お役立ちコラム お墓の色々

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知ってた?オリンピック種目カーリングの「ストーン」の素材と墓石の関係

墓地・墓石コラム

知ってた?オリンピック種目カーリングの「ストーン」の素材と墓石の関係

冬季オリンピックの種目であり氷上のチェスとも呼ばれる「カーリング」。近年、平昌五輪に続き北京五輪でも日本代表がメダルを獲得したこともあって、日本でも大変注目を集めています。
「ここはお墓のサイトでは?カーリングと何の関係があるの?」と思われるかもしれませんが、実は、カーリングで使われる「ストーン」と日本のお墓で使われる墓石が同じ素材で出来ており、オリンピックをきっかけに一部のメディアなどで話題を呼んでいました。
ここでは、カーリングのストーンと墓石にまつわる意外な共通点や豆知識をまとめてみました。

カーリングの「ストーン」と墓石は同じ素材で出来ている?

カーリングのストーンの素材は、花崗岩という岩石を使って作られます。この花崗岩が、日本では御影石とも呼ばれ、墓石の定番として使用されています。
花崗岩は、マグマが地中深くでゆっくりと冷やされてできた岩石です。世界中のあらゆる場所に存在し、日本でも各地で産出されています。
花崗岩には、含まれる鉱物の種類や比率、冷える速度などによって細かい分類がありますが、その中でも強度の高いものがカーリングやお墓、さらには建物にまで使われているのです。

同じ花崗岩とはいえ、カーリングのストーンと墓石では、用途や選ばれる基準に違いがあるので、この後で詳しく解説していきます。

花崗岩の特性はこちらでも詳しく解説しています。
お墓に使われる『御影石』ってどんな石?
花崗岩と御影石の違いや墓石としての特徴など

花崗岩が使われている理由

花崗岩は、緻密で硬い・吸水率が低い・耐久性が高いなど様々な面で優れた特性があります。これらの特性に加えて、カーリング・お墓それぞれに都合が良い性質があるため、どちらにも重宝されています。

墓石に使われている理由

花崗岩は、上に書いた他にも熱を帯びにくく耐候性が高いという性質があり、丈夫な上、磨くと光沢が出て、まるで鏡面のような非常に美しい状態になります。
お墓は基本的に屋外に建てられ、日光や風雨にさらされます。特に日本では季節による温度変化も大きく、炎天下に置かれる時もあれば雪や氷に覆われてしまうこともあります。
そのような過酷な環境でも劣化しにくく、美しい状態を長く保つことができることから、花崗岩の中でも厳選されたものが墓石の定番として使われています。

また、日本には、昔からの道具や建物がたくさん残されていることからも分かるように、素材の良さを生かしながら、ものを長く大切に使うという文化があります。墓石の多くに花崗岩が選ばれているのは、質の良いものを大切にし世代を超えて受け継ぐという、日本人の心の現れとも言えそうです。

カーリングのストーンに使われている理由

カーリングとは氷上で行うウィンタースポーツです。2つのチームが交互に、ストーンと呼ばれる取手のついた丸い石を目標に向かって投げ(滑らせ)、ハウスと呼ばれる目標となる円に入れて得点を競います。時には、高得点を狙うためにストーン同士をぶつけて移動させることもあります。

このような競技形態に合わせて、重い石同士がぶつかる衝撃にも耐えることができ、氷上という極めて温度が低く水分が多い環境でも強度を保つことができる花崗岩が選ばれています。過酷な競技環境でも石の状態が安定しているということで、競技者がストーンの動きを予測しやすいというメリットもあるようです。

産地と選ばれ方には大きな違いがあります

同じ花崗岩でも、含まれる鉱物の種類や比率、岩ができる際に地中で冷やされる速度などによって細かい分類があります。つまり、岩のできる場所(産出場所)によって、その性質に差があるということです。
カーリングのストーンと墓石にはどちらにも花崗岩が使われていると書きましたが、使われる目的の違いから、花崗岩の種類や産地も大きく異なります。

墓石

墓石となる花崗岩(御影石)は、香川や福島から産出される国産のものもあれば、インドや中国など海外から産出されたものが使われることもあります。産出された場所によって、色や風合い・硬さなどに様々な特徴があり、建てる場所の環境や好みなどに合わせて選ぶことができます。
お墓は外観も大切にされるため、耐久性だけでなく見た目の美しさや石の個性にも価値が置かれ、様々な産地のものが使われているのです。

カーリングのストーン

カーリングのストーンに使われる花崗岩の産地については、国内外あらゆる産地の石が使われる墓石の場合とは大きく異なります。
オリンピックを始め国際大会で使用されるストーンは全て、スコットランドのアルサクレイグ島という小さな島で切り出された花崗岩のみが使われます。(参考:国際オリンピック協会ホームページ)
この土地で産出される花崗岩は、世界でも有数の硬さと純度を誇るとのこと。1度作ったストーンは、100年の耐久性があるそうです。カーリングのストーンは、石同士がぶつかる衝撃にも耐えられ、氷上という極めて過酷な環境でもそのコンディションが保たれるという条件の元、同じ産地の石にこだわって作られています。

ちなみに、このアルサクレイグ島は小さな無人島であり、自然保護の観点からこの島での採石は20年に1度のみと決められています。このように希少な石で作られるため、カーリングストーンは1個で約10万円、競技には必要な16個1セットにすると160万円以上の価格がするそうです。

このように、同じ花崗岩でも産地によって性質が異なり、様々な分野で使う目的に合わせた選ばれ方がされています。

墓石の産地についてはこちらでも詳しく紹介しています。
墓石といえば御影石、国内産地などについて紹介します
外国産墓石と国産墓石はどんな違いがあるの?


お墓に使われる石が、日常の別のシーンで使われている例は少なくありません。ビルの外壁や神社の石畳など外にあるものだけではなく、キッチンの天板、玄関、浴室など室内に使われていることもあります。アメリカでは、キッチンカウンターはホームセンターなどで花崗岩製のものが販売されており、それを買って取り付けます。あなたの町を見渡すと新しい発見があるかもしれません。
私たちは、その特性を活かして、色々な場面で石を活用してきました。今度お墓にお参りに訪れる時には、その石の辿ってきた歴史に想いを馳せ、墓石の色や風合い、手触りや質感などを味わってみてはいかがでしょうか。