お役立ちコラム お墓の色々

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お墓のリフォーム〜板石張り(石貼り)のメリット・デメリットを解説

墓地・墓石コラム

お墓のリフォーム〜板石張り(石貼り)のメリット・デメリットを解説

お墓といえば、玉砂利が敷いてある様子をイメージされる方が多いかもしれません。他にも、石張りのお墓や、最近ではあまりみられませんが古くからあるお墓の場合は土の上にそのまま建っているものも見られます。
「板石張り(石張り)」とは、お墓の敷地に板石(板状の石)を敷く使用のことを言い、近年、お墓を新しく建てられるタイミングに加えてお墓のリフォームの際にも、板石張りを選ばれるケースが増えてきました。
今回は、この板石張りについての基礎知識とメリット・デメリットを解説してきます。

新しいお墓の建立やお墓のリフォームを考えられる方だけではなく、草取りや掃除といったお墓参りに伴う労力を軽くすることなど、ご遺族ご家族でお墓を長い年月守っていくという視点でも、参考にしていただけることがあるかもしれません。

板石張りとは

前述の通り、板石張りとは、お墓の敷地の全面または一部に板石を敷く仕様のことを言います。
床のように全面に敷き詰める場合もありますし、敷地内の一部を石張りにして他の部分は玉砂利を敷いているお墓も見られます。
板石張りにした部分は草が生えず掃除がしやすいため、お手入れの手間を減らしつつお墓をきれいに保ちたいと考える方に選ばれることが多い印象です。さらに、手入れのしやすさだけでなく、高級感が出るということで板石張りが選ばれるケースもあります。

板石の表面は、たたき仕上げなどの滑り止め加工をしたり、模様をつけたりと、安全面と景観の両方を考えて施工されます。

板石張りのメリット・デメリット

メリット

〇 お掃除・お手入れがしやすい
お墓には、葉っぱや木の枝などが落ちることもあります。
玉砂利が敷いてある場合には、箒を使っても全ては取り除けない上に、最終的には残った葉っぱや枝を手で取り除くなど手間がかかることもあります。特にご高齢の方が手入れされる場合や、夏の暑い中でのお掃除は大変です。
板石張りにしておけば、落ちている葉っぱや枝は一度に箒ではけば済みます。また、板石の表面は磨かれているため滑り止め加工のない部分はもともと汚れがつきにくく、軽い汚れであれば水で擦って落とせることがほとんどです。このように、お掃除やお手入れの手間を省くことができます。

〇 雑草が生えるのを防ぐことができる
板石張りは、ただ板石を並べているだけというわけではなく、コンクリートの基礎を打つなど下準備をした上で板石を設置していきます。ですので、石張りの下から草が生えるのを防ぐことができます。
小まめにお墓の手入れをしていても、小さな雑草は生えてくるものですし、お墓の手入れを億劫に感じることもあるかもしれません。また、遠方で通うことが難しいという場合もあると思います。そのようなお悩み事を軽減することにもつながります。

〇 安全対策・バリアフリーになる
板石張りをすることで、お参りに来る方が、玉砂利に足を取られたり土で滑ったりするのを防ぐこともできます。また、リフォームの際に、もともとあった大きな段差が小さくなるよう設計をしてもらったりアプローチを広く設計し直してもらったりすると、足の不自由な方でもお参りがしやすい墓所になります。
墓石は本来磨かれて滑りやすい状態ですが、踏石など歩く場所は滑りにくく加工された石が使用されます。

〇 表面の加工でデザインを楽しめる
板石の表面に加工を施し、模様やアクセントを入れることでデザイン性を高めることもできます。お参り来る方の気持ちが、より安らかになるような空間を作ることが可能です。

〇 高級感溢れる印象
玉砂利や土の場合と比べて、石張りされているお墓に高級な印象を持つ方も多く、またその景観を保ちやすいという点でも選ばれることがあります。

デメリット

メリットがある一方で、気をつけておくとよいこともあるので、事前に確認しておくと良いでしょう。

〇 玉砂利や土の仕様に比べて費用がかかる
玉砂利や土の仕様に比べると、ある程度の施工費用がかかります。お墓を建てた後、手入れをして守っていく際のことをイメージしながら、ご遺族やご家族が大切にしたいことを相談し合って決めていくのが良いでしょう。

〇 濡れていると滑りやすくなる
メリットの欄に書いたように滑りにくく加工することができますが、加工していない場所は滑りやすいですので、雨が降った時などは特に注意しましょう。

〇 息苦しい印象に見える場合もある
高級感な印象を持つ方が多い一方で、圧迫感を覚えるという方もいらっしゃいます。
施工後にどのような印象になるのか、使用する石の色などによっても変わってくるので、石材店で施工事例を見せてもらうなど事前に色々なパターンを見ておかれると選択肢も広がります。

〇 自分でメンテナンスするのが難しい
大きく破損した場合には、自分でメンテナンスをするのは難しいため、どのようなケースが考えられるのかを石材店に確認しておくと良いでしょう。

同じデザインのお墓でも、玉砂利か石張りか、また石の色などでも大きく印象が変わってきます。お墓の景観が保たれていると、お墓を訪れる方の心も安らぎますし、お手入れの負担が減るとお墓に足を運ぶ機会も増えるかもしれません。お墓とのお付き合いは、何十年と続くものになります。お墓のデザインについても、ご家族ご遺族が大切にしたいこと、優先にしたいことをじっくり相談し検討できると良いですね。

お墓のリフォームについてはこちらに詳しく解説していますのでご覧ください。
お墓のリフォームを考えるタイミングと、依頼時の注意点

初めてお墓を建てる方はこちらを参考にしてみてください。
初めてお墓を建てる方必見!お墓づくりの手順について

石材店の選び方についてもこちらでご紹介しています。
石材店はどう選ぶ? 注目すべき5つのポイント