで、私たちの心も一緒に慰められます。こうした機会を失ってしまうことで、故人との別れの悲しみが後を引く方もいらっしゃるかもしれません。また、お墓にかかる費用には相応の理由があるものです。墓地・霊園ごとの特徴を把握しつつ、継承していく子供や孫、将来のことも考えて選ぶことが肝心です。

墓地・霊園を検討する際はこちらの記事もぜひご覧ください。
あなたにぴったりな墓地・霊園の選び方